ソウカイジュウヨウ
街へ入る際にちょっと一悶着発生してしまったがなんとか通らせてもらった。鎧戦士の人とは護衛していた相手が気になっているようで、別れて今はヴィラン支部のギルドホームにお邪魔している。
「うわー、本当に怪獣や怪人がいっぱいいますね!」
「本当にブロワーじゃなきゃ殺されても文句言えない姿にゃ~」
機物、無機物が合体した人形の怪人や巨体で大型魚類の怪獣、変な仮面の怪人など様々な異形のブロワーがコンサート会場並みのエントランスを動き回っている。ギャオルァは比較的おとなしめの怪獣のようだ。と、観察している間に技文字を解除したのか上半身裸の俺とは正反対の真っ黒いアバターのギャオルァが立っていた。
「ほな目当てのところに案内します~。迷子にならんよう変なとこに行かんで下さいね。下手すると奈落の底とかありえますから」
「はい! わかりました!」
「変なとこってどこなんだよガシュガシュ」
「全部変なところですよねザシュザシュ」
「本体はそんなしゃべり方だったのかにゃ~」
「素直な子は1人だけですか~」
エントランス以外ブロワーの技文字で歪ませているのか、階段の先だったり、廊下の入り口だったりする場所から先が全て別の建築仕様になっている。他のところにも支部があるから国と国を繋いでそうでもあるな。
その中の一番禍々しい万魔殿のような装飾が施された廊下に案内される。そこは廊下から天井まで怪物の腹の中のようなデザインで統一されている。ここを往き来するブロワーも見るだけで精神を削ってきそうな見た目ばかりだ。
なぜここに訪れたかと言うと、基本的に足がないからだ。いや物理的にはあるんだが、長距離移動となると乗り合い馬車ぐらいしかないのだが、時間に自由がないから嫌だとポツリとこぼしたらヴィラン支部を勧められて今に至るのであった。
「博士ー、ユガ博士ー。お客様ですよー」
「んん? 今は仕事はしないと言ったろうが」
「面白い人だと思いますよ?会うくらいはしませんと」
「こんにちは!お邪魔してます!」
「邪魔するなら帰ってどうぞガシュガシュ」
「ならさようなら、って違いますザシュザシュ」
ユガ博士と言うのは眼のまわりの隈が一周してパンダのような顔になっている現代の科学者みたいな風貌の女性ブロワーだった。
「おい、勝手につつくな。吹き飛んでも知らないぞ」
「おや、これは失敬にゃ~」
「あれ?アラバスターいつの間に」
さまざまな物が置いてあるので興味深く見ていると此方に注意が飛んできた。でもそんなそんなわからない物を不用意につつくなんてことはしないよ。
「だからつつくなっつってんだろ」
「おやおや」
「スキル使って偽装しているみたいだが、その程度は簡単に見破れる。遊びたいなら外へ行け」
「謝るからそんな怒んないでにゃ~」
触ろうとした腕を捕まれへし折られそうなくらいの力を込められた。ミシミシと骨が軋むくらい痛い。
「ちっ、引き受けないとこいつが暴れるって寸法かよ」
「いやちゃいますよ。その人が勝手に行動しているだけです」
「もう触らないから離してほしいにゃ~」
危険地帯に突入したHPを回復するために水薬を用意すると訝しみながらも渋々離してもらったので、頭からひっかぶって減った分を回復した。
水薬が滴りながら引き受けないと俺が悪戯しだすと思ったのか嫌な顔をしながらも奥の部屋に案内された。そこは儀式の間のように床に魔方陣、壁に本棚と祭具の様なもの、何か凄いセンスの篝火が備わっていた。
「これ必要な道具類なのかにゃ~?」
「いや、ここの部屋を作ったときに他のメンバーが勝手にインテリアを備えていってこうなった。まあ機能的に問題ないから別にいいんだけど」
「ここで何をするんですか?悪魔召喚とか?」
「あー、近いね。近いけど近いね」
「博士説明めんどなってへん?」
「まあ、やればわかるからね。説明は後回しでもいいじゃん?」
なにか準備している博士に対して質問を投げ掛けたワニベロスだけど、凄くめんどくさい調子で受け答えをしだした博士をギャオルァが嗜めている。
「これはテイムモンスターの様な感じでできるものと契約する物なんです」
「テイムモンスター的なものってはっきりしろよガシュガシュ」
「どういう物かはっきりしないとやりたくはないですねザシュザシュ」
「まあ、明確に言いますと悪魔と天使とホムンクルスですね」
「んー、あれかにゃ~。何世代か前の漫画能力持ち俺TUEEEEE異世界召喚であった使い魔召喚的な?」
「俺TUEEEE某はわかりませんが使い魔召喚みたいなものですね」
「魔法特性を得てないと無理だけどねー」
いにしえのオタク的TUEEEE小説は通じないのか。最近も目にしたんだけど。
それより魔法特性って博士言ってたが魔法覚えていたら大丈夫なのか?
「魔法覚えていたら技文字でどうこうできるから大丈夫大丈夫」
「魔法スキルですか……、ああ、さっき食べたから覚えてます!」
「じゃあ大丈夫じゃないかなー。で、たぶん魔召喚? そう言うのが作れるから作ったら準備完了」
えっと? 魔、魔、【召魔術式】。いっかこれで。
「で、魔方陣に手を着くと始まるからそれでホムンクルスか悪魔ーー正式名称『悪業性絡繰童子型魔導機構』か天使ーー正式名称『天善性絡繰童女型使君機械』が召喚されるから」
「ストップ」
「彼らが出す条件を」
「待てって、ストップ~~~~!!」
「なに?」
「え? 正式名称?天?悪?」
いきなり長い正式名称が出て来てそれを軽く流した博士は普通に続けようとしてるから、一旦待って貰って頭の中で情報の整理をする。
「悪魔の正式名称が?」
「『悪業性絡繰童子型魔導機構』で略して悪魔」
「天使が?」
「『天善性絡繰童女型使君機械』で略して天使。基本的には同じものだけどね」
いや、同じものと言われてもくそ長い名前の名称でどんなものか考え付くわけがない。天使と悪魔と言うくらいだからこの世界のそう言った物なのだろうが、なら神様もいるのだろうかって違う違う。
「悪魔と天使ってあの悪魔と天使みたいな格好なんですか?」
「いやいや、宗教上の姿じゃなくて機械で出来た体で男女で別れている感じだよ。それ以外はほとんど共通している。ああ、性格は一般的なそれとおなじと考えていていいよ」
現実とはかなり違った様子で作られているようだ。俺ではもうファンタジースレしてて当たり前だと思いこんでいることをワニベロスが質問していてそれ以外を俺が聞いていくと言うスタイルに自然となった。
エイジェンマ・フラグメント溢れ話
」]
|◎フ < なぜかここでユガ博士
ユガ博士
ヴィラン支部開発責任者 兼 契約儀式管理責任者
生産振りのカンストブロワー
ヴィラン支部ではマッドサイエンティスト系幹部でモンスターを培養したり製作したりしている人物。マイルームでは培養装置とケーブルが空間を支配しているので大体儀式の間の前の研究室で過ごしている。建物の景観を変異させた人物。たまに失敗して汚物ゴーレムが氾濫する。
王国に所属しているが、ヴィラン支部以外での強いつながりがあり、そちらの方が強かったりする。
彼の作るモンスターは犯罪者ブロワーやテロリストブロワーに正規手段で販売されており、倒した後に3カットに分けて爆発するのは彼女の製作品である。最低値は200万から。
プレイスタイルはモンスターを作る以外はほとんど外に出ず、出ても移動用モンスターに任せていたりして自分は何もしないスタイルで、ユガ博士謹製のモンスターの名は売れているが購入者のほとんどはバイヤーからなので性別、本名、容姿を知っている人はいない。
契約している者は巨大なバイスアームを持つホムンクルスと多脚昆虫型天使、狙撃&刺突型対人特化悪魔の三種。
本名
『ユガクトールッフ・イアイアピオテスト』




