「初めての異世界」
明日、私は真桜高校に入学する、家族との時間はあっという間に過ぎて私は幸せを感じた。だから今日も会いに行こうとしたが喫茶店には誰も居ない。家にも誰一人としていなかった。もしかしたら【異世界】のお仕事かもしれない。
でも私にはそこに行く手段が無い、どうしたものかとノアさんの部屋に行くとそこにはゆいゆいが使ってる携帯とは違う機種の携帯、確かあっちの世界では【戦士用スマートフォンか携帯デバイス】だったかな?それを拾い上げてゆいゆいと同じ方法で指を画面中心に押し続けると承認したのか携帯が開いた。えっと確かこの【トランスエリア】だったかな?タップして……座標は……ええっと適当で良いかな?もし手伝えることがあるなら私も手伝いたい。そう思って私は転送ボタンを押すと身体中に粒子が纏って目の前が真っ白になった。異世界・・・か。
☆★☆★
眩しい光が目の前が少しずつ開けていき、どうやら何処かへ到着したようだ。
「ここはどこ?」
キョロキョロと見回すもゆいゆい達の姿が見えない。それに……
「寒い!?」
風が肌に触れた途端春とは思えない寒さにびっくりする。ここの世界には季節感とかは存在しないのだろうか?
「うぅ……取り敢えず人……人……う~ん」
何処かの都だろうか?目の前には大きな噴水があって街らしき建造物が沢山並んでいるが中央には誰一人も歩いておらず皆横を通っている。
知らぬ土地で辺りをキョロキョロしてると巨大な噴水の中央から誰かが歩いて来るのが見える。
綺麗な淡い水色のボブカットに神秘に溢れた桃色の瞳、服装は大事な所しか隠れていない大胆な魅惑のボディ。まるで女王様のような人だ。
「あの!すいません!!此方にユイと言う桜色の髪をしたお姉さん見かけませんでしたか?」
私はその女性に話し掛けると周りの人の視線が気になった。
「あの子供皇女様に向かって……」
「しっ、殺されるわよ!あの娘も可愛そうに」
御愁傷様と訳が分からない言葉が聴こえるが私はただ人を尋ねただけなのに…まさか本当に女王様とか!?
「ユイ?もしかして地球に住んでるスズネユイ?」
女王様?は振り返ると私を見下ろされる程身長がかなり大きい。
「は、はい!私その人の家族というか仲間というか……」
私は改めて考えてると失言してしまったことが気付く、眉を寄せて女王様が何処からか取り出した槍を私の股下に突き刺す。
「ひっ!」
「私、ユイが大嫌いなの、迷惑したお詫びに此方に来なさい」
女性は手招きするも私は頑なに強張った。
「お、お詫びって……ただ訊いただけじゃないですか」
「私は今不機嫌なの、早くしないとアンタの腹から臓物を引っ張り出してあげましょうか?」
理不尽な言葉と隙を与えないと言わんばかりに高圧的な女性は槍を引き抜くとその刃には無数の棘が生えており突き刺されたらひとたまりもない!
「サクラユカリ、言ってる意味が分からないの?それじゃあアンタの腹から臓物を引っ張り出して……」
「こ、これでいいですか!?」
命の危機に私は足早に女性の目の前に立った。その時だった。
女性は私を覆い隠すように抱き締めた。目の前が大きな胸元に押し付けられ前が見えない。
「ふ~ん小柄のくせして普通の女の子なのね」
ぶはっ!開放され―――― っ!?
また胸を押し付けられて息苦しくて私はその場で倒れ込んでしまった。
「げほ!げほ!」
「あらあらそんなに股を開いていいの?」
はっ!と私の股が開いてるのを皆見てる。私は急いでスカートで股を塞ぎ顔が熱くなってしまった。
「大丈夫よ、見られてないわ」
女性はそう言うとほっとするが耳元で囁く。
「可愛いリボンね♪」
ドクンと脈が打つ。
「み、見たんですか?」
「ええ、可愛い下着ね。私には似合わないけどね」
女性はからかってるのかわざと甘い声で私の下着について語っている。恥ずかしくてそれどろこじゃない私は早くゆいゆいを探そうとしたその時…………
「その子から離れて」
聞き覚えのある声は後ろから振り返る、だがそこにはあのドス黒いオーラを放つ私の知らない女性が居た。




