たんさめぐる
何事もなく、断崖の岸壁に開けた穴から上陸すると、島の中の光景は鬱蒼とした密林の様な感じでした。
「ふむ。植生、混ざり気味。フィールドワーク、よく見た」
「そうなんですか?私はこの植物達の違いが分からないのですが……」
「こっちは島、こっちのは亜熱帯、雰囲気、似ている」
始めての場所ですので二人が注意深く観察し始めました。ボクも試して見ましょう。
「ペッペッ。ただの木や草ですね。うーんと、毒や状態異常の抵抗反応がありませんでした」
「なら、植物に問題はなさそうですね」
「だが、陸地、違う。別の場所だ」
「そうですね。擬装にしては首長国の植生模様に近くても遠すぎます。あの地方での島でも一定の植生でしたもの」
「そうなんですね。ボクは付き添いで浅い場所の国しか行っていないので分からないです」
「私の所属しているギルドの都合上いろんな場所に行くので、雰囲気程度なら判別できると言う程度ですわ」
入り口付近での観察を止めて、取り敢えず島全体を見渡せそうな山があるのでその方向に向かうと言うことになりました。
時間短縮のためクルミさんが乗り物を出そうとしましたが、マッコウさんが植生から止めた方がいいと止められました。ボクも4輪とかだと幅や根っこが邪魔したり、2輪だとボク免許を持っていないので乗れないと言ったら苦笑いされました。なにかおかしかったのでしょうか?
そのためゆっくりですが急いで行動。ボクらのSPDで一時間ほどで麓にたどり着きました。途中出てきたモンスターはアラバスターさんに連れられていった先に居たくらいの強さでした。クマ?みたいなのをマッコウさんが何かしたようには見えなかったのですが、吹き飛ばしたのにはビックリしました。
「おいあれ」
「そうですね。あれでしょうか?」
「取り敢えず食べておきます?」
目標にしていた麓に着いて、周囲の確認のため一周しようとちょっと進んだ辺り、切り開かれた場所に掘っ立て小屋がありました。トタンの。
「いや待て。情報、消える」
「多分ですけど、海にいたブロワーの雇い主かお仲間がいるでしょうし、慎重にいきませんと」
「あ、大丈夫です。食べたものは【胃階途拾】に入れるかどうか決めることができるので、後からとりだせられますよ」
「いや、そういうこと、じゃない」
取り出せると言うのにどう言うことでしょうか?ボクはあまりこういう現場から情報を拾うと言うことが苦手で、こうパクッとごり押しで終わる事が得意と言いますか……。
「この場合、フィールドワーク、同じ。住んでいる、特徴ある」
「なるほど。生きているのなら様々な所に証拠を残していると言うことですわね」
「えっと、あまりよく分かりませんが、抜け毛とかの調査でしょうか?なら壊すわけにはいきませんね」
前にアイドルの番組で自然調査の事を思い出しました。下手に荒らすと、住みかを変えてしまったり食性などの情報が消えてしまうみたいなことをいっていたはずです。その事ぉ言っているのでしょう。
「では、まず耐久力が高いボクが先に入りますので、二人はその後に入ってきてください」
「まあそうなるわよね。今の私の装備だと同等のレベルの攻撃はあまり防げそうにないですから」
「装備……、気にして、なかった。失念」
「そう言えばあなたのそれ、レベル40くらいで買い換える防具ですわね……」
そんな事情でボクが扉を開けることとなって、クルミさんが作り出した土壁に身を隠して、安全を確認したら後から侵入すると言う手はずです。
まず、言われた通りに掘っ立て小屋周囲を軽く観察して中を覗ける所が無いかの確認。溶接してあるのか隙間は無くて事前の通りに扉の取手辺りを鍵ごと食べて物理解錠。そこから中を見て何もないこと確認。ガチャっと開けまーー。
結果、爆発しました。




