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異世界強欲記  作者: 作者
1/1

序章

異世界ものって急に書きたくなるもので。

まあ、ゆっくりシコシコと書いていきます。

「さーってっと。そんじゃあハッス◯タイムといきますかぁ‼︎」

 そう言いつつ、俺は首の骨をポキポキと鳴らし、ベッドに飛び込む準備をする。

「ふふふ。元気のいいこと。お姉さん、貴方みたいな子は好きよ?」

「うひょひょひょひょひょ!マジっすかぁ!じゃあサービスよろしくっすーー‼︎」

 そう言い、俺は衣服を全て脱ぎ捨て、ベッドにダイブする。とある世界的泥棒も使っている正しきベッドダイブ方法だ。

 あ、股間にはモザイクよろしくね☆

 さあ!ここからは楽しい時間だ‼︎ヒャッホーウ‼︎

 ……ヒャッホーウ!

 ………ヒャッホーウ!

 ……………ヒャ……

 ……………………………………

「マジかよ。そりゃねぇぜ作者」

 ん?なにが起きてるかよく分からんって?

 そうだよなぁ、分かんないよな。漫画じゃないから絵もないし、ましてやアニメじゃないから映像なんかあるはずもなく。

 こんなんじゃ俺がただ勢いなくして黙っちまっただけに思えるよなぁ。

 ということで詳しい描写の説明をするね☆

 俺、ベッドにダイブするところで全裸で空中に浮いてる状態。あ、モザイクはしてあるからそこは安心してくれい。

 んでもって俺の真下30センチくらいの位置には掛布団を身に纏った同じく全裸のお姉さんがいる。

 はい!ここで男の子に問題!ジャジャン!

 自分全裸です。お姉さんも全裸です。

 今ベッド付きの個室にいます。さて、どうしますか?

 答えは簡単。

 ――ヤルことヤル。

 生存本能に身を任せて欲望を爆発させろ‼︎それが正しく、少子高齢化社会を打破する最善の策だ!

 ……………………………………………。

 なのに、だ。

 俺はそれをさせてもらえない。

 誰にって?

 HAHAHA!そんなの決まってるだろう。俺の生みの親さ。

 ママン?NO NO違う違う。

 もっと単純な話。そう。

 作者だ。

 作者が俺を欲望のままに暴れさせてはくれないんだ。序章だから自己紹介しろだのなんだの。

 全く、俺は息子にそんな縛りはしないぞ?今も絶賛開放状態だしな!

 まあけど、作者あいつは作者なわけで、俺は俺なわけだし、作者は俺より上位の存在なので逆らえるはずもなく。

 てなわけで!俺っちの簡単な自己紹介〜!はーじまーるよー‼︎

「俺の名前は砂上狂さじょうきょう。年齢20歳。常に欲望に忠実に生きてきて、そのおかげか否か色んな人に恨まれてる。誕生日は1月11日。血液型はO型。好きな言葉は社会のゴミ駆除だ‼︎」

 ん?自己紹介アウト?パクるな?

 知るかいそんなこと。

「あうちっ!」

「あんっ」

 時間が進み始めたようだ。

 俺は今、お姉さんの上に乗っかって、ことを始めようとしている状態だ。

 ようやく皆様お待ちかねのハッス◯ターーイムッ‼︎

 俺は掛け布団に手をかけ、それをゆっくりとめくっていく。さーて、そろそろ不自然な光か不自然な影の準備が必要だぜ〜?

「ふへへへへへへへへへへへへ」

 下衆!我ながら下衆な笑い!だかそれでいい!

 今こそ神秘の乳房を我が眼前に露わにし、欲望の聖剣を抜かせよ‼︎

 と、テンションがハイになった瞬間であった。

(バタンッ‼︎)と、凄まじい音が部屋に響く。

 俺はそちらに顔を勢いよく向け、ハッスルを邪魔した音の原因を探し、即座に睨みつけた。

 だが、俺は一瞬で睨むのをやめた。

 そして青ざめた。

 なぜって?

 部屋の玄関、そこでドアを開けながら立っている人物。

 俺はその人物を見て激しく動揺したからだ。

「キョーさーん?なーにをしてるんですかぁ〜?」

 真に笑っていない笑顔で俺に尋ねつつ、部屋のドアを閉めるその人物。

 バタンッ!という音が再び部屋に響いた。

「あー……ちゃんと寝たのを確認してから出てきたはずなのになぁ〜……?」

「ええ、ですから寝たふりをしていたんです。こういうことがないように、ね?」

 どんどんと近づいてくる。

 ああ、目が笑ってない目が笑ってない。

 この後俺はボコられて意識を失うかもしれないから先にヒロインAの紹介をしとこうと思う。

 俺を今にも殺しそうなオーラを出しながら迫ってきている彼女の名前はシロエ。俺と行動を共にする相棒のような人物であり、一応奴隷。

 ああ、奴隷ってのはなんかの比喩じゃなくて、本物の奴隷ね。俺が奪った。

 まあこの俺が奪う位だからそれほどに価値はあるってわけで。

 見た目はもちろんのこと、知力や武力、そして魔術にも高いポテンシャルをもっている少女だ。……まあ、欲を言うならばもう少し胸が欲しかったなぁ。

 シルバーブロンドの腰まで伸びた髪。碧眼。整った顔立ちにスラリとした体つき。なーんて良くある説明だけども。

 ……スラリとし過ぎてあんま胸ないんだよなぁ。よくてCくらいか?

 はぁ……俺は根っからの巨乳好――

「――きっ⁈って!危ねえ!」

 いきなりシロエが魔力弾を右手から放ち、俺は咄嗟に仰け反ってこれを避ける。間一髪‼︎

「おい!お前ぇ!俺はお前のご主人様だぞ⁉︎なに殺そうとしてんだ!」

「いえいえ、殺そうとはしていませんよ?ただ、失礼なことを考えていそうだったので粛清を、と」

「お前の粛清って、絶対死をもって成されるやつだよな?」

「………ご想像にお任せします」

 間があった。絶対殺す気だった!

 ――さて、と。こっからどうしようか。

 1、窓から逃げる。

 ああ、全裸だからダメだ。

 2、正面突破でシロエを倒す。

 無理だ。武器とかないし。

 3、「ご、誤解だ!誤解なんだ!これは違くてっ!」と、言い訳を開始。

 こういう言い訳をして無事に済んだ奴を俺は知らない。


 てことは、だ。


「シロエ、少し聞いてほしい」

「なんですか?命乞いなら手短に」

「……命乞い……じゃあない」

「ーー!」

 俺の真剣さ醸し出しオーラが伝わったのか、シロエの表情が少し驚きに変わった。

 よし、この勢いだ。

「お前は一つ、重要なことを忘れている」

「……なんですか…それは?」

「いいか?俺たちの今いる時間は俺たちが出会ってからしばらくしたところにある。……とういうことは……」

「(ごくり)」

「ーー過去回想か必須だろうがぁぁ‼︎」

 だろうがぁあ………

 だろうがぁ………

 だろうが………

 ろうが………

 が………

 ……

 時が、止まった。

 作者め、また止めやがったな?今度はなにを――

「言い残すことはそれだけですか?」

「ふぉう⁈」

 止まってねぇ!右手コキコキさせながら白い息吐いてる!怖えぇ‼︎

「ちょ!まっ!まっ!」

「《フルファイア・インヴィディア――」

 あ、ヤバイ。なんか本格的に詠唱はじめてる。

「デストロイシュートォォォ‼︎》」

「ちょっちょ!一般人もいる中でそんな魔術……って⁈あれ⁈いない‼︎」

 さっきまでいたお姉さんがいない‼︎

 ん?ちょっと待てよ?

 あれ?なんか部屋の隅で水飲んでる!い、いつの間にぃ⁈

 ヤバイヤバイヤバイ!

 早く回想!回想早く‼︎

 お願いだからぁぁぁぁ‼︎

「――らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」


ちゃんと次は過去に戻りますよ( ◠‿◠ )


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