遊園地にて 〜ジェットコースターはやっぱり無理だった〜
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まだ頬を赤く染めている藍さんを引っ張るように、僕は手を繋いだまま、少しだけ駆け足で遊園地の入場ゲートをくぐった。
やはりと言うべきか外から見えた景色とは全く違い、中へ入ると色鮮やかなアトラクションの数々が僕たちを出迎えた。
「うわぁーこれはどれから乗るか凄く悩みますねーどうしましょうか?」
僕は明らかに先程よりもテンションが上がり、少しそわそわしながら藍さんにそう言った。
「……確かに、これは凄いな……遊園地何て子供の来る場所と思っていたが、勧められて来てこれは良かったかも知れないな……」
藍さんは僕と同じように、先程よりも更に明るい表情をしていた。
「さぁ、まずはあれに乗ってみましょうか?」
僕は取り敢えず一番最初に目についたジェットコースターを指差した。
「……いきなりジェットコースターか。別に問題は無いが創君は大丈夫なのか? まだ本調子ではないのだろう。それならあっちの方が良いんじゃないか?」
藍さんはそう言うとその隣にあったメリーゴーラウンドを指差した。
「むー藍さんも僕の事を子供扱いするんですか? ……確かに楽しそうですけど。ごくりっ……でっでも、今日は我慢です。ジェットコースターに乗るんですから……」
僕は一瞬だけ頬を膨らませた後、メリーゴーラウンドの方を見ながら、生唾を飲み込んだ。その後その気持ちを振り払うように大げさに頭を振り、藍さんの手を引っ張ってジェットコースターへ向かった。
―――数十分後―――
休日ではあったのだが、思ったよりも早く順番が回ってきた。僕たちは係員から指示された席に着くと。
「本当に良かったのか? メリーゴーラウンドじゃなくて」
藍さんは念の為といったように、度々僕にそう訊いてきた。
「うーうー」
僕は駄々をこねる子供のように、その都度うなって返していたからか、しばらくの間このやり取りが続いていた。
「それでは、いってらっしゃいませー」
係員のその声でジェットコースターはゆっくりと動き出した。あっという間にトップスピードまで速度が上がり、そのスピードを維持しながら垂直に落下するように進んでいった。
「ぎゃぁぁぁー」
「はははっ」
僕たちはそれぞれ別の反応をしながらジェットコースターを楽しんでいた。ジェットコースターに乗った間も僕たちは手を繋いだままだった。
五分に満たない時間だったのだろうが、僕にとってはその何倍いや、何十倍にも思えた。
「お疲れさまでしたーこちらの方から順に降りて下さーい」
ゆっくりとスピードは落ちていき、そして元の出発した地点に戻った時に先程の係員の声が聞こえてきた。
「……ぜぇぜぇ。やっと終わった。何これ、こんなの全然面白く無いじゃん。こんなのに乗るなんてどうかしてるんじゃないの……」
係員の聞こえた事で終わった事にようやく気が付いた僕は、息絶え絶えにそう言った。
「……大丈夫か、創君。やっぱり創君、絶叫系はダメだったんだな……そんな無理をしなくても良かっただろうに……」
藍さんは少し呆れたように僕にそう言ってきた。
「……まさか、こんなにやばいとは思って無かっただけ、です……」
僕は少し目元に涙を浮かべながらそう言った。
「もう、仕方ない奴だな。では次は私の乗りたいアトラクションに付き合ってくれ」
藍さんは軽く僕の頭を撫でながらそう言うと、僕の手を引いて歩き始めた。




