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村人Aは勇者パーティーに入りたい! ~圧倒的モブが史上最高の案内人を目指します~  作者: 凛 捺也
第八章 王都公認 案内人適性試験 最終試験編
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82.タイムアウト

異世界転移をしたパーフェクトガール、北大路ナミことナヴィ。

職業『村人A』

仕事『駆け出し冒険者に、最初のダンジョンの情報を与える』のみ。


王都公認 『案内人適性試験』に臨むナヴィ。


サテラ優勢で開戦した二人の試合。タイムアウトを取ったのは……。

「タイムアウトォォ!」


 会場が一瞬静まり返る。


 スーザンは転移魔法で瞬間的にフィールドの中心に降り立った。


「一旦そこまで! 案内人から宣言があったため今から三分間タイムアウトを取ります。両者はフィールドの外へ!」



 その時、観客席で見ていたエンフィーが隣にいるハンナに話しかけた。


「ハンナさん。今タイムアウト取ったのって……」


「うん。ナヴィだね」


 僕達から見て今押してるのは完全にサテラちゃんだ。どうしてこのタイミングで。


「あー。なるほど……」


 ハンナの横でエンフィーがくすくすと笑い始めた。


「ん……エンフィー何かわかったのかい?」


「はい。ふふ。ほんとお姉ちゃんのこういう時の性格の悪さは尊敬するレベルです」


「……どういうこと?」


「お姉ちゃんはサテラちゃんに何かアドバイスを言うためにタイムアウトを取ったんじゃないんです」


「ということはエドウィン達のペアになにかが?」


「たぶんですけど……こんなタイムアウトの使い方するなんて」


 二人はエドウィン達に視線を向けた。



「エドウィンさん! 押されっぱなしじゃないですか!」


「うるせぇ! んなこた言われなくても分かってる、それより水よこせ!」


「っち! はい」


 タパの持っていた水を奪うように取り一気に飲み干した。


「んぐんぐ。ぷはぁー」


 エドウィンは口からあふれた水を豪快に腕で拭く。


「エドウィンさん。なんか勝算あるんですか……?」


「は、しんねぇよ。お前は黙って見てろ」


 その言葉にタパの堪忍袋の緒が切れた。


「は!? 俺の試験なんですけど、前も言ったけどあんたが負けたら俺が落ちるんすよ」


「うっせえぞタパァ! てめぇも殺されてぇか!」


 恐喝と同時に槍の先端がタパの胸に触れた。


「ひっ!」



「タイムアウト終了です!」


「ちっ、こんな時間いらねぇよ」


 エドウィンは早々にフィールドに上がった。



「おい、サテラ! おせぇぞ。早く始めようぜ」


 槍の石突をガンガンとフィールドに当て、サテラを急かす。



 それを見たナヴィがエドウィンを見て不敵に笑みを浮かべた。


「まったくせっかちなのねエドウィン君は」


「あぁ?」


「さぁ、サテラちゃん、行ってらっしゃい!」


「はい!」


 サテラがゆっくりとフィールドに立った。


「さぁ、スーザンさん。早く再開の宣言をしろ!」


 すでに臨戦態勢のエドウィンは今か今かと宣言を待っていた。


「まったく……試合再開!」


「うおぉぉぉ!」


「速い! さっきよりも何倍も……。でもナヴィさんが言ってたこと思い出せば……」




 ナヴィとサテラのタイムアウトの作戦会議では自分たちのことではなくエドウィン達の考察から始まった。


「あの、ナヴィさん。どうしてこのタイミングでタイムアウトを?」


「エドウィン君が負けるはずのないあなたに押されて驚いてた。その後一度落ち着きを取り戻そうとして深呼吸を取ってたでしょ?」


「はい、魔力の乱れもそこで無くなった気が……」


「そう! さすが次席の実力者ってところだったわ。格下と思ってた相手を認めて改めて冷静になれる判断力と精神力。だけどね、これは一人で戦うんじゃないでしょ?」


「はい、それはそうですけど……」


「見てごらんなさい向こうサイドを」


 ナヴィはそういうとタパ達を指さした。

 そこにはお互いを罵倒し合い、とてもペアとは思えない険悪な雰囲気が漂っていた二人の姿があった。


 その姿を見たサテラがナヴィの思考に驚いた。


「ナヴィさんまさか、あれを狙って……」


「ふふ、一人だったら何とかなったのかもしれないけど、これはペアでのトーナメントだからね。いくら一人で落ち着けても相方はそうはいかないわ。自分なりに解釈して攻略しようと思ってた矢先、横やりが飛んでくる。それで落ち着けっていう方が無理な話よ」


「す、すごい。こんなタイムアウトの取り方があるなんて……」


「さぁ、サテラちゃん。あなたの動きは昨日よりもさらに良くなってるわ! 相手がかっとなってる分パワーとかスピードは上がるかもしれない。けど、さっき以上に洗練さに欠いた動きになるはず。エンフィーの情報とハンナの動きを持ったあなたに負ける理由はないわ!」


 ナヴィはサテラの手を取りぎゅっと握った。


「さぁ、落ち着いて勝ちにいきましょう」


「はい!」


 その時、フィールドの中心からエドウィンの声が聞こえた。


「おい、サテラ! おせぇぞ。早く始めようぜ」


 二人のタイムアウトが終わった。



「エドウィン。さっきよりも速いけど……ナヴィさんの言ってた通りだ……」


 いつもより動きが雑だし、エンフィーさんから教えてもらったエドウィンの癖もよく分かる。


 そういえば気づかなかったけど、ナヴィさんのタイムアウトの終わるタイミングも絶妙だった。伝えたいことを最後まで言い切って時間いっぱいしっかりと使って私にアドバイスをくれた。


 本当にすごい人……。


 あの人がいれば私負ける気がしない!



 サテラはエドウィンの攻撃を躱しつつ着々と攻撃を当てていった。 


「くそいってぇなぁ! ちょこまかとしやがって」


「来なさいエドウィン、『あなた達』には負けないわ!」



「ほざけぇ! 『俺』が負けるなんてありえねぇんだよ!」

<ファイアーランス!>


「今だ!」

<ダブルスラッシュ!>



 二人の必殺技がぶつかり合い、大きな衝撃波が会場に広がっていった。

最後までご覧いただきありがとうございました!

第八章 七話 いかがだったでしょうか。

少しでも面白いと感じていただけたら、評価、レビュー、感想、ブックマーク、ぜひお願いいたします!


こちらの作品は毎日2000~3000字ほどで朝7~8時を目安に更新しています!

ぜひ次回もご覧ください!


二人の技がぶつかり合ったその後……。

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