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ピヨピヨ童話集  作者: レモン
2/10

ピヨピヨ第二話 ~ピヨピヨ、地球へ行く~

 ピヨ星のピヨピヨとピーコは楽しくFLOWER GARDENで遊んでいました。

 すると、二つのバラを持った女の子が歩いてきた。

 「私の名前はレベッカ。地球からやってきたの。ママがこのエメラルド色のバラを持ってピヨ星に行きたいと願えばピヨ星に行けるって言ってたの。」

 「そうなんだ。長い旅お疲れ様。ぼくの名前はピヨピヨだよ。」

 「私、ピーコ。」とピーコは言った。

 「よろしくね。」とピヨピヨとピーコは言った。

 ピヨピヨとピーコとレベッカはピヨピヨの家に向かって歩き出した。

 「さぁ着いた!下が僕の家で上がピーコちゃんの家だよ。」

 「家の中には貝柱型のベッドが二つあるんだよ。」

 ピヨピヨ、レベッカはピヨピヨの家に、ピーコはピーコの家に帰った。

 「おやすみなさい。」

 「おやすみ、ピーコちゃん。」


 それからピヨピヨはピヨ星のいろんな場所へレベッカを連れていった。ピヨピヨとレベッカはたくさんの楽しい思い出を作った。

 「ここがGREEN LAND。あそこにいるのがストゥーパーだよ。目がかわいいんだ。それとここにいるのがブロッコ。緑と青の二種類がいて、とてもおいしそうなんだ。これがくま。恥ずかしがりやだけど、とても優しいんだ。」

 「おなじみのFLOWER GARDENでは左からブロッソムとフラワーオがいるよ。」

 「RAINBOW WORLDではレインボーが雲を使って歩いてきて、とても面白くてきれいなんだ。」

 「WACKY WORLDにはミスター・フリークがいて、時々いろんな変なものをランダムに出すんだ。」

 「ここがSAPPHIRE LAKE。あそこを優雅に楽しそうにすべっているのがすけーたー。」

 「この池はいつでも水が凍っていて、その上を歩けるんだ。真ん中に行くほど濃くなっていて、全体としてサファイア色に光る不思議な池なんだ。」


 ある夜、

 「ねぇ、ピヨピヨ。」と女の子は言った。

 「ん?」

 「私、もうすぐ地球へ帰らなきゃいけないんだけど、今度はピヨピヨも一緒に地球に来ない?」

 「え?」

 「地球もきっと楽しいと思うし、ピヨピヨに会えなくなるのさみしいし。」

 「確かにぼくもさみしい。わかった、じゃあ明日ようせいの国へ行ってピヨ星人の地球への行き方を聞いてみるよ。地球っていったいどんな星なんだろうな…」


 「さぁ、ようせいの国に着いたよ。」

 二人のようせいが近づいてきて、自己紹介をした。

 「私、サファイアといいます。」

 「私、エメラルドといいます。」

 「今度は何のご用で?」

 「ピヨ星人の地球への行き方を教えてください。」

 「それなら簡単です。」

 「地球へ行きたい時はこのサファイア色のネックレスを持って、SAPPHIRE LAKEの真ん中に立ち、地球へ行きたいと願うのよ。逆に地球からピヨ星へ帰りたい時はこのエメラルド色のネックレスを持ってピヨ星へ行きたいと願うのよ。」

 「分かった。どうもありがとう。」

 「お安いご用ですわ。また何か知りたいことがあればいつでもいらっしゃい。」


 ようせいの国を出て、ピヨピヨは女の子と手をつないだ。

 「それじゃあ、また地球で会おうね。」

 「うん。」


 ピヨピヨはSAPPHIRE LAKEの真ん中に立ち、目を閉じて『地球へ行けますように。地球へ行けますように。』と願った。


 目を開けると、レベッカの部屋に着いていた。

 「レベッカちゃんの部屋に着いた!すてきな部屋だね。」

 その時、パタッとドアが開き、そこにレベッカのお母さんが立っていた。「あら、レベッカ、お帰りなさい。まぁピヨピヨじゃない!?お久しぶりね~!お元気?」

 「もしかしてあの時はじめてピヨ星に迷い込んできた…とても変わりましたねぇ。ぼくはとても元気です。」

 「そう。また会えて嬉しいわ。存分に地球を楽しんでいって下さいね。」

 そう言ってレベッカのお母さんは去った。

 「ピヨピヨはママのこと知ってるの?」

 「うん。君が生まれるずーっと前にね…」

 二人は夜遅くまで語り合い、やがて一緒に寝た。


 次の朝、レベッカはピヨピヨに街を案内した。

 「ここがスーパーだよ。」

 「ここが本屋さんだよ。」

 「ここが公園だよ。」

 「どう?なかなか素晴らしいでしょ、地球は。」

 「うん、地球ってすごいや!」


 しかし、ピヨピヨは、昼間は飛行機や工事の音、夜は救急車やバイクの音など昼夜の騒音に内心悩んでいた。


 一方、学校では、一日目、ピヨピヨはクラスの前で先生に紹介された。

 「ピヨ星から来たピヨピヨ君です。皆さん仲良くしてあげてくださいね。」

 休み時間には、お友達がピヨピヨの方に近寄ってきて、「ピヨピヨ!一緒に縄跳びしようよ!」と誘ってきた。

 ピヨピヨは得意のジャンプ力で高く飛び、何重飛びもした。

 「すごーい!!」

 「す、すごい!!」

 「何重飛び!?」

 ピヨピヨは自慢げに「ピヨ星人はものすごいジャンプ力があるんだ。」と言った。

 こうしてピヨピヨは学校一日目をすご~く楽しめた。しかし、二日目には問題が生じた。

 「今日は私がピヨピヨと遊ぶの!」

 「いや、私よ!」

 「ねぇ、ピヨピヨは私とエミどっちが好きなの?」

 「えー…そんなどっちと言われても…」

 「ねぇ、ピヨピヨ、そのネックレスちょっと見せて!」

 「え、ダメだよ、これは大事な…」

 「いいじゃん、いいじゃん!」

 みんなが寄ってきてピヨピヨからネックレスを奪おうとした。そして、気づいたらネックレスの宝石がなくなっていた。

 「うわぁ、大変だ!ネックレスの宝石がなくなっちゃった!」


 学校でも生じるけんか、いじめ、不登校の問題…

 地球は素晴らしい星ではあったが、ピヨ星の理想にはかなわなかった。ピヨピヨはピヨ星へ帰ろうと思った。


 「ピーコちゃんへ手紙を送ろう!」


ピーコちゃんへ

 大変です!僕、今地球にいてピヨ星へ帰れなくなってしまいました…

 ピーコちゃん、お願いなんだけど、ようせいの国へ行って、サファイア色のネックレスとエメラルド色のネックレスを僕の分も一つずつもらって、地球に来てくれないかな?どうか頼みます!

ピヨピヨ


 「紙飛行機にして外へ飛ばす!」

 ピヨピヨは紙飛行機にした手紙をレベッカの部屋の窓の外へ飛ばした。


 ピヨ星にて、ピーコは手紙を読み、「まぁ、ピヨピヨったら!ずっとお留守にしていると思ったら…仕方ない。私も地球へ行ってあげましょう。」と言った。


 ピーコは地球へ無事着き、ピヨピヨは「ピーコちゃん、ありがとう!」と言った。

 「さぁみんなで願おう。ピヨ星へ行けますように…」

 これでピヨピヨたちは無事ピヨ星へ行くことができました。


 ところで、ピヨ星人は、4歳ぐらいになると結婚を考える。ピヨピヨとピーコもそろそろ結婚することを考えていた。

 「よし!じゃあ、結婚式は今日の午後WHITE CHURCHでやろう!」


 WHITE CHURCHにて結婚式が始まった。

 神父代わりのコアサックはピヨピヨに尋ねた。「あなたは永遠に妻、ピーコさんのことを愛することを誓いますか。」

 「はい。」とピヨピヨは答えた。

 続いてコアサックはピーコに、「あなたは永遠に夫、ピヨピヨさんのことを愛することを誓いますか。」と聞いた。

 「はい。」とピーコは答えた。

 「では、誓いのキスを―」

 その時、教会のドアがいきなり開き、イムヌが蛇や枯葉など何やら悪いものを頭からいっぱい出していた。

 「大変だ!イムヌがなんか怒ってるぞ!」

 「どうして怒ってるの、イムヌ?」

 「なんで僕を結婚式に呼んでくれなかったんだい!?」

 「あ、ごめん、忘れてた…」

 「大変だ!外にはテラーもいる!」

 会場内では「キャー!キャー!」「火ふかれる~!」と悲鳴があがった。

 そこで、シェイプ・トリオが出動した。

 「只今、結婚式中です!おとなしくできないのなら退場してもらいます!」

 これにはイムヌもびっくりした。

 「あ、見て!外でサニーが光っていて、テラーが逃げたよ!」

 (「テラーはお日様光に弱いんだっけ…」と誰かがつぶやいた。)

 「おっほん!」とコアサックは再び指揮をとった。「では、誓いのキスを!」

 ピヨピヨとピーコはキスをした。

 (周りでは「ワオッ!」「キャー!キャー!」というはしゃぎ声があった。)

 クラッカーがパン!パン!と鳴った。

 「バンザーイ!」「オメデトォー!」とクラッカーも二人を祝福してくれた。

 「やった、やった!僕もいいところに間に合った!」とイムヌも喜んだ。

 こうしてピヨピヨとピーコは無事結婚することができた。二人はハニームーンへ出かけた。居場所のなくなってしまったレベッカは、ひとまず地球に帰ることにした。その後、レベッカは子供を産み、ピヨ星へ行かせた。その頃、ピヨ星ではベイビーピヨが生まれ、ピヨピヨとピーコは子育てで忙しかったので、レベッカの子供はデブピヨとヤセピヨの元に預けられた。

 このようにピヨ星でも地球でも生命は引き継がれていく。二つの星が永久に繁栄し続けられますように。

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