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スノードロップ  作者: 白城縁
高校三年生 秋
56/372

藍さんの家にて 〜藍さんは僕に嘘を吐かない〜

//////////


 一つ一つ丁寧に教えていった事で何とか、この事態を収拾する事が出来た。てっきり僕の言う事に、一々反抗してくるかと思っていたので僕は少し拍子抜けした。

「思っていたよりも、今日の藍さんは素直ですね。ちょっと吃驚です……」

 あまりにも素直に僕の言う事を聞いていた藍さんを、僕はちょっと気持ちが悪く感じたのでそう言った。

「何だ? 創君は私に喧嘩を売っているのか? 人に教わっている時くらい私だって素直に聞くさ」

 何処か自慢げに、藍さんは少し胸を張りながらそう言ってきた。

「……。あれっ? そうでしたっけ。僕の記憶違いでしょうか?」

 僕は今までの事を思い返しながら、そんな事は一切無かったような気がするのでそう返した。

「そうだ。私がそうだと言えばそうなんだよ」

 藍さんは更に自信満々にそう言ってきた。

「……まぁ、藍さんがそう言うならそうなんですよね? だって藍さんが僕に嘘なんて吐く訳無いですもんね?」

 僕は藍さんの言った言葉を肯定しながらも、まるで挑発するかのようにそう言った。

「……そう、だ。うん。そうだな。創君には嘘は吐かないよ……」

 先程の自身は一体何処に行ったのか、うつむき言い辛そうに藍さんはそう言ってきた。

「ははっ、まぁ、そんな藍さんが僕は好きになったんですけどね」

 藍さんの様子を微笑みながら、僕は見ていた。

「はぁ……どうしてかな。創君には敵わない気がするよ……」

 藍さんは一つ溜息を吐いた後、少し残念そうにそう言ってきた。

「そうですよー僕には誰も敵いません。例え年上の藍さんだとしても、です」

 僕は先程藍さんがしたように胸を張り、自信満々な表情をしてそう返した。

「どうしてかな……こんなやりとりすら楽しく思えるようになったのは……私は本当に幸せになっても良いのだろうか……」

 藍さんは少し暗い表情をしながら、そう言ってきた。恐らく莱霧さんの事が頭に浮かんでいるのだろう。

「……僕は藍さんの事、大好きです……この事実は何があっても変わらないです。だから安心して下さい。それに、僕が莱霧さんの立場だったら、昔の藍さんよりも今の藍さんでいる方がよっぽど嬉しいと思います。だから……」

 僕はそう言いながら藍さんにそっと抱き着いた。

「熱のせいか随分と恥ずかしいセリフを言っているんじゃないか? でも……ありがとう、創君。少し心が軽くなった気がするよ」

 藍さんは僕を茶化すようにそう言った後、僕の事をそっと抱きしめ返してくれた。

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