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エイジェンマ・フラグメント  作者: 狭凪
2 . Neppo aesrclawl

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50/100

ワードクライスカ

プクプク浮いては細かくなっていく気泡を見続けていること数分、意外に毒水の中は透明度が高く紫のフィルターを通した様に見える。あ、俺です。

水の触手に捕まり、水中に引きずり込まれる瞬間に剣の仮面を付けてみたけど意外にもゴーグルみたいな効力を発揮し、目の保護ができている。そして煙管により窒素、酸素、二酸化炭素と言う毒をバランスよく生み出す事で窒息に耐えている。水圧は普通にプールくらいなので問題はない。

水中なのでふざけた喋りで考えを纏めるとこが出来ないのが面白くないところだが仕方ないので、チラリと視線を向けた先にいる首無しゾンビと絡んでいる巨大鰐、それと首だけの球体ゾンビを眺める。ワニベロスの方は五分五分のワニベロスより優勢なので大丈夫だが、ベスタが戦っている死霊術師の方の球体ゾンビが厄介なようでリヒャルドが手伝っているとは言えスキル構成の問題もあり決め手に掛けている。

逆方向に視線を向けるとわざと落とした壊れたハンドベルが見えた。毒水に捕まっている、と言うよりは水に引き込まれたあとは飛び降り用のデカいマットを体に押し付けられている感じでゆっくり動けば動く体。その割に衣服は浮かんでいるので俺の体に直接作用しているのだろう。なので風船ヨーヨーを手元に取り出すと指先だけで跳ばしてみると普通に動きまわらせることができた。あとはヨーヨー自体の能力でハンドベルを手元に回収する。

上に浮かんでいるミルマラクネの影の位置を確認し、装備しているアイテムボックスの中身の在庫を確認して武器、道具の調整を行って深く()を吸い、吐く()でバブルリングを作る。

そして得た当初はあまり使い勝手が良くない感じだったのだが、ここでは最良だろうと最低でもベスタだけでも生きて返すために俺の切り札を切る。


「【体能共に平等也(アラバスター)】」


口から漏れるのは気泡とそれが発する音だけだが、自分の身体ステータスが書き変わっていく様子が感じ取れる。



ーー



水面下から勢いよく風船ヨーヨーをミルマラクネの顔面に跳ばしたが剣で受けられ後方に反らされた。


「チッ、あのまま沈んでいれば楽に死ねたのになんで出てくんだよ」

「ぷっくく、ごめんにゃ~。あの、ぷふっ……程度で楽に死ねるとかぶふぅっ!!」

「なに笑ってやがるクソ野郎!!」

「だっ……ぶふっ。だって、あんな市民プールで潜水している程度の事で楽に死ねるとかないにゃ~」


いきなり冗談を言われたから笑いが抑えきれなくて吹き出てしまう。これがリアタイじゃなくてクローズドRPGならこのまま水面に転がって抱腹絶倒していたよ。


「お前……!!だったら一番苦しい毒で殺してやる!!」

「あっ、ちょっと待ってにゃ~。うん。よし届いたみたいだにゃ~」


水中から風船ヨーヨーが手元に戻ってきたので弾ませ始める。その隙を突いてミルマラクネが毒弾、少しばかり上に変えたのか速い速度で放ってくるが【弾く(パリィ)】を風船ヨーヨーで使って天井に弾く。


「チィィィッ、【毒水操作権限デス・テンタクル】!!」

「ほいほいほいっと。6本?少ないのにゃ~。せめて数百の突きが蛇のように追って来ないと死なないのにゃ~」

「うるせぇっ!そのにゃーにゃー言うのを止めやがれ!」

「これが今のアイデンティティなのにゃ~。絶対止めないのにゃ~」


速いは速いが逆胴一刀両断、剛槍壁の追走よりはまだ遅い上に隙間だらけ。避けてくれと言わんばかりの技文字ブロウワードに冷静に対処し、その隙間にコルク銃を撃つが近くだともう何本か操れるようで弾かれる。……このコルク銃の命中率のデフレが酷いな。これが真面目に当たって効力出た時って何時だっけな?


「くそっ、くそっ!当たりやがれ!……いや、待て。なんで水面に立ってやがる。俺だとわかって対策を取ってなけりゃ無駄に終わる水面歩行スキルを持っているのか?」

「ほっほっほっほ」

「チッ!ふざけるのも大概にしろぉっ!!」


考えるために思考を割いた瞬間に触手の動きが止まったので、コサックダンスの代名詞とも言えるステップで煽りながら触手から距離を取る。と言っても触手として操っている状態ではない状態だと核となる歪な立方体の移動のスピードが速いのかすぐ近くで触手が生える。


「【毒雨降矢デス・レイン】!」

「ちょ~っとバグが足りないんじゃないかにゃ~」

「【毒雨降矢】!【毒雨降矢】!【毒雨降矢】!」

「ほらほら、こんな簡単に懐に入れたにゃ~」


毒水の触手を天井まで伸ばし這わせるとそこから細かく早い触手が俺がいた場所を貫くが、まさかまさかのバグの矢衾以上と邂逅したことがある俺にとっては避けることは容易い。

あれは確か武将(BOSS)ラッシュゲーの道中にある待ち伏せエリアのことだった。当時はまだ経験浅く、様子見を繰り返していたころだったか。一歩でもエリアに踏み込むと容赦ない矢の雨霰が降り注ぐというダメージ必須の場所だったことから挙動を確認するため出たり入ったりを何度も繰り返し、エネミーの動作キャンセルリセットを把握した時だったか。なんども構え番えリセットを繰り返したために動作命令が重複したためにいざ行こうとエリアに入った瞬間、初撃の一射目が何倍にも増え、まさに壁が迫ってきていると誤認してしまう物量。さらに処理落ちで見えない矢も存在するという状況に陥った。それは再起動するまで発生し続け、道半ばまでなんとか進んだところでゲームが落ちやり直したところでバグだと言うことに気が付いたほどだった。

いや当時の俺。それが仕様だと思って攻略しようとする前に気づけよ。気づかなかったがな。

三重強化した拳でミルマラクネを殴り飛ばしたが衝撃を殺されあまりダメージは入っていない様子だ。追撃をしようとするが自分の足元を操作したのかすぐに届く範囲から逃げられた。


「ほんとにウザい奴だなクソ野郎が!さっさと死ね。死んで目の前から消えろ。俺を邪魔するな!!」

「やだにゃ~。いくらゲームでも見知った顔を人格改変するのを目の前で止めないとかどんな性癖してたらそうなるにゃ~。あっ、そういう性癖の人かにゃ~」


頭を掻き散らし俺に血走った眼を向ける。そして、さっきまで剣先から撃ち出していた歪な立方体を手元からばら撒き始めた。今度は剣をしまい腕もだらりと力を抜いて操作だけに集中したのか、俺を逃がさないと言う表れだろう全方向に柱のように、体1つの半分以下の隙間しかない状態で囲まれた。


「今度は水死じゃなくて圧死で完全に殺してやる!目の前で!」

「きゃぁ~~~!? いゃんだにゃ~!」


触手一本ずつ全てが回転させながら中心の俺に向かって距離を狭めてくる。逃がさないために水上だけではなく水中にも発生させているのか足元の水が大きく歪みバランスを取るのも難しくなる。


「うわぁお、ガメオベラ?」

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