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エイジェンマ・フラグメント  作者: 狭凪
2 . Neppo aesrclawl

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ドクトクナルシカク

紫色と言うテンプレな毒煙によって周囲の状況が見えなくなったが、防毒装備を持っていないアラバスターが心配になる。レベルが低いからHPの総量も低いのだからこの毒を受けたら直ぐに死んでしまうだろう。


「アラバスター!」

「はぁ~いっ!」


戦闘中と言うのにその抜けた返事にずっこけてしまった。しかも足をクロスして腰のところで手首を曲げたどこかの特選隊の様なポーズをして現れたときは叩いてやろうかと思ったほどだ。だが今は現状の確認だ。


「アラバスター、お前毒は大丈夫なのか?」

「見ての通り無事なのにゃ~。そう言うお前は無事かにゃ~?」

「俺の方は……」


ステータスを確認すると三個程の毒アイコンが並んでいた。どれも毒となっているが、俺の持つ防毒装備を抜けるほどの毒だと言うことになるが、なぜアラバスターの方は毒が罹っていないのかが疑問に残る。


「ぷっくっく~、きちんと用意したお前が毒に罹るだなんてお笑い草だにゃ~。毒と見て甘く見てたのかにゃ~?手洗いうがいはちゃんとするのにゃ~」

「なんでテメェが罹ってねえってのがムカつくが、検証は後にすんぞ。まずはあの毒を撒く牙をどうにかしないとベスタが近づくことができねえな」

「そうだにゃ~。毒で削れたHPであれらの攻撃を受けられるか疑問にゃ~。引いててもらう方が安心だにゃ~」


時間が過ぎれば復活する俺らと違い、再挑戦(コンティニュー)出来ないNPCにこれをどうにか出来るとは思わないからな。例えエリクシル剤で状態異常を無効にしていても切れた時が命の切れ目だろう。


「口調が戻ってるぞ。もうやめるのか?」

「いや、こうのほほんとにゃ~にゃ~してたから若干間違えてな。リセットついでにこの世界での語尾(デフォルト)に戻してた。で、テメェはあの牙、歪ませられるんだよな? 当然」

「あぁん? 誰に言ってんだテメェ。必殺技も持ってねぇペーペーが粋がってんじゃねぇ!」

「どうせつまんねえテキトーな技だろ。期待せずにいてやる」


そう言うや走り出したアラバスターは背負った骨で地面を殴り、加速を付けて反対側の牙に向かった。俺も遅れながらアイテムを使い毒を解除し耐性を上げ、必殺技(FBワード)の準備を始める。

アイテムボックスから握っている武器の残りの二本を取り出して接続する。この武器、『打ち果てる三節』はたまたま出会ったEXTモンスターを倒した時に出た武器だが、これを出した奴は目の前のより弱かった上に相性が俺に傾いていたからか一人で倒せた。っと、話を戻す。この武器の効果は『打ち果てる三節』で与えた打撃の衝撃を対象のパーツ、足や腕とか言ったそれぞれを対象に全方向から与える程度の能力。ただ、欠点なのは与えた衝撃を対象の表面積分分散してしまう事だが。


「スーッ、ハーッ……。【組合設定プリセット】第二、発動オン


四文字技フォースブロウの【組合設定】で全身強化の物を同時に発動させ、象の牙へと走り出す。アラバスターの方は既に攻撃を始めており、鼻をサーカスのアクロバットの様に器用に避けて牙に骨を絡ませている。

そしてアラバスターの方に意識を向けている隙を突いて、まだ薄っすらと煙を撒いている牙目掛けて必殺技を叩き込む。


「食らいやがれ!【砕き散る一撃(ナッツァー)】!!」


使い慣れてた三節棍振り回すことで遠心力を使い打撃力を増やし、それに必殺技を加えた中型竜種でも吹き飛ぶ必殺技の打撃が『打ち果てる三節』が当たった個所だけじゃなく、そこから牙の表面に拡散するように打撃音が走っていく。それにより何度も叩かれたスクラップのように潰され、牙が一回り小さくなり煙の噴出もさっきまでとは比べ物にならないくらいに収まった。

アラバスターの方も牙の根元が潰れていて全体的に奇麗だが、俺と同じように煙の量が減っていた。


「はんっ、くそうざい煙が止まった所で俺に与えた損害を補填して貰うぞ。お前の命でな!」

「おい、自信満々に宣言するのはいいが、減らしたHPが半分以上も回復されてるのにどうするつもりなんだよ。さっさと倒すとしたら急所を狙うしかねえが……まさか」

正解ビンゴ!そのまさかだよ。脳みそはカッテェ骨で守られてるみたいだから心臓を壊す」

「んな無茶なっておい!」


あの高さの心臓を狙うとしても今のアラバスターでも、その倍以上のレベルの俺ですらあの皮膚を貫けるほどの攻撃や到達するための手段がない。一体どうするのかと考える暇も突撃しているアラバスターのせいで更にない。作戦を伝えられてないため、やけくそでアラバスターの後を追って象に突っ込む。


「その頭の中でどういった作戦が立てられてるのか知らないが、まともな作戦なんだろうな!」

「あぁん?要らねえのになんでついて来てんだ。まあいいが、俺の予想が正しかったらもうすぐ出てくるはずだ」

「何が出てくるんだよ!鳥か飛行機かスーパーマンか?」


憐みの目を向けてきたアラバスターが大きな溜を作り、小さな声で「ワニが来るんだよ」といった瞬間巨大なワニが地面から出てきて【枯毒一丁】の後ろ脚に噛み付いた。ワニの牙が食い込んだことで暴れ出した【枯毒一丁】。その一瞬の出来事で目を離した一瞬のうちにアラバスターが危険なその足元に潜り込んで地面に風船を叩き付けていた。その衝撃はすさまじく【枯毒一丁】が次に踏む場所だった地面を割れてへこんでいて、そこに脚を着いた瞬間に想像できていた【枯毒一丁】の姿が、想像できなかった姿で横倒しになっていく。あっけにとられたが体勢を立て直そうとしている象に俺も攻撃を加えて完全に横倒しの状態となった。


「さあ、終わりにしようか!」


【枯毒一丁】の最大の特徴であるおかしな毒が効かないと分かったアラバスターは、ドーピング薬を呷ると己の両の手に大きめなロングソードを握り、更に骨の両手に巨大な大剣を握らせると心臓がある場所に斬り込んでいった。

流石に無防備となった腹を刻まれている事に危機感を覚えたのか、何とかして立ち上がろうとする【枯毒一丁】だが未だに噛み付かれている後ろ足では上手く立ち上がることが出来ず、俺の攻撃でも前足を払う事が出来たことで立ち上がることに失敗する。

しかし、毒が効かないとしても元々備わっていたのか血液の腐食なのか酸なのか、紫色に染まったアラバスターの身体から煙が立ち上ぼり肌を焼いている。だがアラバスターは気にすることなく斬り込み続けていると、立つことを諦めて腹を斬っている元凶を排除するために【枯毒一丁】の鼻がアラバスターに向かう。


「上から来るぞアラバスター!」

「うるせえ!そんな程度で引けるわけねえだろうが。テメェがどうにかしやがれ!」

「間に合わねぇよ!!」


アラバスターを絡めとる為か攻撃に使っていた時よりも細く、そしてその分長くなった鼻がアラバスターに向かい届こうとしたその時。


「は?」


鼻がなんども爆発して明後日の方向を通過した。ベスタの手助けかと思ったが毒の蔓延する場所に近付けるはずもなく、ワニの方は噛み付いているし、アラバスターはそれが出来る状態じゃない。誰が起こしたかわからない不自然な爆発だった。

そして、そんな疑問を浮かべているとアラバスターがダメージを負いながらもその巨体の心臓を堀り当てた。

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