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ピヨピヨ童話集  作者: レモン
1/10

ピヨピヨ第一話 ~ピヨ星へ迷い込んだ女の子~

 ピヨ星のピヨピヨ達はとても楽しい毎日をFLOWER GARDENで過ごしていました。

 「あ、ピーコちゃん、おはよう。」

 ピヨピヨとピーコは親友だ。二人はピヨ星ではまだ三歳だが、地球ではもう三十歳だ。ピヨ星人は人間の十倍も長く生きるらしい。

 「あそぼ。」

 二人はきれいなPELLUCID RIVERに着いた。二人はその川で時々流れてくる星を集めるのが好きだった。

 と、その時…

 しくしく

 しくしく

 しくしく

 女の子が川の岩の上に座って泣いていた。

 「どうしたの?」

 「パパやママとはぐれちゃったの。気づいたらここにいたの。もうどうやって地球に戻れるのか分からない。一人ぼっちになっちゃったの。」

 「・・・・・。」

 ピヨピヨはにっこり笑って言った。

 「大丈夫だよ。君は一人ぼっちなんかじゃない。君が地球に戻る日が来るまで僕が面倒を見てあげるから。だから心配しないで。」

 「とりあえず僕んちに帰ろう!」

 ピヨピヨとピーコと女の子は歩き出した。

 「ピヨ星にはピヨ星独特の生き物が沢山いるからね。きっと楽しめると思うよ。」

 「へぇ、そうなんだ。」女の子も笑顔で言った。

 「これがデビー。現れて数秒したら消えてまた別のところに現れるんだよ。」

 「これがイムヌ。気分によって何か出てくるんだよ。今はびっくりしてるみたい。」

 「これがフィノ。お腹のボタンを1回押すとパタパタ羽ばたいていって、2回押すとしっぽの上でピョンピョンはねる。」

 「これがタビー。一番かわいい。」

 「これがメリーアン。優しくて理解力がある。」

 「こんな風に色んな生き物がピヨ星にはいるんだよ。」とピヨピヨは女の子に言った。

 一同はピヨピヨとピーコの家に着いた。

 「さぁ着いたよ。下が僕の家で、上がピーコちゃんの家だよ。ほとんど地球の家と変わらない。違うところといえば、屋根の上に丸い展望室があることぐらいかな。」

 女の子はピヨピヨの家に行き、ピーコは自分の家に行った。

 「おやすみなさい。」とピーコが言った。

 「おやすみ、ピーコちゃん。」とピヨピヨは答えた。


 その頃地球では…

 強盗殺人事件。

 窃盗。

 放火。

 虐待。

 たくさんの悲しいニュースが流れていた。

 本当の救いはいつの日に現れるのだろうか。


 「あ、ルーンバが家の外を飛んでいる。乗せてもらえるかな?」

 「わぁい、乗せてもらえた☆どこへ連れていってもらえるんだろう。」

 「あそこにいるのはシャブ。シュークスに追われてるんだ。」

 「あれはうすぅ。下から土台、イースターエッグ、ひよこっていう構成になっていて、各段を動かせるが、しばらくすると勝手に元に戻るのさ。」

 「あれがプラネトー。あちこちを自由自在に飛び回るんだ。見るとかわいらしくて笑顔になる。時々しか見かけない。」

 「りんごの森に着いたよ。ここでルーンバは降ろしてくれるみたい。」

 「僕たちピヨ星人はものすごいジャンプ力があるんだ。」とピヨピヨは言いながら、ポーンと飛んでりんごの木からりんごをもぎ取った。

 「はい、どうぞ。」

 「ありがとう。」女の子は喜んで言った。


 こうしてピヨピヨと地球人の女の子は日に日に仲良くなっていった。二人は毎日楽しく過ごした。

 「今日はクックのところへ行こう!」

 「左からオニオン君、パンプキンさん、セロリ君。キューリ君とポテトさん。」

 「そして、これがクック。」

 「今日は何にいたしますかね?」とクックは尋ねてきた。

 「クックスペシャルで。」

 「かしこまりました。今からお作りいたします。」

 「大変だ、僕たち食べられちゃう。」とセロリ君は慌てて言う。

 「いやだ。」とパンプキンさんはわめく。

 「にげろ~!」とオニオン君は叫ぶ。

 「こらぁまて~!」とクックは野菜達を追った。

 しばらくしてから…

 「はぁ、おいしかったね。」

 「野菜達は結局食べられちゃったけど大丈夫なの?」と女の子は心配そうに聞いた。

 「あぁ、クックの野菜は繁殖率がいいからね。また生まれてくるよ。」


 そして…

 「今日はフード畑に行こう!」

 「左からパン、ラブマロ、キューティーナット。コーニオ、ホワイトビーン、ブラックビーンだよ。」

 「皆食べられる生き物なんだ。食べ方はガブッて丸ごと一気飲みしちゃうの。」


 二人はその晩、展望室へ星を見に行った。

 「きれいだね。」

 「うん、とってもきれい。」

 「ねぇ、ピヨピヨ。」

 「なぁに?」

 「ピヨ星人って本当はロボットなの?」

 「いや、ロボットじゃないよ。地球人からすると宇宙人ってところかな。僕たちからすると地球人が宇宙人なんだけどね。」

 「ねぇ、ピヨピヨ。」

 「ん?」

 「私いつになったら地球に戻れるんだろう?それとも一生ここにいていいのかな。」

 「いや、それはまずいと思うよ。大丈夫、絶対いつか帰れるよ。明日ようせいの国へ行って、地球への帰り方を教えてもらおう。」

 「うん。地球もきっとこの星達の中の一つなんだろうな。ママやパパは今ごろどうしているだろう…」


 「ここがようせいの国。」

 二人のようせいがやってきて自己紹介してきた。

 「私サファイアといいます。」

 「私エメラルドといいます。」

 「今日は何のご用で?」

 「地球への帰り方を教えていただきたいんですけど。」

 「それなら簡単です。」

 「ピヨ星で最も大きい生き物であるロンクの頭の上でこのサファイア色のバラを持ち、地球に帰りたいと願うのよ。」

 「逆に地球からピヨ星に戻りたいと思った時は、このエメラルド色のバラを持って、ピヨ星に帰りたいと願うのよ。」

 「分かった。どうもありがとう。」

 「お安いご用ですわ。また何か知りたいことがあれば、いつでもいらっしゃい。」

 「これがロンク。高さ一キロもあるんだよ。」

 「あ、ちょうどクイポがきた。ロンクの上まで乗せてもらおう。」

 二人はクイポにロンクの頭の上まで乗せてもらった。

 「着いた~。すごい見晴らしがいいね。」

 「じゃあ、そろそろお別れだね。バイバイ。またいつでもおいでね。」

 「うん、ありがとう。」

 ピヨピヨと女の子は別れの挨拶として最後に手をつないだ。

 そして、女の子は一人でサファイア色のバラを持ち、願った。

 『地球に帰れますように。』


 地球人の女の子は無事地球に戻れた。

 「ママ!パパ!」女の子は親の元へ走っていった。

 「サラ!いったいどこへ行ってたの?」とサラの両親は心配そうに言った。

 サラは大人になったら自分の子供にもピヨ星へ行かせた。もちろんピヨピヨ達はその子のことも大歓迎だった。

 乙女心や冒険心を持った子供にしか見えない世界がある。それがピヨピヨワールドである。

 癒しを求めに訪れた者は必ず癒されて帰る。それがピヨピヨワールドである。

 全ての生き物は互いに愛し合い、平和に生きていく。それがピヨピヨワールドである。

 いつか地球にも愛と自由と平和が訪れますように。

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