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スノードロップ  作者: 白城縁
高校三年生 秋
77/372

回想 ショッピングモールにて ~変わりゆく僕~

//////////


―――日付は丁度一週間前まで遡る―――


僕は休日に珍しくショッピングモールに一人で出掛けていた。特に何か予定があって向かった訳ではなく。ただなんとなく足を運んでいただけだった。

そんな風に何も考えず、ショッピングモールを歩いていると、以前なら気が付く事もなかったであろう。アクセサリーショップが目に留まった。

「アクセサリーか……うーん。あっ、そうだ。折角休みの日にこんな所まで来たんだ。藍さんに何か買ってプレゼントしよう」

僕はアクセサリーショップの前に立ち止まりしばらくの間悩んだ末、折角なので入ってみる事に決めた。

「いらっしゃいませー」

何となくで中に入った事を直ぐさま後悔してしまうくらい、店内は女性の客ばかりだった。

「あっああ……」

僕はその状況を飲み込めず、ただただ慌てていた。

「あのーお客様? 何かプレゼントでもお探しですか?」

そんな僕を見かねてか、一人の女性店員さんが声を掛けてきた。

「すっすみません。」

この状況をどうやって乗り切ろうか頭の中でぐるぐると考えを巡らせていたので、反射的に謝ってしまった。

「……こちらこそ申し訳ありません。何かお困りかと思いお声掛けをさせて頂いたんですが、ご迷惑でしたか?」

僕に親切心から声を掛けてきてくれた店員さんに対して、申し訳なくなってしまい、僕はもう一度頭を下げた。

「ただ僕の大切な人に贈り物をしたくて、何か良いものはないかと思って、興味本位で入ってきただけなんですけど……」

僕はここに入ってきた目的を、今度はちゃんと店員さんに伝えた。

「それはもしかして彼女さんですか?」

店員さんは先程の事務的な笑顔ではなく、気持ちの乗った笑顔を僕に向けながらそう言ってきた。

「うーん。そうですね、多分他の人から見たら姉弟みたいな感じかも知れないですけど……」

僕はそう言いながら、普段藍さんといる状況を他の人が見たら、仲の良い姉弟にしか見えないんだろう何て事を、今更ながら思った。

「でも、良いですね? そんなに大切に想う事の出来る人がいるなんて……その人が羨ましいです」

店員さんは本当に羨ましそうに、僕の事を見ながらでも何処か遠い目をしている。

「そんな事無くはないですけど……店員さんだって可愛いんですから、そんな人がいつか現れますよ。もしかしたらもう既に意中の人がいたりして……」

僕の可愛いという言葉に店員さんは驚いた表情をした後、少しだけ頬を赤く染めていた。そんなやり取りをしながら僕は心の中で自分自身の行動に驚きを隠せないでいた。

少なくとも数ヶ月前の僕だったら、見ず知らずの人とこんなに楽しく会話なんて出来無かっただろう。そもそも恐らくこんなアクセサリーショップに入るなんて事も考えもしなかったと思う。やはりハウが言うように僕は少しずつ変わって来ているのかも知れない。

 そんな変わって来た自分自身に少しだけ違和感を覚えながら、僕はしばらくの間、店員さんとの何気ない会話を楽しんでいた。

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