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スノードロップ  作者: 白城縁
高校三年生 秋
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藍さんの車にて 〜続。思いがけない提案〜

『それはだな……』

「ごくっ……」

『遊園地だ』

「へっ?」

 僕は生唾を飲み込みながらハウの言葉を待っていたが、あまりにも予想外の場所を提案されたので、驚いたというよりはポカンとした表情をしながらそう言った。

『初めてのデートだったら王道は『遊園地』だと思うぞ? 確かにその後は『動物園』や『水族館』何かも悪くは無いと思うが、一番のおすすめは『遊園地』だな』

 ハウは色んな事を考えてくれていたようで、二度目以降のデートの場所まで提案してくれた。

「そっか、分かった。何か毎回無理言ってごめんね? いつもありがとう」

 僕は毎回親身になって相談に乗ってくれるハウに、電話越しではあったがそう口にした。

『……創、熱でもあるのか? 珍しいな俺に礼を言ってくるなんて……』

 しばし無言の時間が続いた後、ハウは少し驚いた声色でそう言ってきた。

「……? 確かにまだ少し熱があると思うけど……実際さっきまで病院に行ってたし、何かおかしな事言った?」

 僕はハウが驚いている理由が全く分からなかったのでそう返した。

『そういう意味で言った訳では無いんだけど。まぁ、良くも悪くも少しずつ創も変わってきたって事なのかな? 何かその変わった理由ってのが俺じゃないって事だけは、少し寂しい気がするけど……』

 電話の向こう側のハウの声色は、少しだけ寂しさを感じさせた。

「うん? まぁ、良く分からないけど取り敢えずありがとね。また連絡する」

『おう、分かった』

 僕は首を傾げながら電話を切った。

「それで、何だって『ハウ』君とやらは」

 ハウとの電話が終わった直後、ようやく窓の外から僕の方に視線を戻して藍さんは僕にそう訊いてきた。

「すみませんお待たせしました。それと携帯ありがとうございました。それでハウに訊いた結果なんですけど……『遊園地』に行く事が王道? らしいです」

 僕は藍さんを待たせた事に対し軽く謝った後、携帯を返しながらそう言った。

「『遊園地』だと? この年でか? うーん。でも確かに魅力的な提案だ……」

 藍さんは驚いている様子だったが、案外満更でもなさそうだった。

「じゃぁ、折角ですし遊園地に行きますか? 今から行けばある程度は楽しむ事が出来ると思いますし……それに僕も遊園地なんて行ったのなんて子供の頃の話ですし。藍さんと一緒に行けるなら何だか楽しそうです」

 僕自身も遊園地に行く事は、一人ならそんな気は起きなかっただろうが、藍さんと一緒なら凄く楽しめそうな気がしたので藍さんにそう言った。

「……創君はまだ、十分子供だろう? それよりも創君が行きたいなら仕方無い。遊園地とやらに行くとするか?」

 藍さんは呆れながら、『仕方無い』という部分を強調してそう言ってきた。

「うーん? 『仕方無い』っていうなら別の所にします? 折角の初デートなんですから藍さんも行きたい所が良いです」

 藍さんが遊園地に行きたい事はその表情や行動を見ていれば、予想はついていたが敢えて意地悪をするようにそう言った。

「うっ、創君分かってて言っているだろう? 意地悪な子は嫌いだぞ?」

 藍さんはそんな事を言われると思っていなかったのか、少しだけ悲しそうな表情をした後、普段よりも柔らかい口調でそう言ってきた。

「あーもう、可愛いんだから……藍さんは……んっ。行きましょう? 遊園地」

 僕は藍さんのその口調と仕草に我慢が出来なくなり、車の中だというのに抱き着きながら軽くキスをしてそう言った。

「もう、仕方のない奴だな。創君は……それじゃあ行こうか?」

 藍さんは僕に笑い掛けた後、そう言うと遊園地へ向かう為、エンジンを掛けて車を発進させた。

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