病院にて 〜周りの反応〜
「会話に混ぜて貰おうと思ったが残念ながら、もうこんな時間だ。そろそろお開きにしようか……」
不知火先生は時計をちらりと見た後、僕たちの方に視線を向け、呆れながらそう言ってきた。
「あ、あぁ、すまない響華」
「すみません。不知火先生」
僕たちはほぼ同時に謝罪の言葉を口にして、二人して頭を下げた。
「はぁ、まぁ仲が良いのは悪い事では無いんだが……その調子で所構わずいちゃついていたら、必ず学校で問題になるから、気を付けろよ?」
不知火先生は溜息を吐きながら僕たちにそう言ってきた。
「すみません。約束出来そうにありません」
僕は間髪入れずに不知火先生にそう返した。
「おいおい……何かあって困るのは創君では無く、藍の方なんだから……」
僕が間髪入れずにそう返した事に対し、驚きながらも少し呆れてそう言ってきた。
「むっ、そっそれはどうしましょう?」
僕は藍さんに迷惑は掛けたく無かったけど、一緒に居たいのも確かだったので、どうしたら良いか分からなくなり、パタパタと慌てていた。
「毎日、家に来る事は許してやるから、それで何とか我慢してくれ、創君。学校では用事が無い限り極力関わらない方が良いだろう。少なからず良く思わない連中がいるだろうからな……」
藍さんは僕がパタパタと慌てている様子を見て、呆れながらも少し寂しそうな表情をしていたのは、僕と同じ気持ちをしているからなのかも知れない。そう思っただけでも少しだけ気持ちが軽くなった気がした。
「分かりました……仕方ありませんね。僕の我儘で藍さんに迷惑を掛けたくないですし。でも、一つだけお願い良いですか?」
僕は渋々といった表情でそう言った後、藍さんに問い掛けた。
「ん? 何だ?」
僕の問い掛けに反応するように、藍さんは再度僕の方に視線を向けた。
「文化祭の日だけは一緒に居てくれませんか?」
今まで何だかんだあって伝える事が出来なかった事を、ようやく藍さんに伝える事が出来た。
「うーん。私も一緒に居たいのはやまやま何だが……」
藍さんは凄く悩んでいるようで、普段のはっきりとした口調では無く、もごもごとした口調でそう言ってきた。
「良いんじゃないか? 文化祭の日くらい。人も沢山来るんだろう? 念の為藍には変装でもして貰えば、気付く人間はそういないだろう」
僕たちの会話をしばらく黙って聞いていた不知火先生は、悩んでいた藍さんに向かって背中を押すようにそう言った。
「なっ、私に変装して学校に行けだと?」
思ってもいない事を言われたようで、藍さんは驚きを隠せないようだった。




