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スノードロップ  作者: 白城縁
高校三年生 秋
61/372

病院にて 〜過ちは繰り返される〜

//////////


 そんな微笑ましい光景になっていた診察室は、いつの間にかお茶会の会場になっていた。

「んで、創君。藍とはどうだい?」

 しばらく蚊帳の外にいた僕は何も考えず、ほぼ無心でその光景を眺めてゆっくりとお茶を楽しんでいたのに、急に不知火先生から話し掛けられて少し慌ててしまった。その拍子に危うくお茶をこぼしてしまうところだった。

「い、いやどうと言われましても……」

 特にやましい事があって慌てた訳では無かったのだが、僕のその反応に何か勘違いをしたようでニヤニヤとした表情をしている。

「ほほぉーなるほど、なるほど。やるなぁ、創君も隅には置けんのう」

 年寄りみたいな口調で不知火先生は僕にそう言ってきた。僕は何の事かさっぱり分からず、首を傾げながら藍さんに視線を向けた。

「……な、何を言っているかは、私に訊かれても。わ、分からないからな……」

 何故か僕が藍さんに視線を向けると、頬を赤くして僕から視線を逸らした。僕はその行動の意図が良く分からなかったが、前にも一度こんな反応を見せた事を思い出し、やっぱり藍さんは可愛い人だなと思った。

 僕はまるでその可愛さに吸い込まれるように、藍さんに近づきそのままキスをした。

「んっ!?」

 藍さんは一瞬何が起こったのか分からず、かなり驚いていたようだったが、僕がそのままキスを続けると抵抗はせず、されるがままだった。

「ぷはぁー。藍さん可愛すぎます。どうして普段からその口調で話してくれないんですか? でも普段からその口調で話されたら、我慢出来ずいつも襲ってしまいそうですけど……」

 長い長いキスが終わると、そのまま藍さんに抱き着き耳元で囁くようにそう言った。

「そっそれは……こんな口調では先生としての威厳が……」

 本当にそれだけの理由では無いような気がしたが、取り敢えず今は何も訊く事はしなかった。

「そうですか……それは残念です。僕的にはどんな口調で話そうが藍さんは藍さんですから。何も気にする事は無いと思うんですけどね……」

 僕は少しだけ残念そうな表情をしてそう言った。

「ごほん、さていい加減、私も話に混ぜて貰っても良いか? 流石に直視は出来ない状況なんだが……」

 不知火先生は物凄く気まずそうにそう声を掛けて来た。

「あっ」

「あっ」

 僕と藍さんはここが病院の診察室で、しかも不知火先生がいた事を今更思い出し、二人してお互い顔を赤くした。

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