ジュンケツコウキテ
『さあ、御前試合も終盤。準決勝の4人が戦いのステージに入りました!注目されて来ていた彼らの手の内はほぼ把握されている状態での戦いとなりますが、その程度で怯んでいたら生き残ることは出来ません。そうですよね解説のアラバスターさん』
『それはそうだけど、2日目の解説の代理としてやんやしていた身としてはなぜまたここに居るのか説明をしてほしいのにゃ~』
『それでは各選手の改めた紹介を行います!』
円形の闘技場の中、その中心に写し出された映像が切り替わりながら御前試合最終日の日程が始まる。
そんな中、俺は実況席の隣に拘束され解説役に置かれている。理由は今日予定していた解説者が昨日キルされてデスペナ中だからで、遊び半分でオルさん達が出場する攻城戦の解説者を知らんふりしてワニちゃんのエサにすることでこっそり代役をしたせいで白羽の矢がたってしまったからだと思う。あの時のオルさんの言葉の同時翻訳してたから解説はおざなりだったはずなんだが、ここに連れてこられてしまった。
『さて、この四選手についてどう思いますか?』
『微妙、知らん、変、知らんの四点盛りだにゃ~』
『有難うございます。おお~っと!まず動いたのは━━』
中心に円筒状に伸びた魔法技術で作られたような映像はタイルの様に交互に映し出されている。観客席のどこから見ても見えるように、様々な角度からの映像にちょっと辟易する。
準決に上がってきた四人の評価はお座なりでも実況は進むようだ。それに俺の評価も的はずれではない。LV10固定のスキルを使い回す堅実なスタイル。隙を突いて全て同じ技で倒すスタイル。異様なネタ寄りのスタイル。小声過ぎて聞こえないのでどっちを使ってるか分からないが居合いのスタイル。と言うのが出場者の面子故に解説できるスペースがない。と言うかネタ野郎以外にコメントしづらい。ネタ野郎はやりすぎで面倒臭い。
『これはどう言うことなんでしょう、解説のアラバスターさん』
『この拘束どうにかならないかにゃ~?排泄タイムなんだけどにゃ~』
『嘘乙です。あなた面白さだけで居なくなったり遊んでたりするのでその状態です』
『まあ、そうだけどにゃ~。あ、フランクフルト食べるかにゃ~?』
『えっ……セクハラです』
なぜか言われもない名誉毀損を受けたが、見たところ限定文字ではないので彼らよりは一つ二つレベチの戦いでちょっと詰まらない所もある。と言うか戦闘面の限定文字持ちがガチでレベル上げでもしてたならそれ相応の用意や対策などの対抗手段盛りをしていないとこんな真正面からの戦いだと子供相手の横綱相撲にしかならない。そんな限界者たちの祭りなのだろう。一部ありえない奴らがいるようだけど。(主に各国最強襲名者)
『おおっと!?Aブロックの選手が必殺技の態勢でしょうか、なにやらやっていますがどう思いますか解説のアラバスターさん』
『違う違う。見るのそっちじゃなくてBの方のスキルしか使ってない奴。事件起こすよ。……にゃ~』
『今語尾忘れてましたね。って、えええっ!?』
大仰に見える必殺技の影で、まあ、さらに自分の影で何かしていたブロワーが複数のアイテムと同時に、音声では聞こえないが必殺技を三種放ったように見える。使用したのは結界生成と偽装とモンスター召喚、あとはえっと見えないところに出しやがってちくしょう。まあわかる範囲で考えれば使用したアイテムの使用効果の拡大解釈ってところかな?
『いったいこれはどう言うことだー!何かしらのアイテムを使ったと思ったら選手が消えてしまったー!!しかし、勝敗が決まっておらず相手選手はその場に閉じ込められてしまったぞー!』
『多分だけどAの方も異常をきたしてるのにゃ~。そして控え室の方もかにゃ~?』
その際に使用者はその場から居なくなり━━と言うより消滅しており使用者を倒すことで効果を消すと言うことが出来なくなっている。
ちなみに選手が戦っていた映像の場所は、各国が所有している地下ダンジョンを利用して作られた場所で、ペナルティ無し設定で負けたら排出されるって聴いたけど彼らはペナルティ無しで出られる保証はないな。そして、それぞれの競技が行われている闘技場はダンジョンを利用して作られているから、こんなことになっているのなら首謀者にコントロールを握られていそうだ。実際に本来の出口からは出られないようになっているようで、その回りを異常を察知した客が詰めかけている。
そんな中、
『レディース』『『アーンド』』『ジェントルメーン』
と調子の高い声が周囲に響き渡る。声からして男女二人と分かるが、どこからと言うのが俺の目にも見えない、ではなく辺り一帯から同じように出ている。この現象は皇帝陛下の呼び出しに似ているからダンジョンシステムの一つなのだろう。
『『We have control!!』』
『ここのダンジョンは一時的に、兄さんと私』
『俺と姉さんが操作権限貰っちゃいました~』
選手が映し出されていた映像が切り替わると、頭に何か刺さった奴を押し退けて同じ服装、同じ顔のブロワーが現れそう告げた。
ちょっと長くなりそうだからポップコーン買ってこよう。って俺拘束されてるやーん(笑)。




