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リザードマン戦記  作者: 灰色 人生
第1章 ミナフルレア王国西部戦線編
7/11

第7話・異界の勇者

本日は2話投稿です。


これは1話目です。

 時は少し遡り、レンスがウェスタンドの街を襲撃する、数日前に戻る。






 その日は、いつも通りの何気ない日常であった。


 いつも通りに授業を受けて、友達と話し遊ぶ何処にでもいる、ごく普通の高校生であった。



 放課後よく遊ぶ、いつものメンバーで最近ハマっているオンラインゲームの話をしていた。



「さて、今日はどの狩場に行く?」と最初に発言した男子生徒は、このグループの中心的な存在である。


 名前は井垣(いがき) 隆之(たかゆき)である。


 茶髪黒眼で、身長も183cmと高く、顔も整って居り、まさに主人公と言った出で立ちをしている。



「そうやなぁ〜今回はちょっとばかし、いつもより難しい所にせぇへん?」と関西弁わ喋るショートカットの活発そうな猫目の少女は、関西から半年前に引っ越して来た、飯倉(いいくら) 朱音(あかね)である。


 身長は158cmと小柄だが、運動神経が良く、良くバスケットボール部や陸上部など、運動部から助っ人を頼まれる事がある。


 髪は赤く染めて居るが、姉貴肌であり、良く相談に乗ってくれたりと、優しい一面もある。

 だが、ズバッと言う性格で、苦手とする人も居る。




「そうですね。たまには、大物狩りも良くありませんか?」と朱音に同意したのは、金髪碧眼の美少女である。


 長い髪はサイドテールにして居る。


 彼女は日本人とイギリス人のハーフで、名前は柴原(しばはら) アメリアである。


 ハーフだけあり、身長も178cmと女性の中でも高い方だ。



「賛成です。ここ最近同じ狩場でしたから」と同意したのは、黒髪黒眼でこれぞまさに、大和撫子と思わせる、容貌の美少女である。


 身長も172cmと女性にしたら高い方だ。


 名前は鈴蘭(すずら) (かなで)である。


「なら、情報収集などは僕に任せてくれ。完璧な装備と、地形を用意して見せるよ」と自信満々に告げたのは、眼鏡を掛けて、前髪が長く顔が良く見えない、中肉中背の男子生徒だ。


 名前も山田(やまだ) (つとむ)と普通であり、身長も167cmと普通で、一見したらこの4人と、全然タイプが違うように見えるが、彼もこのオンラインゲームにハマっており、それが縁で仲良くなり、こうして5人で良くパーティーを組んで、遊んで居るのだ。



 そうやって5人が楽しく、放課後の教室で話して居ると、教室の扉が開き入って来たのは、肥満体型で身長も164cmと、低い男子生徒だ。


「ん?何だお前らまだ教室に残ってたのか。今日もまたやるのか?」


「あんたには関係あらへんやろ」と朱音が冷たく言い放つ。



 冷たくあしらわれたのは、江田(ごうだ) ヒサシと言い、5人が良くやるオンラインゲームで、邪魔をしてくると生徒だ。


 最初は一緒に遊びたいけど、上手く誘えずに迷惑な行為をして来る。と思った朱音が優しく誘ったが、素気無く断り、邪魔をして来る頻度を上げたのだ。



 しかも巧妙なことに、事故を装った邪魔や欺瞞情報を流したりなどで、運営に報告しても意味が無いのだ。



 何故こんなにも、邪魔ばかりして来るのか聞いたら、「五月蝿い。リア充は爆発しろ!」と捨て台詞を吐いて、余計に被害が悪化した事がある。


 要するにただの僻みである。



 なので、彼ら5人とヒサシは険悪な雰囲気を醸し出し。


 そして気が強い朱音が、ヒサシに対して何か言おうとした直前、足元に魔法陣が浮かび上がったのだ。



「な、何だこれは!?」といつも冷静な、隆之も驚き、椅子から立ち上がる。



 徐々に魔法陣の光が強くなり、目が開けて居られないほどになる。



 そして、地震が来たかの様に、足元が揺れた瞬間。体に浮遊感が襲い来る。



 だが、それは一瞬の事で、次に全員が目を開けると、其処は見慣れた教室では無く。一面金ピカの物で埋め尽くされた、荘厳と言うより、装飾過多な神殿の様な場所であった。



「ここは何処だ?」最初に言葉を発したのは、隆之である。



「此処は妾の居城である」と声が返ってくる。


 まさか、返事が返ってくるとは思わず、6人は驚いた様子で、声が聞こえてきた前方を確認する。



 其処には見事な玉座に腰掛けて、蠱惑的に足を組む、絶世の美女が座っていた。



「あ、貴女はいったい……」と何とかそれだけを絞り出した、奏の問いにその美女は「妾は女神である。そしてお主らを呼んだのは、他でもない。この妾である。此処とは違う異世界で人間種が、忌まわしき下劣で低俗、そして穢らわしい魔族どもに、攻められて劣勢にあるのである。なので、彼らを救ってやってくれぬか?勿論特別な力を授けてあげるのでな。成功報酬もあるので行ってくれるか?」と頼むと言うよりも、命令に近いその言葉に、隆之は迷う事なく。


「わかった。困ってる人が居るのなら、助けるのが当たり前だ」と当然のようにそう答える。



「助かるのう。では、早速行ってくれるかの。詳しい力の使い方は、向こうに行けば自ずとわかるであろう。では期待しておるぞ」と言い、女神が手を振ると、足元に先程と同じ魔法陣が浮かび上がった。



 次に目を開けると、荘厳な雰囲気を持つ、白亜の宮殿の様な場所に居た。



 そして目の前には神官服らしき物を着た、人達が20人近く居たのである。


「おお!見事に召喚に成功したぞ!……ん?だが、6人も居るぞ?」


「どう言う事だ?何か間違えたのか?」


「それよりも、今は陛下にお伝えすべきだろう」


 と召喚された6人を放って、彼らは相談を始める。


 そんな彼らを見かねたのか、1人の神官が前に進みでる。


 他の者達よりも、意匠が凝っており、豪華な神官服を纏った初老の男性だ。



「これお前達。まずは勇者様方に挨拶と、御召喚頂いた理由を説明せぬか」と叱責し、此方に振り向く。



「勇者様方には、私の部下が失礼を致しました。私はこの者達を束ねます。聖杯教会の大司教を賜っており、このカルティナ王国の王都支部を任されて居ます。ゴドリック・カルメと申します。突然この様にお呼び出しされて、さぞ混乱されているかとは思いますが、我々の後について着てください。詳しい説明は後程致しますので」とゴドリックは彼ら6人を誘導する。



 混乱して居た6人だが、今此処で質問しても答えてくれ無さそうなので、大人しくゴドリックの後について行く。




 他の混乱している5人とは違い、ヒサシだけは密かに興奮して居た。


(これはラノベによくある、異世界転移系ではないか?ふふふ。だが、この流れで行くと。井垣が勇者認定されて、他のはその仲間的なポジションではないか?だが、俺は巻き込まれ系で、最終的には主人公よりも強くなるポジションの筈だ。そうに違いない。ならば最初は大人しくして時期を見て、寝首をかいてやるか)とヒサシは邪な考えを抱いて居たが、顔には出さずに、他の5人と同じ様に困惑した表情を作る。



 そして6人はゴドリックの後に続いて、大神殿を出て、王宮へと向かう。


 6人は最初はあたふたとして居たが、次第に平静さを取り戻して、周りを見る余裕が出来て、あれはなんだ?あそこのは?と5人で相談し始めた。


 その輪の中にヒサシは入らず、冷静に周りの人や物を観察して居た。



 そして歩いて十数分後、王宮に到着した。


 大神殿と王宮はまさに目と鼻の先の距離である。


 それだけ聖杯教会の権威は、それだけ強いと言う事だろう。




 促されるままに進み、謁見の間の前へと通される。



「この先にはこのカルティナ王国の国王陛下が居られます。礼儀作法については、勇者様方とは違うかもしれませんので、一礼するだけで宜しいでしょう。では行きましょうか」と言い、ゴドリックが手で合図すると、扉の前の衛兵が両開きの扉を開ける。



 開き切った所で、ゴドリックが中へと進みその後を6人が続く。

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