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エイジェンマ・フラグメント  作者: 狭凪
3.Loslipea Eivg(sum)o An

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79/100

ヘンセイテンカイ

三日連続更新!!

そしてまた更新切れる!!

[教国闘技場:実況席]


 とまあ、ダンジョン内であんなことこんなこと出来たら言いなと実況しつつも、煙管を吹かして聖典を読み込んでいるとまだ戦っている二つのモニターが消え、大画面に双子が写し出された。


『ハロー皆さ~ん。前座のダンジョンボス退治は捗っているかな~?』

『って言うかそっちの状況なんて関係無いよね~』


 双子がいる場所は何やら堅牢そうな扉の前に立っていた。宝物庫にしては武骨で封印にしては簡素な最近何かあったかのような扉。


『こっちの警備が薄くなってるから楽々侵入できたね兄さん』

『そうだね姉さん。闘技場の封鎖に町中のテロ活動に教会騎士が出払っているからね』

『私たちの目的が教国を混乱させるだけじゃないって考えれば直ぐ分かるのにね。でも』

『半分くらいの目的ではあるかな。混乱させて侵入して』

『これから盗んじゃう物の価値を知ったら』

『いや、価値が変わったらどうなるかな~?』

『ここに何があるのか、なぜ私たちが何処にいるのか知りたいと思うけど、教えてあげな~い』

『でもヒントはあげちゃおうかな~?』


 そう言って映っていた映像が回転し、通路を写し出すと様々なトラップの発動した跡が残る場所を映す。ほとんどの人物はその場所を知らない故に色々と考えるが、教国のVIP席の人達が少しだけ騒ぎだした。


『教国の連中は分かったようだけど、少し遅いかな~』

『私達は目的の場所に着いてるから今から慌てても遅いんだよ~』

『『さぁて、OpenSESAME!!』』


 扉を開き中に入ると両側の壁に沿って、法衣を着た人物の石像が並んでおり、その先には大きな窓に嵌まったステンドグラスの光が降り注いでいる一冊の本が置かれていた。


『ふふふ、教会信者キミタチにはちょっと辛いと思うけど』

『俺たちにはぜんぜ~ん関係無いからさ』

『さあさあ』

『皆様御開帳』

『『どど~んと行きま━━』』


『バンバン、バンバン。バーバ、バンバン。タータラタタタラター!!』


 その本を手に取った瞬間鳴り響く映画会社のロゴが出てくるBGMがテキトーな声真似で流れる。


『ゆ っ く り と R T A は じ ま る よ ~』

『な、なんだこれは!?』

『ちょっとこれ偽物じゃない!』


 想定と違う状況に慌て出す双子を尻目に、勝手に本が捲れ出し宙に固定される。そのページに書かれた文字が加工された音声と共に飛び出し双子が放映していた映像が乗っ取ら(ジャックさ)れ切り替わる。


『この放送は教皇に聖典を持ち出して良いかと喧嘩売った(御手紙書いた)返事に出来るもんな(ご自由)らやってみろ(にどうぞ)と来たので挑戦しようと思います』


 画面に映し出された直筆で書かれている紙。それが外されると先ほど双子が映していた廊下が綺麗な状態で存在している。


『さて、レギュレーションは自分のスキル、技文字無しの道具無し、助っ人一人でこの道を走破したいと思います。ちなみにここまでは見張りだとかしか居なかったので簡単に来れました。多分何処にあるかも自信の内だったのでしょう』


 画面が動き傍らに有った骸骨にズームアップする。そしてその逆に向けると壁に埋まった筒が映る。


『多分ここに罠があると騙ってると思うのですが、普通に洞窟なら掃除されないから死骸が残ると思うのですが、ここで見るのは不自然です。嘘でしょう。あ、ここの場所はオフレコです』


 画面が引き通路が再び映る。


『まあ、罠がこの先あるのは本当なのでしょう。それを乗り越えていく為の助っ人ですが、スタート後に紹介しましょう』

『此方にブロワーメイドのストップウォッチを用意しました。この罠だらけの通路に足を踏み入れてからカウントスタートです』


 足元を映して画面の中に足とストップウォッチが入る様に映している。


『では、よーいスター━━ップ終わりました。今回の助っ人は超高速移動できるブロワーでした。瞬間過ぎてストップ出来ませんでした。タイムは分かりません』

『感想ですが、やっぱり超高速移動ができる仲間を連れていることが大事ですね。移動シーンをカットできます。あと普通に攻略するとしたら罠程度なら危機察知系や見きり系でかわせば良いですし、ガスなら耐性か呼吸系など。その前に発動させ再装填している間に通り抜ければ良いと思います。ちなみに潜り抜けた後にゴーレムが動き出すトラップはそれ自体が認識しなければ動かないので隠密をしておけば十分ですので事前準備は大事でしょう。なので』

『こんなていどのわなにまし゛になっちゃってと゛うするの』


 先ほどの双子が映していた映像と変わらずにステンドグラスの光が照らしている本が置かれている書架台へと近づき本を手に取ろうとするが、向けた手が本のカバーをすり抜け書架台を触る。


『おや?これは聖女にしか持つことを許されないという感じですか。ここまで来て取れないとなるとこれが強気その3だったのでしょうが、私は聖女達の一人であると言う【嘘】が通じてしまうことが見当違いだったでしょう』

『これでクリア……なのですが本当なら聖女達の装備している聖書を代わりに置くことで脱出が可能か聖典に登録されると言うことなので出られなくなりました』

『普通ならここで人生終了ゲームオーバーですけどダミーを……この映像機器でいいか。で、この聖典のパスで一ヶ所だけいじってバックドアを仕込んでそこからちょいちょいっとしてこれで出られるようになりました』


 視点で固定されていた画面が書架台からの映像になり、撮影していた人物の首から下が映し出されるが黒く塗りつぶされていて誰だかわからない。


『おっと彼らの言い分から考えるにそろそろ実況席に帰らないとにゃ~。では、皆さんまたどこかで。――あ、弄ったから手動で切れないのにゃ~。まあいいかにゃ~。時間でも切れるようにしてるし、ポップコーン買って帰らないとにゃ~』


 そう言って黒い人物が一瞬にして姿を消した。


「あのぉ、アラバスターさん?」

「そう言えばバックドア作ってたからこっちで再生終了できるのにゃ~。と言うかどこまで録画できてるのかにゃ~っと」


 聖典に触れて早送りをすると双子が入室したところで映像が切れた。そして映像が切り替わると苦虫を嚙み潰したような、悔しいような顔をしている双子が映った。


「それってもしかして……」

「ん?これかにゃ~?最初から言ってた通りの聖典だにゃ~」

「さっきまでコースター替わりとかポップコーン食べた手で触ってませんでしたか?」

「あ~、大丈夫大丈夫にゃ~。普通に聖女専用装備だから穢れ(汚れ)無効に破壊無効が付いてるからなんにもならないのにゃ~」


 実況ちゃんとほのぼの歓談してたらなにやら大き目の眼の蝙蝠の羽根を生やした奴が飛んできたので、闘技場に目を向けるとデカデカと俺が映っていた。多分さっきちょっと言ってたことで実況席に飛ばして探したのだろう。持ち出しした犯人()を。


「いぇ~い、一足遅かったクソ雑魚ツインズちゃん見ってるっかにゃ~?君たちが欲している聖典は死ぬまで借りてるのにゃ~。欲しかったらここまでおいでなのにゃ~」


 聖典で操作すると闘技場に映し出された俺の顔が切り替わり、聖典の間に居る双子が映し出されこちらに何か言っているが音声を切っているので聞こえない。見てる人物は双子だけなので映像を伝えているモンスターに向かってバカにした態度を取った後に一言だけ伝える。


「助っ人は一人だけだけど、お手伝いさん(アシスタント)はいないなんて言ってないのにゃ~」


 双子がいる聖典の間が光に包まれた次の瞬間、教皇がいるこの町の一番大きい教会から一条の光が空へと撃ち出された。

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