「痛みにもマケズ、恐怖にもマケズ」
「ユカリちゃん!大丈―――― 」
ユイは敵を片付けて倒れたユカリを起こそうとしたその時、ユカリは立ち上がりユイの手を払った。
「邪魔しないで」
ギョロっと獣ような瞳に憎悪に満ちた表情、剣を持ち敵に向かって疾風の如く走る。
敵の間合いに詰めた時にロボットの腕がユカリの顔面に直撃して吹き飛ばされる。
「ユカリちゃん!すぐに突っ込んじゃあ!」
「私に指図するな!!」
誰かの声が聴こえるが思いもよらない怒号に一同騒然とする。
「ユカリさん?」
「ゆかりん??」
二人の方へ見るとその顔はまるで悪鬼、ユカリではない何かに乗っ取られてるような本人とは思えない声を荒げ猛スピードで走る。
「危ない!!」
ユイは声を掛けようにも一切聞く耳を持たずその攻撃をかわした。攻撃範囲ギリギリに立ち止まり背後に回り込んで剣を突き刺す。振り払うと同時に剣を引き抜き心臓部位に剣を突き刺し距離を取る。
「貸して」
プレアの大剣を奪い大きく振りかぶって投げつける背中に突き刺さった。
「ちょ!アタシの……」
「黙れ!!殺されないの?」
その声は確かにユカリなのに言葉はもはや別人でプレアは困惑する。
「えっ……ゆかりん……どうしちゃったの?」
「黙れって聞こえなかった?目障りだから消えて」
「そんなこと言わなくてもいいじゃないですか!」
ノアは駆け寄るとユカリからお腹を強烈な一撃で捩じ伏せた。
「ちょっとゆかりん!のあっちは何もしてないじゃん!」
「目障りだから殴って何が悪いの?」
ユカリはノアに股がると頬をひっぱたく。
「痛いです!やめてください」
「喋るな!!」
「ひっ!」
「貧弱が……殺してやる……」
ノアの首を掴みへし折ろうとする所でプレアに羽交い締めされる。
「やめなよ!!なんでこんなことすんの!?のあっち泣いてるよ!!」
「離せ!!お前ら皆殺してやる!!」
ユカリの馬鹿力により振るほどかされプレアに顔面を殴る。その間にロボットがユカリに攻撃しようとしたその時、赤い残光と友に心臓部位に血で塗らされた腕を突っ込む。大量の血液を流しロボットは呆気なく機能停止する。引っこ抜いた腕は皮が剥がれ金属の破片が突き刺され生爪が殆ど剥がれていた。
「邪魔しないで……」
ノアは完全に怯えて身体を丸くしている。
もうロボットのことなどどうでもよくなりただ泣いている。
「ユカリちゃん!」
ユイも駆けつけた途端ロボットに突き刺さった剣を引き抜き斬り付けようとようとした時、物凄い力により腕がへし折れた。
「えっ?」
ユイの一撃にユカリの腕は有らぬ方向に曲がっている。
「やめなさい」
「ちっ、お前も私を苛めるのか!!」
ユカリ?の言葉にユイは初めてユカリの頬に平手打ちをする。
「ユカリちゃん、貴方は人として最低よ。だから苛められるの」
「っ!」
我を忘れたユカリが突進するもはらりとかわされ平手打ちをする。
「痛いでしょ?涙ぐんでも助けないよ?」
「な、泣いてない!うっ!」
何回も平手打ちをするとユカリはついに怒りの頂点に達し更に暴れ狂う。
「ユカリちゃんを返して」
「う、うるさい!私は私だ!」
「違う!貴方みたいな卑怯者じゃない!攻撃することしか脳のない貴方はユカリちゃんじゃない!」
もう一発本気で平手打ちをするとユカリは地面に叩き付けられた後意識を失った。
ユイは駆け寄る二人にユカリの事情を話した、サクラユカリは二つの人格があるとのこと、そしてユカリは苛めや人間不信、殺意と憎悪を心の中に閉じ込めて覚醒してしまったことを全て話した。
話し終えるといつの間にか戦争は終わりユイはユカリを安全な場所で休ませると言って一人で先に帰ってしまった。




