屋台から保健室にて ~とんでもない勘違い~
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「はぁ、はぁ、すみません……お待たせしました。」
僕は藍さんの元に全速力で向かった為、息絶え絶えになりながら藍さんに声を掛けた。
「……随分と楽しそうだったな……創君」
僕に気付いてそう声を掛けてきた藍さんは、周りに人がいなかったせいか普段の口調に戻っていた。
「その格好でその言葉遣いって、物凄い違和感何ですけど……」
ようやく息が整ってきた僕は藍さんに視線を移し、苦笑いをしながらそう言った。
「流石に疲れてきてな……保健室に戻ろう。あそこなら誰も来ないだろう」
藍さんはそう言うと、踵を返し保健室へ向かい歩き始めたので、僕は慌てて着いていった。
―――数十分後―――
―――「ガチャ」―――
「はぁーとんでもなく疲れたぞ……二度とこんな事はしないからな……」
藍さんは保健室へ入ると扉の鍵を閉めてから、大きな溜息を吐いてソファーへと倒れ込んだ。
その後、おもむろに制服を脱ぎ始めたので、僕は慌てて視線を逸らした。
「ちょ……藍さん。流石に見えない所で着替えて下さいよ……」
僕は藍さんの着替えを見ないように視線を逸らしてはいたが、やはり気になってしまい、指の隙間からチラチラ見てしまっていた。
「んーどうした創君? 言葉ではそう言っているが随分と気になっているようじゃないか? ほれほれー」
藍さんは僕がチラチラと見ていた事に気が付いていたようで、わざと僕の方に近付いてきて見せびらかすようにワイシャツをパタパタとした。
「……藍さん……それ以上やったら僕、我慢出来る自信がありませんよ?」
僕は敢えて挑発するように、近付いてきていた藍さんの耳元で囁くようにそう言った。
「……!?」
僕の言葉を聞いて藍さんは一瞬で顔を真っ赤にして、僕から隠れるようにカーテンの裏へと逃げていった。
「えへへ……今度はかくれんぼですかー? それとも鬼ごっこですかー?」
僕は口元に笑みを浮かべながら、藍さんが隠れているカーテンの直ぐ側まで歩いていった。
「……優しくして、下さい……」
藍さんは何を勘違いしたのか、カーテンの先にあるベッドに横たわってそう言ってきたようで、ベッドの軋む音が聞こえた。幸いまだ、カーテンを開けてはいなかった僕は慌てて後退った。
「い、いや、そういうつもりで言った訳じゃ……あーもう、良いから早くいつもの服に着替えて下さい!!」
藍さんも恐らく顔を真っ赤にしていると思うが、同じくらい僕も顔を真っ赤にしながらそう言った。
それから数分後、いつもの服に着替えた藍さんが恐る恐るカーテンを開け出て来たようだったが、その姿をしばらくの間、僕は見る事が出来なかった。




