プロローグ
「これで……我も天下がとれる、か」
どこか時代を感じる部屋の一室で、1人の男がそう呟いた。その手には黒い箱。中には水晶のような玉が黒く渦巻いている。
「ー様!!!!!それだけは!それだけはおやめ下さい!!浄土へ行けなくなりますぞ!!!!!」
その男のそばに座っている一人の男が声を荒らげる。
その言葉は男には届かない。
「天下を取れずして何が浄土じゃ?……そんな極楽なぞ、我は望まん」
男は箱を高々に上げ、声をはりあげた。
「悪魔よ!この水晶と我、織田信長の名の元に!!これまでの、そしてこれからも!歴史に名を刻む猛者たちの魂を持っていけ!!!!!!!!」
「信長様ァァァ!!!!!!!」
天下統一を目指した男はその夢を諦めきれず、禁じ手と言われる宝具に手を出した。
その宝具は1度だけ命と引き換えになんでも望みを叶えてくれるというもの。
男はその宝具に願った。
その宝具は歴史に刻まれた者の魂を未来へと送り込んだ。
歴史に名を刻まれたものは、死ぬことも許されなくなった。
現世にて、魂が選んだ人間を【能力者】と呼んだ。
選ばれた能力者は選んだものの夢を叶えなければならない。
そんな能力者だけが集う街ができたという。
時は1582年。戦国の世、本能寺の変にて。
天下を目指した織田信長は本能寺にて明智光秀の裏切りにより、その一生を終える。
が、それと同時にこれから先の世を震撼させる"モデル"という名の力を目覚めさせた。
これは、そんな織田信長に呪われた能力者たちの信念のぶつけ合いの物語である。
『我に、もう一度戦乱の日々を』