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エイジェンマ・フラグメント  作者: 狭凪
2 . Neppo aesrclawl

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コノバンジョウニツギ

[アルマティ王国:ログンギ 駐屯地]


 装備の作成を頼んでから数日後に駐屯地を借りているとあるクランに届け物を渡しに来たついでに、現実から派生したボードゲームで対戦をしていた。派生元はチェスらしい。


「こちらのターン! 1MPを追加しドロー! そして6MPを消費し『戦争徴兵』を使用。キングかビショップ、またはサマナーの周囲にポーンを八体配置するにゃ~」

「手数の為、壁にする為に呼び出すのですか。しかし、それだけでは私のスパァルタ戦法には勝てませんよ?」

「いや、まだだにゃ~」

「いや無理でしょう。残りの2MPではこの盤面を返す戦術は……、いやひとつだけありますか」

「そのまさかにゃ~。ビショップ一体とポーン八体をコストに『人造魔神の儀式』を使用するにゃ~。それによりビショップがいた位置を中心に『人造巨神ヘカトマキア』を配置するにゃ~」


 そしてそのルールにはMPがあり、手札が存在している。さらにはポーンからキングの駒の他にサマナーや先ほど俺が出した九マス使用するヘカトマキアなどの別の駒が存在しており基本セットにサマナー他数種が付属、ヘカトマキア他の上位駒と呼ばれる物はトレーディング仕様のカプセルガチャで販売している。カードは現実で売っているようなパック販売となっている。


「まさか十枚しかない山札にそのカードを入れるとは……。ちなみに何枚積みか聞いても?」

「二枚……、と見せかけて三枚積みだにゃ~。さて進撃にゃ~」

「三枚とは無謀過ぎでは!?」


 ゴンッとチェスの駒とは思えない音を立てて前へ進む。上位駒はそれぞれ召喚条件があり、比較的軽いものならカードを使わずに場に出せるがヘカトマキア並みになるとさらに条件が課される。上位駒には数字が書かれていてその数の駒数分でしか取ることができない。便利に思えるがその分駒が動けるようにチェス盤が拡張されており、ヘカトマキアなら前三マスを一マス分として一つしか進むことができないので攻め込む前に戦力を揃えられると打ち取られてしまう。


「なんの! 『伏兵配置』を使用し右翼の浮いている駒をヘカトマキア前に再配置。さらに『徴兵令』で空いた右翼に増兵を行いルークでナイトをキャプチャーします」

「くっ……、ならば『徴兵令』を使用してポーン三体配置し、その内の一体とビショップをコストに研究者リサーチャーを配置。『強化兵製造』を使って残りのポーンを『強化兵‐速度型‐』へ。一体を相手の懐に入れるにゃ~」

「な、なんと!? その強化兵を狙える駒が……。なら先ほどルークで行動していない強化兵を討ちます」


 その一手に対して口角を上げ最後の一手を打とうとした瞬間、目の前のチェス盤が吹き飛んだ。お互いに驚きはしたが次の時には空中に浮いたお互いの自分の駒とカードを回収して間違えて取った相手の駒を返却する。所有権を持っていないアイテムはボックスに入らないので互いの駒は間違えない。

 互いの返却を終えると吹き飛んだ原因を確認する。


「すいません総隊長。怪我はありませんでしたか?」

「いえ、怪我はなかったのですがゲームの勝敗が中途半端に終わってしまいました」

「そうにゃ~。『キャスリングチェンジ』で強化兵とヘカトマキアの位置を交換しようとしたけどなにか手を打てたかにゃ~?」

「ふむ、私の手札は『戦争徴兵』。残りの札は……ダメですね。打つ手なしです。お見事」

「いや~、飛び込ませた強化兵の隣に駒置かれたら使えなかった手だにゃ~。プレミしたから助かったにゃ~。それでこれはなんにゃ~?」


 総隊長と呼ばれた対戦相手、王国所属クラン『スパルタ式戦術団』のクランリーダーである『レオニダス・テルモピュライ』が肩を落としながらチェス盤の砂を払いながら片づける。負けるなら負けるで最後までしたい派の人なんだよな彼。前にチェックされた時に投了したら今と同じように肩を落としていた。


「隊員の一人、新人なのですがパワーレベリングしてきたようで自分の技文字の上がり幅の感覚がつかめていなかったようで先ほどのように自分で吹き飛んでしまったようです」

「そうですか。私はパワーレベリングの禁止はしていませんが、ヒューマリアンの方々に迷惑が掛からないように練習が大事と言ってきましたが時々出てきてしまうのは人間のさがですかね」

「しょうがないにゃ~。ゲームだからと手を抜いてしまうのはしかたないし、それを強要してもサボるのもしかたないのにゃ~」

「そうですね。……したくないのですがやはりレベルの確認はしょうがないと割り切らないといけませんか」


 戦争時はガチガチに行動を縛っているからか、それ以外強制しないようにしているがこういった危険性があるので迷っているようだ。レオニダスに頭を下げながら隊員は吹き飛んだ新人を回収して訓練をしている隊員たちのところへ戻っていく。

 と言うか、レオニダスが訓練の様子を見たいからと訓練場の端でゲームを始めたのがそもそも悪いのだが。

 吹き飛んでしまったベンチを片付けているとスパルタの隊員のブロワーが誰かを連れてきた。ワニのパーカーを着てワニとサメのパペットをはめた少年のワニベロスと全身鎧を纏った王族血族末端の騎士であるベスタミアだった。この二人がいると言うことは俺になにか用事があるからワニベロスに居場所でも聞いたのかもな。時間が合えば時々一緒に遊んでたけどべつに今日の居場所は伝えてないからワニベロスは知らないのだけど。


「ハロー、ベスタ。君が来たってことはつまりあれかい?」

「格好つけて喋っているが、私が来るたびに事件が起っていると思っているのかお前は」

「おや違ったかい? まあ、君が来てくれるなら事件が起きてくれてもいいがね」

「それ続けるのか? と言ってもお前の言う通り事件なのだが。この前の教会で起こっていたことを覚えているか?」


 やれやれ、事件を解決した後にすぐに事件が起るとはこの町も物騒になったものだな。そう言うと壁に掛けていた帽子を被るとネクタイを締め直す。さて、今回は俺の出番がなければいいのだが。


「そこに帽子はないですし、アラバスターの服装はネクタイの前に裸ジャケットじゃないですか。その恰好をつける動作止めて内容を聞きましょう」

「ボケとしてはダメだなガシュガシュ」

「それとしてハードボイルドの探偵のようなジェスチャーは良かったですよザシュザシュ」

「うるさいのにゃ~。そんなにケチつけるならヒレ取ってただの鍋掴みにしてやるにゃ~」

「うわぁ!?いきなりワニナノカを掴まないでください!?」


 ワニベロスの左手と喧嘩するおかしな状態の俺をベスタが頭を叩くことで止めて、訓練をしていた隊員から奇異な目で見られながら『スパルタ』が借りている小部屋の一室をレオニダスからベスタが借り受けて今回の事件の内容を簡単にレオニダスに語り始める。

エイジェンマ・フラグメント溢れ話



」]

|◎フ <チェス派生ボードゲーム(名称不定)


稼働最初期の頃に暇人になったボードゲーマーが有志を募って作成された。

六倍程に拡張されたゲーム盤の中央付近に互いに基本のチェスの駒の数から始まる。

最初に2MPを所持しており後攻1ターンから1MP増える。さらに相手の駒を取ると使用升目割る2小数点切り上げ分のMPを獲得する。

山札は十枚、手札は三枚から始まり、二枚以下でしかターンの始まりにドロー出来ない。捨て札はゲーム終了まで使用できない。

1、2マス使用の駒はターンに1つMP消費で場に出せる。

3、4マスの駒は1駒をコストに出すことが出来る。

それ以降はカードの効果でしか出せないがカッコいい駒が多い。

複数マスの駒を取るには駒に書かれた数字以上の戦力を揃えなければならないため速攻型か堅牢型にプレイタイプが分かれている。


販売されている駒とカードだが、複製偽造防止のため遊戯の神の契約により複数の条件下で製作されていない駒が使用されると使用者と製作者に罰ゲームが落ちる。

ちなみにカプセルは超小型アイテムボックスになっており中は見えない仕様になっている。


現在一定のブロワーにより高速で生産されている。

今現在で最も高い物は『豪喰融神ゴッドゲノムスライムドラゴン』とそれを召喚するためのカードセットだが、とある人物に渡って以降行方知れずになっている。

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