40.補助魔法の使い方
異世界転移をしたパーフェクトガール、北大路ナミことナヴィ。
職業『村人A』
仕事『駆け出し冒険者に、最初のダンジョンの情報を与える』のみ。
『村人』→『ガイド』→『上級ガイド』へとクラスアップしたナヴィ。
攫われたエンフィーを助けるため、ダンジョンに入るナヴィ、ルナ、アメルダ。順調に進んでいくが……?
「ルナ、ナヴィさん。このダンジョンです」
アメルダは背中に乗せていた二人を降ろす。
「ありがと!」
「ありがとうございます。アメルダ」
「お安い御用です」
「このダンジョン……」
確か前にサム様のパーティーの同行をした時の……ボスはビッグゴブリンだったかしら。嫌な相手だった記憶が。
「ナヴィさん?」
「あ、ごめんルナ、昔ここのダンジョンに同行で入ったことがあって」
「なるほど、じゃあここはナヴィさんに任せた方がよさそうですね」
「えぇ、でもアメルダの嗅覚も必要だから疲れてるところ申し訳ないけどもう少しだけ力を貸してくれる?」
「もちろんです。ナヴィさん」
ただ、ガーディアンを使っている間は術者の魔力が継続的に減っていく。私レベルのガーディアンだと余計減りが早くなる。
「ルナ、大丈夫?」
「アメルダ……大丈夫です。もう少しだけ頑張れます」
「わかりました。では二人とも行きましょう」
「はい!」
「えぇ、アメルダよろしく」
ダンジョン内は迷路のように複雑な構造になっているが、前回同様ナヴィの的確な道案内で最深部までの最短ルートを歩くことができていた。
「ルナ! アメルダ! ゴブリン型のモンスターよ」
「任せてください!」
アメルダはスピードを一気に上げゴブリンに突進していく。
<アタックグロウ!>
ナヴィの補助魔法により、アメルダの攻撃力が上がる。
アメルダの突進はゴブリンに大ダメージを与え、一撃で倒すことができた。
「ナヴィさんありがとう」
「いいえ、少し強めのモンスターだったから魔力を温存しようとしてたけどつい……」
あのモンスターは普通のゴブリンじゃなく、ゴブリンゾンビだった。サム様達の同行の時には出てこなかった。ダンジョンのレベルが変わってるのかしら。それとも……
その後も何度かモンスターに遭遇したがアメルダとナヴィの下級攻撃魔法で順調に倒していった。
<エアウォール!>
空気の壁がモンスターを押し潰した。
「お見事です! ナヴィさん」
「ありがとうルナ」
また前に出てこなかったモンスターだった。でも、前回もいた普通のゴブリンもいる。おそらくもう予想できるのは一つしかない。これは確かにまずいかも。
「ナヴィさん。ここです、この部屋の奥に強い匂いを感じるわ」
「ボス部屋の奥ね。前回はレアアイテムをドロップして終わったからその先にはいかなかったのよね」
「ナヴィさんここのボスはどんなボスなんですか?」
「ビッグゴブリンだったわ、攻撃力とスピードがあるけどHPは少ないから強力な攻撃を一気に当てればそんなに苦労しないはずよ」
「なるほど、アメルダ。まだいけそうですか?」
ダンジョンに入ってからルナのアメルダに注ぐ魔力が少量になっていたためアメルダも疲弊していた。
「えぇ、ここの戦闘くらいなら何とか……最悪消える前にあれもできるし……」
……あれって?
「すみません。お願いします」
ルナはガーディアンを出してるから他に魔法は使えない。実質アメルダとあたしでやらなきゃいけないってことね。あたしもさっきのMPポーション分はほとんど尽きてるし最小限の魔法でどこまでできるか……。
「時間がない。ナヴィさん、ルナ。行きましょう」
「「はい!」」
ボス部屋に入ったナヴィはビッグゴブリンの姿に一驚を喫した。
「なんで……」
「ナヴィさん?」
横を向くルナの目に映ったのは、思考回路が完全に停止してしまったかのように固まったナヴィの姿だった。
「ナヴィさん、ルナ! 危ない!」
アメルダは体の側面を使い、二人の身体を吹き飛ばした。
ナヴィとルナがいた場所には、攻撃に移ったビッグゴブリンのこん棒が目では追うことができないほどの速度で振り下ろされていた。
「ナヴィさんしっかり!」
「あれはあたしの知ってるビッグゴブリンじゃない。強化されている……?」
あのオーラからしてかかってるのは<アクセル><アタックグロウ>の二つ。魔力のレベル自体は低いけど、明らかに前回よりも強い……。
「ルナ、ナヴィ。離れていてください」
「アメルダ!」
<アクセル!>
<アタックグロウ!>
ナヴィは杖を構え、ビッグゴブリンに突進していくアメルダに補助魔法を掛けた。
これならいける!このままゴブリンに突っ込めば!
アメルダはゴブリンのスピードを超え、重い一撃を腹部に与えた。
「グオォ……」
よし、このままいけば私もこの状態で終われる!
攻撃を続けるアメルダにゴブリンもスピードの上がった攻撃を繰り出す。
「くっ、やっぱりそれでもこのゴブリン速い……」
「一気に決めます!」
<電光石火!>
アメルダは目にも留まらぬスピードでゴブリンに連撃を与えていった。
二人はアメルダの戦いぶりを見て勝ちを確信した。
「ルナ」
「えぇ倒せそうです!」
大ダメージを受けたゴブリンは持っていたこん棒を足元に落とし、動きが止まる。
「次で決める!」
その瞬間ビッグゴブリンは緑色の光に包まれた。
ナヴィは目を大きく見開いた。
「これは<ヒール>……?」
「ぎゃぁ!」
その光を凝視してしまったアメルダが、ゴブリンのこん棒の振り払いの反撃で壁まで吹き飛ばされた。
「アメルダ!?」
「ナヴィさん、モンスター単体でこんなことって」
「えぇ、普通はありえない。考えられるのは一つ。あたしみたいにモンスターに補助魔法を掛けている人間がいるってことよ」
「そんな……それはまさか」
「間違いなくデニス達の仕業ね。それにあたしでもない限り一人の人間がこんなにバンバンと補助魔法を掛けることはできない」
おそらく複数の魔法使いがこのボスに力を与えている。ここでは本当は出なかったはずのモンスターもおそらく……。
アメルダもやられた。それにここを突破したとしても……くそ! どうしたら。
エンフィー……。
最後までご覧いただきありがとうございました!
第五章 三話 いかがだったでしょうか。
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ストックは特にありませんが毎日投稿をこの先も続けていく予定です!
また第五章になり、悩んでいたタイトルを改良しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
ボスに苦戦するアメルダ、果たしてその決着は……




