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エイジェンマ・フラグメント  作者: 狭凪
3.Loslipea Eivg(sum)o An

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61/100

マザルアイコトショウニ

 メリッシティアルマ・イテルルクトゥス。愛称はメリー。そう名乗った彼女は鉄や皮の鎧ではなく背中がガバッと開いた童貞を殺せそうな布の服に、ジーパンの様なズボンといったラフな服装で折り畳み式の弓を所持している。

 旅路で下方修正デチューンしたお嬢様レーダーによると二十代半ば、女性、未婚……もうちょっとレーダーを下方修正デチューンするか。

 まあ、そんな感じで読み取った情報を頭の片隅に追いやる。


「そう言えばあの泥棒にした技文字ブロウワードの効果ってなんなんですか?」

「こらこら、そんな簡単に人様の手札を聞くもんじゃねーぞ。ガシュガシュ」

「そうです。此方も教えないのに教えてくれるわけはないですよ。ザシュザシュ」

「あ、あれですか?あれは撃ち込んだ相手に犯した罪に対して、愛を持って奉仕しないと解けない呪いを与えるみたいな能力です」

「「「あれっ!?」」」


 ワニベロスも教えてはくれないだろうと思って聞いていたのか、思ってもいない返しが来たので三人(ヒト1:パペット2)の口が大きく開いている。彼女が使った【愛故鉄拳ラブジャッジメント】は打ち込んだ相手に文様を植え付け、ステータスを大幅に下げスキル類全て封じると言うもの。そして、昔のご恩と奉公が逆転した奉仕を行った際に周囲の人物からの評価の総量で解除されると言うもの。奉仕時は限定的に必要量解除されるが仕事が終わった瞬間に封じられる。

 本人にとっては当たり障りのない程度の能力なのかもしれないが、それを知らない人からしたら暴いてでも知りたい情報じゃないのかと思うが、べつに俺も大事な奴以外はボロボロ喋るつもりなので何も言わない。ちなみにメリーの愛、と言う名の裁量によって決まるので戦争だとかだと発動しないとか。


「さて、お探しの人物が見つかったと言うことは目的地にいくのか――」

「よお、ブラザー!またあったな!」

「行くのかにゃ~?」


 どこかで見たような革ジャンとグラサンを装備したプレイヤーが空気を読まずに話しかけてきた。何だコイツ。馴れ馴れしいな。


「無視は良くないぜ?アラバスター。初心者の時助けてやっただろ?それと新しいクラメンありがとな」

「え~っと、一つ目の兜は……」

「おっと、あいつらはまだここにはいないぜ。ほかのクラメンが足止めをしているからな。でどうしたよ、三人も美形を取り揃えて」

「関係ないにゃ~。部外者はお帰り願うにゃ~」


 肩に回された手を払おうとするが俺の職業、技文字補正のステータスでは簡単に引き剥がせない。ほぼ非戦闘職の俺が引き剥がせないとなると半分くらいが戦闘職なのだろうが、こちらには攻撃性自立兵器(ファング)があるのだよ。


「イタダキマス」

「イタイ、イタイ、イタイ!なんだこのワニは。ああっ、ワシのVIT抜いてくるとかどんなSTRしてんだこの子!?」

「ほらワニちゃん、この変態を現実(元の世界)にお送りするのにゃ~」

強制送還デスペナルティと書いてお帰り下さいませご主人様とか悪い冗談過ぎるだろ!」


 俺の肩から腕を外したので三ツ口で噛み付いていたワニちゃんをご飯(エサ)で釣って外してやる。鉄串ごとバキバキ食べるワニちゃんに追加の串を渡し、ロゥリコンに改めて一瞥し、フェリックスの方を見ると構わないと言った風な視線をこちらに向けている。


「おやまあ、どこのどいつの不審者かと思ったら変態ロゥリコンだったのにゃ~。まったくそんな不審者然と不審者しているからプロの不審者かと思ったのにゃ~」

「不審者然ってなんだよ。ワシはいつだってナイス紳士な良い子の味方だぞ。全く、親切を仇で返しやがって。ワシ鳴いちゃうぞ」

「それはそれ、お前はお前なのにゃ~。雇い主との会話を遮ったからワニに喰われても仕方がないにゃ~」

「はい!だいぶ美味しかったです。でももう少し本気度を上げて貰えるともっと美味しくなると思います!」

「100点満点中62点だったぜガシュガシュ」

「100点満点中44点でしたよザシュザシュ」

「え!?なにその評価。ワシ最終的に食べられるのか!?」


 串の手持ち部分を俺に返したワニちゃんからロゥリコンが評価される。ちなみに俺は食べる度に味が変わるから点数が付けられない、飽きない人と評価されている。そして時々食べているそこらへんのプレイヤーや量産型悪人はコンビニの弁当くらいの味だそうな。平均43点。ワニトロスとワニナノカでは味覚の好みが違うからこの点数らしい。そう考えるとロゥリコンはなかなかの点数だな。


「で何のようなのかにゃ~?アテクシ達は目的があるから遊んであげる時間は今ナイのにゃ~」

「そう!それよ!ワシの情報網からクラメンがとある場所から帰らないって報告が有ってな、そこで帝国のクラメンからそこへ向かう一団があるって聞いてここで待ってたってわけよ」


 チラッとフェリックスを見るとちょっと不機嫌そうだ。さて、どうするかな?


「こっそり着いて行こうと思っていたが、そこでワシはお前さんを見つけたから思い切って声を掛けて一緒に行こうと考えたわけだよキミィタチィ」


 そして、もう一度フェリックス見ると親指で首を切る仕草をしたので馬鹿を見るような目の幻影を纏って、その影でロゥリコンの首に水平に一文字を作る。

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