ラクチャクミリョウコウ
ここの回復薬の名称を決めてたかどうか忘れたので今回出す名称(仮)で行こうと思う
主人公が【鑑定】持ってないし、全部水薬で通す影響だな
「ヘイヨー、ただいま戻りましたにゃ~」
「うむ、ご苦労であった。首尾の方はどうだ」
三人とは別に一足先に、中で紅茶を飲んでいるフェリックスに用意された部屋へ窓から侵入した。フェリックスは想定通りといったように返事を返すのでちょっぴしピエンである。古いか。
「ばっちしだにゃ~。むこうさんもきちんと理解してたにゃ~」
「そうか。ならばよい」
「それよりこっちに危険はなかったのにゃ~?」
「ふむ、危険な事……思い当たらんな。少しばかり羽虫が騒いでた故潰した程だ」
空になったカップをソーサーに置くとソファから立ち上がった。兜をしたと言うことはお暇するのだろう。
しかし、羽虫が騒いでいた程度ね。【軍師】系統スキルの【戦地検証】で見た限りかなり悲惨に潰されてたからあながち間違っては無いけど。【エクスカリバー】の重力操作で動けない軍団を更に操作して10cm間隔で潰していく様子は悲惨の一言しか出ないだろう。
「他の者が待っているであろう。既にこちらの用いる事象はすんだ。帝国へ戻るぞ」
「了解にゃ~。あっちも終わったようだしそうするのにゃ~」
手に持ったメモを手の中で燃やして灰にし━━あちぃ━━、取り出した小袋が取り出した瞬間に消えることに目もくれないフェリックスの後ろに続いて部屋を出る。
そうだ、と出されていた茶菓子でも貰っていこうかと振り替えると既に無くなっていたので手を上げる。すると可愛くラッピングされた物が置かれたのでアイテム袋に入れる。
「あれ?アラバスターがなぜそっちから来るんですか?」
「どうせいつもの先回りだガシュガシュ」
「そうですね。驚かすために行ったのでしょうザシュザシュ」
「え、いつものことなの?てかこっちにいたアラバ――誰ぇ!?ええっ!?この人誰ぇ!?」
「フェリックスを驚かそうと思ってたけど見透かされてたのにゃ~」
「ちょっと待って、だからこの人誰なのぉ!?イテッ」
ロゥリコンの頬を叩いて曲がり角に消えた、顔を適当に作った俺の幻影を何事もなかったかのようにフェリックスが歩き始めたのでそのあとについて行く。
そしてジュリアの私室であろう場所を断りもなく開け、入らずに二言三言一方的に喋ると踵を返しそのまま屋敷の外へ出た。
「これで終わりかー。案外楽な依頼だったな」
「そうですけど、僕たち以外だとかなり死に戻りしますよ。普通のブロワー、一般的に普通のブロワーだと開幕ですぐにやられそうな面々でしたし」
「なぜ言い直したかわからないけど、話を聞くに脳筋のリョフ組、防具貫通のトラバサミのねーちゃんに防御不能なワシんとこのエルビス。それぞれがどこに行っても対応ができる面子だからよかったものだが、普通に遊んでる連中じゃあ負けて終わりだな」
「でもそんな人物でしたら、失敗するので声を掛けないと思いますよ。こんな一大事に頼りないブロワーを集めるだなんて『愛』のないことは皇帝陛下は行いませんよ」
そんなこんな雑談をしていながら建物から出ると、出口に行きに乗ってきた馬車が停まっていたのでフェリックスを先に乗せ、それぞれが馬車の中に入っていく。
「アラバスター、屋根に上るのは止めよ。大人しく中に居よ」
「はいはいにゃ~」
やっぱりフェリックスには隠れて作業していることが見破られる。これも特異なヒューマリアンだからなのかね?
そして行きは良い良い、帰りは怖いと言うが、普通に帝国まで問題なく帰れた。いや問題は発生していて、俺以外の三人は教国で下車したのになぜか俺だけ護衛で帝国まで無理やり同行させられた。なんで!?理不尽なんだけど!俺も祭りに行きたい!
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[レヌネア国 某所]
「いや~、良かった良かった」
アルコールがはいったグラスをゆっくり回し、身長に見合わない体型をしているブロワーがテラスに用意された椅子に座り、屋敷の下に見える光を眺めながら一息ついていた。その姿には何も身に付けておらず、他人の目に触れられない高さであることから隠すようなことはしていない。なお、本人は隠すべき物とは考えていないのでもし見える場所であってもリラックスしているときは全裸であるが。
「早馬に持たせて直ぐに対応してくれる皇帝陛下マジサイコー。何度も攻めてきて、一応色街で働いてるブロワーで対処できるけどウザったくて仕方なかったからねー」
グラスを傾けて入っている分を飲み干すと、それを机の上に置き部屋の中に入る。空になったボトルの替えを取りに入ったのだ。
「しっかし、あの時逃した執事が率いてるって聞いた時はどうしようかと思ったけど、さすがに坊やが妾の手の中に有るからあまり強気に出れずじまい。妾を引っ張り出そうと物量でどうにかしようとしてたらしいけど」
ブロワーメイドのワインセラーから確認しながら選んでいると、強い風が吹きカーテンが月明かりの中に影を舞わせる。
「皇帝陛下の人選には少しムカついたけど十分な働きで始末してくれて良かったわー。でもまっさかまさか、あの人が━━」
ガシャンとボトルが手から、いや手ごと落ち中身をラグに散らす。一瞬混乱したが直ぐに手を拾い上げ、ストレージから取り出した『上級HP薬』を掛けて繋ぎ直すと、装備が積めてあるアイテム袋を取り出し【一括装備】を使い戦い様に用意した装備を身に纏う。
ブロワーと言えどジュリアの成長方針は傾国型━━所謂デバフを利用した、それよりさらに【魅了】の状態異常に傾いた非戦闘型の対人用の篭絡を主体としている。だが戦えないわけではない。
「誰だ!妾の私室に入り込む不届きものは」
「お久しぶりですと申しましょう」
「お、お前は!?」
あり得ないと言った風な表情を浮かべるジュリアに対し、無表情の執事服を身に纏った男━━ジュリアには見覚えがあるヒューマリアン━━は30°ほどのお辞儀をする。
「なぜだ!お前の首があの三人から受け取った。虚偽もスキルで調べた。なぜ生きている!」
「なぜと言われても、首が偽物だったのでしょう。私はその手法の覚えがありますから」
「くっ、【魅了】【魅了香】【空気操作】【甘言】」
部屋の中の空気を停滞させ、視覚、嗅覚、聴覚による魅了の状態異常を起こす技文字を使用する。
「以前もお教えしましたが、私には状態異常は掛かりづらいのです」
「知ってるわ。でも掛かりづらいだけで掛からない訳ではないのも知ってるわ。前はそれで逃げたのよね。そして、これは時間稼ぎでもあるの」
「時間稼ぎですか。そうですね。貴女と対面すると言うことはそれだけ魅了に掛かりやすくなる。そしてそれを避けるために行動するとあらかじめ呼んでおいた陛下がこの部屋を訪ねると」
「そうよ。妾の言葉、動き、香りを避け続けることは簡単じゃないわ。そしてお前はあの子に手を出せない」
妖艶の言葉が合うような笑い顔を作るジュリアに対して、部屋の中に現れた時と変わらず無表情の執事の様子にジュリア頭に若干の疑問が浮かぶ。
「なんで慌ててない!」
「なぜと言われましても、親切な通りすがりからのプレゼントを貰ったお陰でしょうか?」
「プレゼント?」
「はい、一つは魅了完全防止のモノ。それで貴女の得意技は聞きません」
言った通り執事の視界に映るジュリアは顔に名前が書かれただけの棒人間に見えており、香りと声も体を覆う緩い風により届いていない。仕草や視線などで魅了するなら見えてなければ良い。声が聞こえなくなるがスキルで補えば良い。所詮種が分かればその程度なのだ。
「ならあの子にお願いして」
「二つ目は状態異常の回復薬。市場や商人に出回らない高価な物を頂きまして、それをすでに城内の者に配り終えてます。たしか、『準二等級回復薬』でしたか。それをたくさん持ってるからと無造作にお渡しになられました」
「はぁ!?『準二等級回復薬』なんて生産職でもやっと作れる物をほいほい渡す奴がいるなんて、それこそ上位ダンジョンを馬鹿みたいに周回していないと持ってるわけが……そうか、妾を騙す嘘か!」
「いえ、本当ですよ。そして三つめが」
『轟々と荒ぶる猛き嵐――災いよ我が身に宿り、権能へ至れ!!』
執事の身体周辺をゆるゆる旋回していた風が強さを増し、部屋の中の物を音を立ててなぎ倒していくと不自然に執事の身体を緑色の風の表現効果が隠し、それが弾けて消えるとそこに緑色の装甲を黒いタイツの上に纏った姿で現れた。
「げぇっ!?それは『H&Hインダストリアル』製の変身武器!?なんで?」
「それは簡単なことですよ。以前の無様をさらしたくないから全てを差し出してもいい覚悟で貰ったんだよ」
「あ、あ、あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!?」
剣を腕輪に翳しトリガーを引き必殺技の音声が流れた瞬間、剣を振り抜くと剣閃を纏った暴風が部屋の中を暴れまわり、装備で引き上げたとしても耐久性に乏しいジュリアのステータスではその威力に耐え切れず切り刻まれ、所持していた死亡回避のお守りが多段式に繰り出されることで無効化され無意味に消費されると光になり消えていった。
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「これにて狂乱騒動、一時落着ってね」
「あれ?何か言いましたアラバスター」
「別になんでもないのにゃ~」
覗き込んでいた半分に割れた水晶玉をアイテム袋に仕舞うとジュリアが出していた魅了薬入り菓子をワニベロスに放る。
エイジェンマ・フラグメント溢れ話
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|◎フ <レネヌア国について
色街の国になっていたがジュリアが倒されたので規制が引けると思われたが、膝元だった故か往々にして体制がほとんど色町化していたので首都は時間規制のみしかできなかった。首都以外はジュリアがめんどくさがっていたので普通の街のまま。(ジュリアぜってぇ許さねえ:レネヌア国出禁)
その後帝国との交流は順調に続いており準帝国領――ではなく親帝国派になっている。
P.S.
機能限定されていた変身武器は技文字で少しだけ制限解除していたので十全にその機能を発揮できました。そして後日『H&Hインダストリアル』の支部を通して開発者の元へ返還された。
借りパクしたアラバスターは後日顔を合わせたときに「んュ~」と鳴く順次変色発光するパイに似たへばりつく物を顔に叩き込まれた。




