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村人Aは勇者パーティーに入りたい! ~圧倒的モブが史上最高の案内人を目指します~  作者: 凛 捺也
第四章 『上級ガイド』のダンジョン探索編
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28.もう一つの仕事

異世界転移をしたパーフェクトガール、北大路ナミことナヴィ。

職業『村人A』

仕事『駆け出し冒険者に、最初のダンジョンの情報を与える』のみ。


『村人』→『ガイド』→『上級ガイド』へとクラスアップしたナヴィ。


『密林の神殿』の遠征が終わり、ナヴィ達は元の生活に戻っていたが、新たな仕事依頼が……。

『ガイド殺し』の件から数日が経ち、ナヴィ達は仕事を再開していた。


「あの、すみません」


 軽装備のいかにも駆け出し冒険者という風貌の少年がエンフィーに話しかけた。


「冒険者様ですね。こんにちは!」

 エンフィーはいつも通りお得意の営業スマイルを放ち接客する。


 駆け出し冒険者はエンフィーの笑顔に頬を赤らめながら恥ずかしそうに話す。

「僕、今日が初めての冒険なんですけどいいダンジョンありませんか?」


 エンフィーはニヤッと笑った。

「かしこまりました。そうしましたらこのお店の隣にこの案内所よりもさらに小さな案内所がありますのでそちらにお聞きください」


「え、ここじゃないんですか」


「はい、今こちらはレベル二十クラス以上の冒険者様用の案内しかしておりませんので。それに向こうには腕のいい『上級ガイド』がおりますので、いい情報も得られると思います」


「あ、そうなんですね。わかりました! 行ってみます」


「お手数おかけします。気を付けていってらっしゃいませ」

 駆け出し冒険者の玄関を出て行く後姿にエンフィーは深々とお辞儀をした。




「ん、本当に小さい案内所だな……よし、すみませーん」


「ほら、来たわよ。なんていうんだっけ?」

 その小屋にいたナヴィがにやりと笑う。その隣にはもう一人の男の姿があった。


「ぼ、冒険者様ですね。こ、こんにちは」


「声が小さい」

 ナヴィが杖で殴った


「いってぇ!」


「デニスさん。さっき教えた通りちゃんとやってもらえますかね?」

 ナヴィは鋭い眼光とトーンの低い声で注意し、それと同時に来客には見せないように後ろ手で杖をデニスに構える。


「ごめんなさいごめんなさいちゃんとやりますから……」

 両手を上げ嫌そうな顔をするデニス。


 冒険者はその光景をぽかんと口を開けて見ていた。


「あ、あのー」


「あ、大変申し訳ございません冒険者様。本日はどのようなご用件で?」

 ナヴィの顔が営業用の顔に戻り、冒険者に問いかける。


「僕、今日初めての冒険でダンジョンに行きたいんですけど、どこかいいダンジョンありますかね?」


「なるほど、そうしましたらこちらの男性『村人』がお答えしますね!」


「さぁ、さっき教えたこと言って」

 小声でデニスに合図を出す。


「えーっと、き、北」


 その瞬間カウンターの下からガンッという音が聞こえた。

 ナヴィは冒険者の死角でデニスの足をハイヒールで思い切り踏んでいた。

 悶絶するデニス。


「あ、み、南の方角に少し進むとダンジョンがあり、いってぇ」


 その声に驚く冒険者。


「あのーダンジョンの名前はなんでしたっけデニスさん」

 より一層の笑顔でデニスを見るナヴィ。


「あ、『始まりの遺跡』です!『始まりの遺跡』というダンジョンがありますが、い、いかがでしょう」


「あ、は、はい『始まりの遺跡』ですね。ありがとうございます」


 ナヴィはカウンターの下からポーションを出した。


「冒険者様は武器を持っていないところを見ると、武器は短刀ですかね。」


 冒険者は目を丸くする。


「え、どうして、見せてなかったのに」


「いろんな冒険者様を見ておりますので。まだ魔法も慣れていないと思いますので、近接戦闘が主になりますよね。ぜひこちらをお使いください」


「ありがとうございます。行ってきます!」


「行ってらっしゃい!」

「あなたも言うのよ」


 デニスの足を再度踏む。


「いっ。行ってらっしゃい」


 二人は笑顔で手緒振りながら見送った。


 小屋から冒険者がいなくなり、ナヴィはカウンターにある椅子にどかっと座った。


「ねぇデニスさん。あなたはガイドを見捨てる以外何もできないのかしら?」


 カウンターを指でかつかつと鳴らしながら苛立つナヴィにデニスは下を向いてなるべく目線を合わさず答える。


「い、いえ、そんなことは……」


「この仕事、今日で三日目よ? いつになったら覚えてくれるのかしら。やる気ありますか?」



「は、はひ。」

 


 実は、密林の神殿の遠征が終わってからのデニス達の処遇はあたしがこのように決めたの。


 デニスパーティーは解散

 ほかのメンバーもそれぞれが交流を持つのは禁止

 デニスはあたし達ガイドの気持ちを粗末に扱ったため、王都に無理を言って『村人』に転職


 このような処遇にしたの。処刑なんかじゃ所詮一つの命でしかない、何人も殺されたんだから人数分以上の仕事を一生かけて『村人』としてやってもらうことにしたの。


 まぁそうするとあたし達が面倒見なきゃいけないんだけど、気が済むまで奴隷のように働かせるわ。



「あの、ナヴィさん?」


 デニスが恐る恐る話しかけた。


「なに?」


「ぼ、冒険者様が……」



 そこにはすらっとした長身の男が立っていた。


「あ、大変失礼しました。冒険者様。こんにちは!」


 ナヴィは慌てて営業スマイルに戻す。


 ん? レベル二十クラスね。


「あの、冒険者様大変申し訳ないのですが、レベル二十クラス以上は隣の小屋に……」


「あ、隣の小屋にはもう行ってきて、そこのガイドさんにここを紹介されたんです」


「なるほど、かしこまりました。それでご用件は?」


「俺、レイって言います。あの『上級ガイド』のナヴィさんにお願いがあってきました」


 お願い? 依頼かしら。


「私にできることなら何なりと!」


 笑顔で答えるナヴィ。


「このダンジョン探索をお願いしたいんです」


 そういうとレイはポケットから一枚のチラシを出した。

 

「探索ですか」


 確かこの場所、最近できたんだっけ、まだあんまり情報がないのよね。


「かしこまりました、少々お日にちをいただきますがよろしいでしょうか」


「えぇもちろんです。ただこのダンジョン一つだけ条件があって……」


「条件?」


「一人でしか入れないんです」


「え、も、もう一度お聞きしてもよろしいでしょうか?」


 そんなとこあるの……?


「一人でしか入れないんです。ほらここに書いてありますよ」


 ほんとだ……。あたし大丈夫かしら、ハンナと行こうと思ってたのに。


「お願いします! 可愛い妹のためなんです!」


「あのぉ、多分私じゃ力不足で……」


「お願いします!」


 一度は拒否したものの、何度もそう言われ、結局熱意に負けナヴィは了承した。


「分かりました。私もそう強くはないのですが、できる限り詳細なマップを作るように努力しますね」



 こうして、これから『上級ガイド』ナヴィ初の一人でのダンジョン探索が始まる。


 第四章 『上級ガイド』のダンジョン探索編 始動!

最後までご覧いただきありがとうございました!

第四章 一話 いかがだったでしょうか。

まだまだ仕様がわからないところ多数ですが、もしよろしければ評価、コメント、ブックマークお待ちしております!


ストックは特にありませんが毎日投稿をこの先も続けていく予定です。

よろしくお願いします!


次回、ナヴィのダンジョン探索が始まります!

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