遊園地にて 〜『親友』の大切さ~
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僕は藍さんの手を引っ張ったまま目的地へ一直線に突き進んでいた。空は既に真っ暗になっていて、辺りにいる人達もつい数時間前までは親子連れが多かったが今は、沢山のカップルが至る所で見受けられた。
「うわー夜になると、また違った空気感がありますね。夜の遊園地なんて初めてですけど。こんなに綺麗だったんですねー」
僕は一直線に目的地へ向かいながらも辺りを見回しながら進んでいたので、人の変化とキラキラとしたアトラクションの数々に驚きを隠せないでいた。
「ハウも中々いい所を提案してくれたなーハウもたまには役に立つんだなー。何かお礼にお土産を買って行ってあげないと……それとデートの提案をしてくれた不知火先生にも」
僕は立ち止まり、もう一度しっかりと辺りを見回しながらそう言った。見回している中でお土産屋さんのような建物を見つけたので後で行ってみようと心の中でそんな事を考えていた。
「仮にも『親友』である人に対してそんな風に言わない方が良いぞ? いつ何が起こるかなんてわからないんだからな……」
いつの間にか回復していたようで、藍さんは僕の言葉に反応してそう言ってきた。その言葉にはかなりの重みがあった。
「確かにそうですね。今度しっかりとお礼を言っておきます。っとそれよりも、あれっ? もう復活しちゃったんですかー何か凄く残念ですね……もう少しそのままの藍さんでいて欲しかったんですけど。もう一回『伝家の宝刀』使っちゃおうかな?」
僕は納得したようにそう言うと藍さんの方に視線を向け、大げさにしゃがみ込みながら体勢を整えた。
「ちょっ、頼むから勘弁してくれ……ようやく平常心に戻った所なんだから。あんなの何度も繰り返されたら私の心臓が持たない」
藍さんは慌てたようにそう言いながら、僕の行動を止めに入った。
「ちぇー、つまんなーい。まぁ、確かにあまりにも必殺技を多用していては効果も薄くなってしまいますからね。そんな事を考えて止めてくれるなんて。何て藍さんは優しんだろう……」
僕は勝手に考えを深読みしながら、大喜びしていた。
「……これは、私のミスなのか? でもこれ以上はあんな事をされては、私も創君の事を襲ってしまいそうだし……間違ってはいないはずだ」
藍さんは少し驚いた表情をした後、自分の言った事が間違いでは無いと確信したように、仕切りに頷いていた。
「さてさて、目的地は直ぐそこですよ? 急ぎましょう」
藍さんの言葉に少しだけ魅力を感じたが、今は我慢して今日乗る最後のアトラクションに決めた『観覧車』へと向かった。




