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リザードマン戦記  作者: 灰色 人生
第1章 ミナフルレア王国西部戦線編
11/11

第11話・ルトラード戦

体調を崩してしまったので、投稿が遅れました。


まだ本調子ではないので投稿ペースが遅いです

 魔王軍第3軍団第1師団の面々は問題なく、ルトラードの包囲に成功した。


 ルトラードの衛星都市なども既に、粗方落とし終わりルトラードは完全に孤立した。



 第1師団が進軍するのよりも少し早いタイミングで、第3軍団が進軍を開始したのでミナフルレア王国軍の大半はそちらに向かった。


 その分手薄になったルトラード方面を、進軍するのは容易い事であった。



 途中通過する都市や町にいる兵士は立て篭もり、此方に向かって出て来なかった。


 まあ、それも仕方が無いだろう。


 此方は2万5千に対して殆どの都市や町の兵士は、魔王軍第3軍団の本隊が向かった、西南方面に向かう王国軍に抽出されて、残っているのは多くても1,000に届くかどうかの必要最低限の兵士しか残って居ない。


 何せ、ミナフルレア王国はここ60年近く戦争をした事が無い国だそうだ。


 周辺国の仲も良くも悪くも平凡であり、周りの国も似た様なもの国力の国で、戦争までして得られるメリットが少なかったのが要因だ。


 一つだけあげるとすると、迷宮と魔物が蠢く樹海に接している点だ。


 確かに迷宮は美味しいが、それを得たと同時に、今度は樹海と言う厄介な場所も同時に引き受ける事になる。


 ミナフルレア王国西部全域が、樹海と接しており。いつ樹海から魔物が出てくるか警戒しなければならない為に、少なくない費用がかかる。



 なので何処の国からも狙われず平和を謳歌していたのである。


 戦争を経験した兵士も殆どが、亡くなり残っているのも老人ばかりである。



 ミナフルレア王国の上層部には辛うじて数人の過去の戦争経験者が居たが、全員が文官であり武官は居なかったのである。


 その為に必要な場所に必要な人数を配置する事が出来ず、囮などに見事に引っかかりほぼ全軍が、西南方面に出陣したのである。



 一応ルトラードに向けて、降伏勧告の矢文を射た。


 今から二時間以内に返事が無い場合は総攻撃を仕掛ける。と書いて置いた。


 まあ、返事は大して期待して居ない。


 降伏してくれれば、此方の被害も減りラッキー程度にしか考えていない。





「この待ち時間暇だな〜」とグリットが両手を頭の後ろに付けて言う。



「ならばグリット。門が開いた後の攻め方に付いて話し合うか?」とガッドが言うと「えっ!?今回は他の部隊に任せるんじゃあ?それに俺の部隊は竜馬に乗る騎兵部隊だから市街戦には参加しないんじゃあ……」


「何。それならば降りて戦えば良いだろう?最近は突撃しか主にしていないだろう?」


「そうですけど……」


「グリット。そうだな。100名ばかり選抜しておけ。流石に全員では参戦しないが、少しばかりは中へ突入するぞ」と俺が告げるとグリットは「わかったよ」と言い部隊の方へと歩いて行く。


「彼奴ももう少し真面目に取り組めば、もっと強くなれるだろうに」


「そうですかね。私にはそうは思えません。グリットはあの性格だからこそ、上手く部隊を纏めていけているんだと私は思いますが」とアーリンが告げる。



「ふむ。確かにそれもそうだな。グリットが真面目になった姿なぞ……想像出来ん」とガッドが言うと笑いが起こる。


 少しばかり張り詰めていた空気が緩まる。



 暫くするとグリットが選抜し終えて戻って来る。


「ん?なんな空気がさっきと違くね?」と敏感に察する。


「何でもないわよ」


「そうだな。良しガッド行くぞい」


 グリットはガッドに連れられて天幕の外へと出て行く。



 二時間後



「返事は来なかったな」


「はい。その様です」


「では、私は師団長の元へと行き作戦の決行の可否を問うて来る」


「わかりました。部隊はいつでも戦闘に入れる様に準備させて置きます」


「うむ。頼んだぞ。ではマーリン行くぞ」


「はい。レンス様」


 マーリンと数人の護衛を引き連れて、ヴェネラの天幕に向かう。


 流石は師団長の天幕だ、警備は厳重である。



「あら、レンスが来たと言うことはそろそろ時間ね」とヴェネラは天幕の中でティータイムをしていた。


「はい。作戦を決行してもよろしいでしょうか?」


「ええ、構わないわ」


「わかりました。時期に門は開きますので、他の旅団や部隊の突撃準備をお願いします」


「わかったわ。成功を期待しているわよレンス」


「ええ、ヴェネラさん。任せて下さい」


 一礼して天幕を後にする。


「マーリン合図を」


「わかりました」


 マーリンが頭上に手を掲げて空に、三度連続して火球を上げる。



 これが作戦開始の合図である。



 暫くすると、ルトラードの各門が開き始める。


 城壁の上のルトラード軍が困惑している様子が手に取るようにわかる。



 そして門が完全に開き切った頃に、各部隊が突撃して行く。


 ルトラード軍は必死に上から矢や石などを投げて牽制するが、それで止まる事なく魔王軍は都市内に侵入して行く。


 レンスが自身の陣地に戻ると、突撃準備が完了した部隊が待っていた。



「今回は最短で領主の館を目指す。それ以外は友軍に任せろ。では行くぞ!」


 黒龍旅団の内僅か500名だけを率いて突撃する。



 既に他の部隊が都市内に突撃して暴れて居る。



 因みにどうやって門を開けたのか?それは簡単である。


 内部に姿形を完璧に模倣する事が出来る、ドッペルゲンガーと言う幻魔と言う魔族の種族の一つで、その数は少なく幻の種族と言われている。


 実際は殆どが元の姿では無く、何かしらに化けて居るので気付かないだけである。


 模倣するのも姿形だけでは無く、少し劣化するが化けて相手の力も真似する事が出来るのである。


 なので見つけるのは非常に困難を極めるのである。


 そんなドッペルゲンガーを見つけたのは偶然である。


 レンスは何となく差異を感じるのだが、他の者に聞いたがわからない。と言われた。


 まあ、便利なので別に良いか。



 都市内では至る所で戦闘が起きている。


 一応師団長であるヴェネラの命令で、戦闘に参加していない一般市民への手出しは厳禁である。



 外門の開門は上手くいったが、中にある門は警備が厳しくて、流石のドッペルゲンガーでも手出しが出来ない状況であった。



 なので、壁の上から縄梯子を各所に吊るして貰った。




 そこから侵入して行く。


 見つかり次第縄梯子は撤去されるが、何箇所から侵入は既に成功した。



「グリット!部下を30名程残してこの場所を確保させろ」


「わかった!」


 グリットが手早く30名を選んでこの場所を守らせる。


「よし!行くぞ!」


 残りで領主の場所目指して突き進む。


 途中出くわす敵兵を鉾で薙ぎ払う。


「此処から先へは一歩もとう───」と何かを言おうとした騎士を一刀両断する。



「貴様ぁ!騎士の名乗りの途中で邪魔をするとは!騎士道の風上にもおけん!」


「生憎と此方は騎士では無いのでな!」


 そう言い他の騎士からの袈裟斬りの攻撃を交わして、すれ違いざまに鉾を一閃させる。


 そうして並み居る騎士たちを蹴散らしながら領主の館に到着する。


「グリット!お前は半分を率いて裏門から中へ突入しろ!俺は正門から行く!領主だけは逃すなよ!」


「了解!そっちも気を付けてな!」



 二手に分かれて領主の館へ突入する。



 立ちはだかる敵を出来る限り殺傷せずに、気絶に留めて領主の館内を探索する。



 そして一際立派な扉を発見して中へ入る。



 其処には男装した姿の女性が居た。


 動きやすい様にズボンに着替えて、軽鎧を着込み剣を手に持ち侍女を庇うように、前に出て構えて居る。



「貴殿がこの都市の領主殿とお見受けするが?」



 レンスの問いに男装の貴婦人が答える。



「如何にも!私がこのルトラードの領主であるアイリーン・フォン・ルトラードである!」



「私は黒龍旅団旅団長のレンス・ドラゴルンである。大人しく降伏なされよ」



「ほう、貴殿が噂に名高い黒龍将軍であるか。しかし領民や騎士が未だに戦っているのに!私一人だけが先に降伏する訳には行かない!レンス殿!貴殿との一騎打ちを望む!私が負ければ皆に武器を下ろさせよう。ただし私が勝てば即時撤退してもらう!」



「団長。どうしますか?」


 部下の問いかけには色々な意味がある。


 このままアイリーンを人数に任せて捕らえる。


 誘いに乗る。


 師団長に相談する。


 などなどの意味が含まれている。


「アイリーン殿。その一騎打ち受けよう」



「感謝する」


 部下に離れるように指示を出して、剣を構える。


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