遊園地にて ~告白の返事~
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「って、言う事があったんですよ。それでこれって訳です」
僕はそう言いながら、ネックレスの入った入れ物を開け中身を取り出すと藍さんの首に掛けた。
「なるほどな、良いセンスをしてるじゃないか、創君」
藍さんは首に下がったネックレスを持ち上げて見ると、満足そうな表情をしている。
「その花の名前、藍さんは知っていますか?」
僕は藍さんに褒められたのが嬉しくって、少しだけ誇らしげにそう訊いた。
「あぁ、『タチバナ』だろ?」
藍さんはさも当たり前のように、悩む様子も無くそう答えた。
「……正解です。折角自慢しようと思ったのに、どうして知ってるかなぁ……」
僕は即答で答えられてしまい、一瞬頬を膨らませた後、がっくしと肩を落とした。
「まぁ、そんなに落ち込むなよ創君。それに『タチバナ』は私の名字何だから知っていてもおかしくは無いだろう?」
そんな様子の僕を、藍さんはなだめるように肩に手を乗せてきた。
「店員さんも珍しいって言っていたし、オーダーメイドの様なものだって言ってたから、何か嘘を疲れた気分です」
藍さんに肩をさすられても尚、肩を落としたままで僕はそう言った。
「ちょっと、待て。珍しいってのはまぁ、構わないが……オーダーメイドの様なとはどういう事だ? それでは学生には相当高い買い物だっただろう?」
藍さんは『オーダーメイド』という言葉に反応して、少し怪訝な表情を浮かべた。
「大した金額では無いのでそれは気にしないで下さい。それだけ藍さんの事を大切に想っているって事ですから……それで、僕の一世一代の告白の返事は聞かせて貰えますか?」
僕は少し怪訝な表情を浮かべたままの藍さんに、恐る恐るそう尋ねた。
「……あっ、あぁ、そう、だったな……えっと、そのだな……」
藍さんはまるで、忘れていたかのように瞬く間に慌てた様子を見せた後、言葉を探しているのか、はっきりとしない口調でそう言ってきた。
「あれっ? もしかして困らせてしまいましたか? 今までのは僕の勘違いだった感じですか?」
藍さんの様子を見て僕は断る言葉を探しているように見えて、慌てた様子でそう言った。
「そっそれは、断じて違う。えっと、あーもう、私も創君が好きだ、愛しているんだ」
藍さんは僕が目の端に涙を浮かべている様子を見て、慌てた様子でそう言ってきた。
「凄く嬉しいんですけど……それ返事になってないですよ?」
僕は目の端に浮かべていた涙を手で拭い取り、少しだけ上目遣いに近い形で藍さんの顔を見上げながらそう言った。
「うっ……わっ私と、付き合って、下さい……」
一瞬だけ藍さんはたじろいだ後、伏し目がちにそう言ってきた。今になって思い出すと、僕が見た中でその時が一番頬を赤く染めていたと思う。




