オオキクコトコレ
『EXTモンスターの討伐を確認』
『アナウンス:【枯毒一丁LV800】が討伐されました』
『EXT No.00489【枯毒一丁LV800】:消滅』
『参加者:5人 乱入者:1人 生存者:5人』
『称号【毒を奪わば命まで】を獲得しました』
『称号【戯れ者】を獲得しました』
『称号【羊被の欺き】を獲得しました』
『称号【嘘八百】を獲得しました』
『称号【骨格操本】を獲得しました』
『遭遇報酬を獲得しました』
『戦闘報酬を獲得しました』
『討伐報酬を獲得しました』
『別途報酬を確認しました。贈答されます』
討伐の確認をすることなくカイザーフライハイトは飛んできた飛行機のような何かに掴まって姿を消した。アナウンスが流れたことにより象が死んだことが確認できたが、麻痺した体は思うように動いてはくれない。動かそうとするとその部分とそれ以外のところが痙攣して跳ねる。デーザーガンを浴びせられた犯人よりは大人しいが正座から解放された時みたいな動きをしているのでうまく動けない。変な形で転がっているから体勢を変えたいのにだ。
どうにかこうにか体勢を戻せないか数秒蠢いていると頭に液体を掛けられた感じがして麻痺が治った。きちんと動く手足を操作して体を座らせると鰐がゆっくりとこちらに口を開けながら歩いて来ていた。
「ぶふぅっ!?」
驚いたことにその口の中に青白い顔をして白目を向いているワニベロスが収まっていた。何があったのかと聞いてみたいが、その本人が気絶しているから起きるまで事情が聴けない。まあだいたい想像はつくのだがきちんと本人から話が聞きたい。
「おお、生きていたんだな。あの爆発で死んだのではないかと思ったよ」
「なんか運よく生きてたにゃ~。あと数秒遅れてたら巻き添えで死んでたのにゃ~」
「いや、お前まだ死亡回避のアイテム発動してなかっただろが。だからあんな無茶をしでかしてたんだろ?」
「そうだけどにゃ~、あのままだと復活してすぐ死んでたのにゃ~」
死亡回避のお守りは死亡した際のダメージの50%をHPに変えて回避するアイテムであり、2つ目のHPバーというわけではないので、継続ダメージだと回避した瞬間にダメージの半分回復し唐突な死が次に訪れる。瀕死まで追い込んで二撃目で削りきるのが対人戦で基本的な戦略になっている。
「ふう、時間ギリギリといった感じか。王国に更なる被害が出る前に討伐できたことに感謝する」
「俺たちで討伐できたって言うか、最後の最後で有名人に掻っ攫われていったって感じだけどな……。と言うかいいタイミングでフライハイトさんが来たのな。タイミングを計っていたのか?」
「言われてみれば……」
「ああ、それはオイラが呼んどいたのにゃ~。最後の最後の最後で詰んだらヤバイと思って情報を流したのにゃ~」
俺たちのパーティは完全にレベル不足なのでどうせ情報収集のための無限残機の捨て駒扱いだと最悪思ったけど、そんな思惑なんのその、確殺な依頼を受けるのなら逆転の一手を保険の保険で『H&Hインダストリアル』に情報を流しておいたのだ。ツケを払うついでに。
某所某時に村々に尋常ならざる被害を出すEXTモンスターが現れて、討伐のために戦う人がいるらしいのだがその中に王族血族がいるらしい。しかも討伐するのにはパーティの仲間のレベルが低すぎて壊滅する恐れがあるみたい。雷が落ちた場所が怪しい。的なことを口が軽そうなブロワーに待ち時間にここだけの話と世間話をしていたので誰が来るかまではわからなかったが。
「そういえばワニベロスは大丈夫なのか?」
「あ、なんか白目を向いてたにゃ~。でも多分大丈夫にゃ~」
「それは大丈夫とは言えないのでは?」
「大丈夫ではないな。最初に被った分のダメージがひどいぞガシュガシュ」
「その語尾はワニトロスか。だいぶ毒を喰らって……食っていたがそっちの方でやばいんじゃないのか?」
「そこは技文字でどうにかしている。深くは聞くなよ?そこは秘密になる部分だからなガシュガシュ」
人一人丸呑みできる大きさのリアル鰐が喋っているのでシュールな光景であるが、よく見ればその身体はホムンクルスの物だった。ワニベロス用の調整って言ってたが【与】がうまく働くようにということだったのか。
「っと、のんきに話している場合ではない。この場から早く離れるぞ」
「なんだ? 毒ならアレが消えた瞬間に一緒に消えたから安全なはずだろ?」
「それではない。まあ、アレが生きていたらの話だったが、事情はこの場から離脱してから話す」
何やら剣呑な雰囲気で話す様子からただ事ではないと判断して全員でその場から離れる。MPが枯渇した俺は骨を出せないのでワニトロスの背に乗せてもらう。ワニトロス用のホムンクルスは地面を水中のように泳ぐことができるみたいでレベル差が感じられないくらい前を走る二人について泳いでいく。
「最初に言うと【枯毒一丁】は今後の被害拡大を抑えるために討伐する予定であったのだ」
「今後の被害っつーと毒のせいで街が滅びるってことだろ?」
「いやそれは最低ラインの話だ」
「最低ライン?」
「あれよりひどくなるって毒がさらに強化されるってことかにゃ~?毒が空気感染するとか命を持つとかかにゃ~?」
「それよりもひどいことになる」
【枯毒一丁】と戦った平原からかなり移動したがまだまだベスタの足は止まらない。
「おい、どこまで行く気だ」
「……そうだな。ここなら……まあ安全だろう。そろそろだな」
足を止めて振り向くと【枯毒一丁】とは違う別の羊皮紙を取り出した。
「【枯毒一丁】の討伐はこいつと移動ルートが被ったために緊急に行われたものなのだ」
「これは……」
ベスタが取り出した羊皮紙をよく見ようと受け取ろうとした瞬間に地響きが轟いた。【枯毒一丁】と戦っているときに感じたくらいの大きさの地響きだ。
「ちょっと待つにゃ~。そのかち合うルートから離れたのにこの大きさの地響きかにゃ~」
「はぁ?!なんだよそれ!あれと同じっつーことは」
「そうだ。あれが私たちが恐れているものだ」
地響きの発生源である背後を振り返るとそこには巨大な柱が直立していた。つい先ほどまでなかったものがそこに聳えていると言うことはベスタが言ったものというものは……。
「やつは【孤縁象空万城】。生まれてから今に至るまで討伐ができなかったEXTモンスター。私の祖父の代ではもうすでにあの姿だったと聞いている」
「ほえ~、巨大すぎて足しか見えないのにゃ~。あれってどんな姿なのかにゃ~」
「それは『足跡の羊皮紙』を見ればわかるが、巨大な象なのだ。姿形が書かれていて縮尺も表示されている。だがその巨体ゆえに誰も全体を見たことはない」
「で、なんであれとさっきのが被っちゃいけねえんだ?ほっときゃ踏みつぶしてくれるだろうがあの巨体なら」
「それができたら楽だったのだが、羊皮紙をよく見てみろ」
二人で羊皮紙を覗き込むと目を見開いた。
「ちょっと待て。これ間に合わなかったらどうなってたんだよ」
「そうだな。奴が毒を振りまくようになる。【枯毒一丁】より凶悪に」
【孤縁象空万城】の能力は殺した同種のEXTモンスター能力を奪い取るというものだった。それなら国が危機感を持って討伐を急がせたのもわかる。
「てかフライハイトが間に合わなかったらどうしてたのにゃ~」
「それは……、いや私もこの人数ではと思ったが秘策があるかと思い討伐に赴いたのだ。聞かなかった私が悪い」
「いやそれ……」
単なる威力偵察かと思いきや特攻作戦だったことに驚きを隠せないが、こっちも深く確認をせず他に仲間を呼ばなかった俺らのせいでもある。謝られると少し罪悪感を感じる。
「ところでぐはあぁつ?!」
「どうしたアラバスター!」
「か、仮面が割れた途端HP急激に下がり出した……。ちょっとやばい。介錯たのむ……」
毒消し程度では消えない毒が活性化したのかかなりの速度でHPが減少し始めたため、急いでストレージからお守りを取り出してワニトロスの口の中に投げる。こんなところで消費したらもったいない。
「俺の取り分は復活してからで頼む。あとワニベロスのことも」
「ああ、わかった」
「あとワニベロスは底なしだから餌は与えないように」
「あ、ああ……」
足の力が抜けて地面に倒れる。ちょっともったいないからワニトロスに解釈を頼む。
「いいのか?」
「ひどい二日酔いみたいで気持ち悪いから早めに」
「アラバスターまた後で会おう」
「そっちこそピンハネすんな……ふぇへ?」
「おっと、兜が限界だったか」
「おじょ━━」
象の攻撃を受けてべこべこにへこんでいたベスタの兜が消滅した。その瞬間にベスタの顔が見覚えのあるものであったため口から変な空気が漏れた。ついと言葉が漏れそうになったがその前にワニトロスの顔が迫ってゲームからプライベートエリアに弾き出された。別ゲーのことなのに口に出掛けるとか恥ずいわ。
エイジェンマ・フラグメント溢れ話
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|◎フ < 超巨大EXTモンスターについて
成長しすぎたEXTモンスターは会敵時その身体の足しかみえなく、その部分に攻撃してもダメージが通らない。蚊に刺されても気づかないようなもの。
その歩みは一歩だけでも多大なる被害になるため出現する瞬間を各国は把握している。
同種の能力を奪い取る能力は基本能力であり、次の段階に進むまでに集めた能力によりその個体だけの能力が構築される。だが現在のブロワーが生きている間で自然に進むことはない。現在二体。
動くだけで被害が甚大になるため空間軸を歪めて隔離している。その歪みが一瞬正され出てくる瞬間があるが巨大なので全体が出てくることはかなり低い。
主要都市に出こないよう設定されているので王城周辺は安全だがそれ以外は踏まれる可能性があると言うこと。
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> 突然の『驚くべき偉業』 <
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< グチャッ >
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