「ラブ・シスターズ・ラヴ」
心臓が痛い、こんな感情は初めてで私は戸惑った。まさかユカリちゃんが私のことを大好きだなんて。やっぱり婚姻届は必須になりそう。
そんなことはどうでもいい、あの日を境にユカリちゃんを避けてしまっている。触れるだけで胸が熱くなってドキドキしてしまう。可愛い、好き大好き。と瞳がハートになる程好きになってしまった。いつも間にか私の傍にはユカリちゃんが付いて来るようになって本当のユカリちゃんの気持ちで幸せそうに笑っている。胸が痛い。
「ゆいゆい?」
心臓が跳ね上がり過ぎて痛くなる胸を抑え過呼吸になる。駄目よ、相手は子ども。大人の私がこんな可愛い女の子に恋を抱いてはいけない、なのに!暴走しそうで抑えてるのが精一杯で今ユカリちゃんに甘えられた爆発してしまうかもしれない。
「ゆいゆい♪今日はどんなご飯作ってくれるの♪」
甘えてるの!?それともこれが素なの!?キッチンに立つなり後ろからギュッと抱き締めてくれる妹なんて初めてよ!?最初は本当のユカリちゃんの意思と分かり合おうとする心に惹かれて好きになっちゃったけど今はもう―――― 兎に角可愛すぎる!!なんでこんなに甘やかしたいの!?これが妹!?本当のユカリちゃんは甘えん坊で人懐っこい性格なの!?何その可愛い生き物!?
頭の中でも爆発しそうな脳味噌を心頭滅却すれば……無理!!ユカリちゃんが袖を引っ張ってくるせいで死にそう!
「も、も~甘えん坊さんめ♪」
「えへへ♪もう少しで学校に入学だから会える日も少なくなっちゃうから今の内に……ね♪」
「それならバイトは!?お姉さん喫茶店の店長やってるからユカリちゃんならいつでも雇うよ♪お姉さんの妹としてね♪」
「本当に!?でも……バイトって難しいよね?履歴書とか必要は――― 」
「ユカリちゃんならお姉さんのコネでその日から仕事になるからちゃんと覚えようね♪」
「あれ?」
「それで家の看板娘が決定してお店も繁盛させてユカリちゃんに美味しい物や服やお姉さんが手作りして~アルバムや色んな所に遊びに行って~楽しいことだらけじゃない!!」
「あの~ゆいゆい?」
「あ~でもでも戦士としての育成やミッションもあるからお姉さんいつでも傍に居られないし~どうしよう!!ユカリちゃんが他の子と仲良く出来るか不安だし!ノアちゃんやプレアちゃんと仲良しになる方法とか!!あーそれと!!」
「ゆいゆい!?」
はっとユカリちゃんの言葉で我に帰る。もう爆発してるじゃない。ちょっと気持ち悪くなってるし何やってるんだろう私。
「そんなことまで考えてくれてたの?」
「ふえ!?あっ!それはその!!」
不味いユカリちゃんに悪印象抱かれちゃったかな?
たかその時のユカリは満面の笑顔で言葉を返した。
「ありがとうゆいゆい♪」
その日からかな?お姉さん暴走するようになったの。もう止められなくなって壊れたブレーキを踏み込んでも一切止まることがなくなった。




