(仮題の課題)
ちょっと題名が考え付かないので仮題にしておいて後で変えます
[海中]
マッコウの忠告で乗り込んだのはいいのですが、操縦室に向かっている最中に先ほどの物よりさらに大きい振動が船体を大きく動かします。この船には床の方向に重力が固定されている仕組みになっているので上下左右とぐるぐると中身が攪拌されて壁に激突することはありませんが、船体全てがランダムに回転するとなると別の意味で辛くなりますわ。これは改善点として報告をしなければ……、いえ、この状況に混乱して改善すべき点とふと思ってしまったのですが、これを伝えたところでどう改善することになるのでしょうか。
「あの二人は水中に適応していると言えますが、この沈み込む乱水流の中でも大丈夫なのでしょうか」
操縦席にようやくたどり着いたところで、エンジンを始動、全天モニターを稼働させて周囲の状況を把握します。と言いますか、テスターとして説明を受けてから試走数回、戦闘試験延期とあまり動かしていないのでどれがどれだったか。あとこの観測システムヤバくない?どうやって動いてるの?
「おっと、考え事でも口調を正さなければ不意の瞬間に漏れてしまいますわ」
確かこの辺でしたか。バルジ調整とジャイロコンパスぅでしたか?それとも重力方向感知、流体自動計算装置……まあ干渉したら後の方が優先されると言ってましたし機体制御系全部使用いたしますか。
ブロワー謹製の良くわからない軌道を描いてようやく体勢が整いました。改めて先程まで島でした生き物の位置を把握いたしました所、かなり深い場所まで沈んでいてこの船の全速でもアキレスと亀になるでしょう。
「おや?あれは……」
メッセージ機能を空連打するパッシングを受けた事で近くにパーティメンバーが来ているらしいので周囲を見渡すと大きな鮫が周囲を泳いでいました。こちらからは全天モニターで見えますがあちらからは鉄の壁面しか見えないので確認のためのパッシングでしょう。パーティ以外には届きませんので。
『こちらクルミです。ワニトロスさん聞こえますか?』
『あ、クルミさんで合ってましたか。はい聞こえてます!ちょっと一緒にいる人がいるのでこのままどこか入れますか』
『下の方に回ってください。ハッチを開きます』
『はい、わかりました』
テスターをするからと沢山受け取ってますが、実践で使用するとなるといささか私のロールプレイとは掛け離れていますのでこう言ったことは私のイメージが損なわれますわよ。
この潜水艦の本来の使い方は強襲輸送用に作られていまして、背面下部に開くハッチがあり、そこに人員や別の機体を収納して水面下で拙速で近づいて輸送したものをばらまいて逃げると言う物。いまは空なのでワニトロス1匹程度簡単に収納できる。
「助かりました。ボク以外に誰か居ると壁に潜れなかったので後少しで窒息させてしまうところでしたから」
「壁の通過を妨害するのは想定されてましたからどちらにしても通れなかったと思います。それでもう一人と言うことでしたが、そちらの方はどなたでしょう」
「こちら敵の居残りーダーさんです。なにやらやっていたようですが、すでに終わってて島は囮みたいなものだったらしいです」
「まあ、そうなのでしょう。深海に潜らせる廃棄方法なんてそう言うことでしょうし」
背中に付いていた島の一部分が周囲に浮いていることから、沢山引っ張ってきてから粘った末に一網打尽くらい考えていたのでしょう。話しているうちに目覚めた彼に向き直ります。
「ちっ、だがあれを調査ところで意味はないさ」
「あっ、起きましたね」
「すでに必要なものは廃棄して残りはただのラクガキ程度しか残ってないからな」
「そうですか。まあ別にそこまでして詳しく調べる事は無かったんですけどね。あなた方のアジトを発見した後は面白いものがあったら持って帰るくらいでしたし」
「はあ?お前ら国から依頼されて来たんじゃねえのかよ!」
「もともとはアラバスターの依頼でしたから。少し調査して帰れば報酬貰える程度でしたし、適当に探して帰ってきたアラバスターに投げようと思ってたくらいです」
「俺が捕まったり、こんなことになったのは俺らのせいってことかよ!」
このままあまり意味の無い情報だけ聞かされるとなると、いい加減面倒なのでワニトロスにメッセを送ると承諾の返信が来ました。
「んー、考えるに簡単な事何ですよ」
「はぁ?簡単な事っ――ぐあっ!?」
ワニトロスがサメパペットをその人の首筋に噛みつかせると一瞬痙攣し視線をドコかに飛ばして、心ここにあらずと言う状態になります。サメパペットが口を離すと歯形と共に抜けた歯が綺麗に並んでました。
「アラバスターに知られた事何ですよ」
その意見には概ね同意します。まあ普通ならここまで壊滅的にならなかったでしょうし。




