ゾウエンカナグリステ
「大丈夫ですかアラバスター!」
「ぶっちゃけ、お前の体当たりのせいで初めて水薬を使ったにゃ~」
あのまま突き刺さっていると突っ込んでくる熊竜に轢かれるので【姿写し】で囮を残して直ぐ様藪から脱出した。ゴロゴロと転がってワニベロス跡に着くと此方を心配してきたがさっき言ったようにワニベロスのせいで回復するはめになったんだよ。
「あれなんなんですか?」
「灰色熊王竜。またの名をグリズリーキングドラゴン」
「ドラゴン! ドラゴン初めて見ました!」
「あんな亜種竜を初めてにしなくていいにゃ~。もっとらしい竜を初めてにするにゃ~。あれは熊にゃ~」
「そうですね!熊です!」
自分で言ってなんだけどそれでいいのかワニベロス。素直な返事に困惑しながらさてどうしようと首をかしげる。俺とワニベロス。レベルがどうこうよりも相性が肝心なところ。
「俺火属性と相性悪いけどワニベロスどうにゃ~?」
「はい、ワニなので相性悪いです」
「ワニとか関係なく炎と親和性ある動物はいないにゃ~」
目の前の熊竜みたいなファンタジーではない生き物は全部炎が弱点だろうさ。
「水魔法とか使えるかにゃ~?」
「え? このゲームそんな弱点二倍とかありましたっけ?」
「う~ん……、ふつうに攻撃しかないにゃ~」
「アラバスターはその玩具の銃以外武器持ってないんですか?」
「あるけど、風船ヨーヨー以外投げ売り纏め千円ぐらいの奴しかないのにゃ~」
「おいおい、そんなレベルしてその程度しか持ってないのかよガシュガシュ」
「まったく、どのくらい時間があったのか知りませんが、もう少し良い武器がなかったのですか? ザシュザシュ」
「よし、今日の晩御飯はフカワニの鍋よ~」
牽制しているコルク銃から一発ずつワニとサメのパペットの顔すれすれに撃つと、互いの体を寄り添わせて震える。
まあ軽いじゃれあいは置いといて、ワニベロスが来たことで俺が死んで一から寄り合い馬車に乗ってガタゴト言わす移動をすると言った手を使っていいのかわからない。まあ置いていっても硬い体で無事なような気がする。逃げることはできないが。
熊竜の炎を噴き出すモーションに合わせてヨーヨーを跳ね上げさせ口を閉じさせると、口の中で行き場を失った息吹が歯の間から漏れ出る。すこしせき込んだがそれだけでダメージを受けた様子はない。うん、こうしよう。
「ワニベロスがあっちに全速力で走るにゃ~。こっちはその逆に走るから頑張るにゃ~」
「はい! うるさい音をたてながら逃げるアラバスターが囮になって僕を逃げられるようにするんですね!」
「なにこの察しの良さ。お兄さんビックリして標準語話しちゃう」
まあ、その通りなんだけど普通この提案したら俺じゃなくて自分の方が囮だと思うよね実際。俺がやられた時は相手にターゲットを向ける匂い袋付けてやったがな。
「でもやりません! アラバスターを見殺しにできませんから!」
うん、いい子! 飴ちゃんあげちゃう。
じゃなくて、本気で邪魔になりそうだから逃がそうとしてるんだけどいい子過ぎて逃げてくんない!
「いや~、ワタシ一人だと逃げる算段があるのにゃ~。だから先に逃げてもらおうと思ってるだけにゃ~」
「はい! でも逃げません!」
「話通じないにゃ~……」
「一度決めたらやりとげるのがワニベロスの良いところだガシュガシュ」
「責任感が強い子なんですザシュザシュ」
「それ今発揮しなくていいにゃ~」
コルク銃の気絶の蓄積によってふらついていた熊竜が、作戦会議のために少し足を止めていた此方を捉え地面を抉って大きな土塊を飛ばしてくる。さすがに話しすぎたなと三重強化のヨーヨーを土塊にぶち当てると、簡単に土塊は崩れたがその土塊の向こうに立つ熊竜の口が光っていた。
「ワニベロス、死亡回避のお守り持ってるにゃ~?」
「何ですかそれ」
「……南無」
死亡回避アイテムを所持していないワニベロスに手を合わせて拝んでおく。予備を少しだけ持っているが今からアイテムボックスを漁った所で袋が燃えておじゃんになるので出したくない。
薄情な俺とわからずに慌てているワニベロスに熊竜の熱線が周囲の景色を白く塗りつぶしながら放たれる。
「【結晶城壁盾】【耐熱隔壁陣】」
といきなり熱線と俺たちの間に誰かが割り込んできてスキルで俺たちを守ってくれた。その後ろ姿は、……えっと、覚えてるよ。ちゃんと覚えてるってば。うん。
「あなたは馬車の護衛の人!」
「あっ、リーダーさん!」
護衛隊の一番レベルが高いリーダーの人が最初防いだように前に立っていた。その鎧は熱線を真正面から受けた余波で所々溶けているが中身には影響がないようだ。
「これで借りは返したぞ。で、どうするつもりだ」
「この三人で勝てるかにゃ~?」
「ふむ、そっちのがお前のパーティメンバーか」
「はい! ワニベロスです!」
「そ、そうか。なら勝てるかもしれんが」
ワニベロスの元気に圧されたが俺たち二人、アラビアン風衣装の真っ白な成人男性とワニパーカーワニサメパペットの未成年男子。
「勝てないかもしれない」
「ワニベロスが貧相な見た目でごめんにゃ~」
「原因僕ですか?!」
「大丈夫だ。合流した先見隊によるともうすぐ救援が到着するらしい」
「つまり時間稼ぎだなガシュガシュ」
よし、死なさないNPCが増えたし熊竜倒せそうな奴がくるならちょっと本気を出して時間稼ぎしようかな。【姿写し】で安全を確保したらごそごそストレージからアイテムボックスを取り出して片方のコルク銃をちょっといい剣に変える。クソデカカマキリからドロップした武器だ。
「あっ、なんかよく切れる」
「えっ?! なんでそれ最初から出さなかったんですか!」
「死んでロストすると勿体ないから出してなかったにゃ~。死んでもいい前提だったからにゃ~」
「ふむ、モンスタードロップ品か。なかなかに良いものだな」
【風死蟷螂の刃】
STR+45% SPD+50%
【風足】
風の邪魔を受けずに移動が出来る
消費MP 1MP/s
【風鋭】
風を纏って刃の鋭さが増す
消費MP 10MP/s
切る瞬間に【風鋭】を使うと毛のような鱗を散髪のように切ることができたが、肉に届いてはいないので積層状になっているみたいで切った先にまだ毛鱗が覗いている。これはもう少し攻撃力上げないとこの防御は抜けないな。……俺のSTRは1万近いのに抜けないってこれ別要素あるな絶対。握力×重さ×速さ的な。
戦略が硬いリーダーと身体的に硬いワニベロスがいて、ウザい俺のちょっかいでそこそこ時間が経ち、それに合わせてあの熱線のCLが終わったようで熊竜の口が光り出した。炎の息吹でまとめて焼かれないため散らばっていたのがあだになったのかワニベロスが標的とわかった時には、俺のヨーヨーとコルク銃、リーダーの防御は間に合わずワニベロスがデスるはずだった。更なる救援が来なければ。
それは赤い一撃だった。
「赤き情熱の一撃! レッドブレイク!」
それは青い斬撃だった。
「スラッシュブルー!」
それは黒い砲撃だった。
「ギャオォォォ!!」
それは赤い衝撃だった。
「ラッタロッサ!!」
それぞれの攻撃によりHPが全損したのか口の中の光が衰え消えていき、その身体が傾いで倒れていく。
「「「とりあえず四人揃って! ギルド『H&Hインダストリアル‐アルマティ王国支部‐』」」」
「ギャオォォォ!!」
熊竜の体が地面にワンバンした瞬間にその身体が俺の目の前で爆発して煙が巻き上がる。砂利と熱と煙が俺を通過していって少なくないダメージが嵩んでいく。
とりあえず生き残れたようだ。
エイジェンマ・フラグメント溢れ話
」]
|◎フ < ブロワーのステータス
現状況でブロワーの最高ステは十桁がぞろにいる。
と言ってもそこまでなるには職業、技文字、装備を一極にしていかなければならないため七、八桁くらいが次くらい。トップはトップなりに化け物がそろってるからアンチ装備などの対策しても同ランクぐらいじゃないと鍔迫り合いどころか目を離すと死んでいることもある。
レベルが上がる限りステの限界はない。ディス○イア式レベル上限設定。カンストはいまだに見えない。
P.S.
小説の方のツイ作り @syousetu_no_hou
本垢でもそんな呟かない人だけどまあどうぞ
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