藍さんの家にて 〜ずっと聞きたかった言葉〜
「んっ!?」
押し倒した拍子に藍さんの唇と僕の唇が、一瞬だけ触れ合った。僕は慌てて何とか体勢を整えると、藍さんは僕に押し倒されたままの姿で直ぐ目の前で頬を赤く染めていた。
風邪をひいていて頭がぼーっとしていた事もあり、その姿を見て僕の理性は吹き飛んでしまった。
「藍……さん。キス……しても良いですか? いや、キスしますね?」
僕はそう言うと藍さんにそのまま覆い被さるように顔を近づけた。
「ちょ、待って……創……く……んっんんっ」
藍さんは僕を無理やり引き剥がそうとはせず、僕にされるがままだった。
「んっ……ぷはっ……藍……さん。藍さん……」
僕は何度も藍さんにキスをしながら、藍さんの名前を繰り返し口にした。
しばらくキスを続けた後、どちらからという訳でもなくお互い名残惜しそうに、ゆっくりと離れた。
「もう……創君がここまで大胆な奴だとは知らなかったよ。私……初めてだったのに……」
藍さんは少し呆れた表情をして、平静さを装っていたようだったが口調も普段と少し違っていたし、何より頬を赤く染めていた。
「……すみません。藍さん、我慢出来ませんでした……嫌、でした?」
無理やり藍さんに襲い掛かった形になってしまったのは事実だったので、僕は少し慌てて謝った。
「いや、良いよ。嫌だったらそもそも家に上げる事は無かっただろうし、叩いたりしてでも拒否するよ……創君は私の性格をよく知っているだろう?」
藍さんは優しく僕に微笑み掛けながらそう言ってきた。
「そう……ですね。ありがとう、ございます。大好きです……藍、さん……」
僕はそう言うと興奮してはしゃぎ過ぎてしまって疲れたのか、そのまま藍さんに体重を預けた。
「私も、大好きだよ……創君……」
ずっと聞きたかった言葉を聞けた僕は満足したかのように、藍さんの温もりを傍で感じながらまどろみに身を委ねた。




