トウソウトソウ
路地裏から逃げ出した後、あっちに行っては俺を発見したブロワーが仲間を呼んだことで方向転換を余儀なくされ、以前ちょろまかしていたカボチャを転がしてやり過ごし。そっちに行っては悪徳な商人の店からネコババしたり。こっちに行っては俺の行動を追跡したブロワーによって罠だったり待ち伏せだったりしたところを両掌大の鐘が付いたハンドベルで吹き飛ばしてやり過ごし。どっちに行っても予定より大幅に時間がかかり、目的の二番目に遠い城壁ではなく近場の城壁がすぐそこの場所に来てしまっていた。
「まったく、祭りは楽しいにゃ~。予想外だらけでうまく行かないからにゃ~」
「なんか予定外は合ったけど何とかなったねとか言いそうな雰囲気ですけど、矢や槍や魔法なんかが飛んでくる金魚のフンを連れたまま城壁なんて登れませんよ?」
「そうだにゃ~、別に登れるけど外に出てからもこいつら付いてくるなら一回掃除する必要があるにゃ゛!?」
「うげふっ!?どうしたんですかバイブスマスク。いきなりこけるとこっちも危険なんですが!」
「ま、まさかのトリックアートだにゃ~」
教国住民を見なくなったと思ってたけど避難できているだけだと思っていたが、こんな設置物が置かれているから住人を排除していたわけだ。技文字の影響で遠近感の違和感もなく風景に溶け込んだ障害物に気づかなかった俺は、普通に走ってしまってそれに顔面を接触させてギャグマンガのようにくるんとコケてしまった。顔面強打とコケて背面強打をして大半削れたHPが共有化したアイテム袋から文字技能によって回復薬が勝手に消費され段階的に増えていく。コケてしまって中が振り回されてしまった籠の中の実況ちゃんに水薬を差し入れしておく。
「えっと、もう追い付かれそうですけどどうするんですか?鑑定スキル発動してもトリックアートって何に対しても出ますけど」
「ま~、破壊しても良いけど、こう言うのは走破しなくっちゃにゃ~」
アイテム袋を漁りハンドベル(新造)を取り出すとまずは後ろの追っかけに衝撃波を一発、そしてトリックアート群に向けソナーを一発撃ち構造を把握する。さっきぶつかった奴に飛び乗ると把握した建造物の上をひょいひょいと登って屋根の上に出る。そこに大きな電子ペンを振り回してトリックアートを作成しているブロワーが居たからリヒャルドの手で拘束してそのまま落とした。運が良かったら行動困難で終わるだろう。
「よし、こっから先はトリックアートは無いみたいだにゃ~」
「短い時間で良くここまで準備できましたねあの人」
「普段から用意してたかも知れないのにゃ~」
そこらの屋根より高い位置に頂上があるから落下緩和のアイテムを取り出し、勢いをつけて飛び降りる。
「今だ!【下方力場重加算】【強化】【倍増】!!」
「まさかの伏兵なのにゃ~」
すでに踏みきって空中に居る状態で体に重さが加わる感じがした。ふむ、意外と落ちるまでに猶予があるな。手足をバタつかせられる。
「うえ!?まさかの落下死ですか!?」
「ぎゃぁぁ、落ちるぅぅ【欺奪の右手】【描画変更技法】」
落ちるまでの数秒で走る真似や泳いだりしてる間に、ちょうど良くさっき落としたブロワーが使ってた技文字をコピーしてたので発動。【欺奪の右手】は見るだけで劣化コピー出来るが、見た聴いた理解ったの三拍子揃うと完コピに近いくらいコピーできる。
それによって周囲に点線と丸でできた立方体の囲いが出来、乗せるようにピンが上の面に立てられている。
「は?」
「これをドラッグしてくるんにゃ~」
どこからともなくカーソルが現れて上のピンを掴んだら180°回転し足が天を向く。それによって周囲の景色が俺の周りだけおかしくなるが、それはご愛敬ということで。
いやこれどう扱うんだ?なんか色々とツールバーが出て来て邪魔なんだが。俺コピペと切り抜きで素材作るでしかお絵描きソフト使ったこと無いから万全に使える気がしない。え?なにこのオーバーレイや覆い焼きとか。
「ぎゃぁぁ落ちる、落ちるのにゃ~」
「いや、落ちてないわ!どこいくね~ん!?」
上下の反転で技文字で掛かる重圧も変わり、空に向かって俺達は射出されるように飛んでいった。
ある程度飛んで城壁の高さを越えたくらいで加重が無くなったところで体勢を直すとアイテムを使う。そうしたら古い漫画忍者ばりに大風呂敷が広がり滑空が始まる。アイテム『忍者風呂敷』の効果で俺を見失ったために安全な空の旅━━戦闘痕が作られていく街並みを眺めながら━━が終わったところで城壁に着地する。
聖典で現状を確認。映像を接続して俺が城壁にたどり着いた事を示すと、手を振りながら城壁から飛び降りる。
エイジェンマ・フラグメント溢れ話
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