藍さんの家にて 〜まるで『医者』みたい〜
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「は……く……はじ……くん。創君。起きてくれ……」
近くから僕の大好きな人の声が聞こえてきて、僕はゆっくりと瞼を開けた。
「藍……さん?」
物凄く重たい体を少しだけ起こそうとしながら、目の前にいると思われる僕の大好きな人に声を掛けた。
「大丈夫か? 酷くうなされていたようだったが……」
徐々に視界がはっきりとしてきた僕は、目の前にいた人がようやく藍さんである事を確認できた。
「……確かに何か夢を見ていた気がしますけど……うっ、頭が」
僕は確かに何か良くない夢を見ていた気がしたが、全く思い出せなかった。何故か思い出そうとすると酷い頭痛がしたのが、どうしようも無いくらい気になった。
「大丈夫か? 何、ただの夢さ。別に現実に起こる事じゃない、夢は寝ている間に記憶を整理する為に必要なプロセスなだけだ。そんなに心配するような事は無いよ」
実に医者らしい事を自慢げに藍さんは語って来た。
「あはは……藍さん何だか、医者みたいですね?」
僕は力なく笑った後、藍さんをからかうようにそう言った。
「『みたい』じゃなくてれっきとした医者だと言っているだろう。はぁ、全く少しは私を敬ってくれ。眠っているキミをここまで連れて来てやったんだからな」
藍さんは心配したような表情を浮かべながらも、冗談を交えながら僕にそう言ってきた。
「あっそうか、僕は……すみません藍さん。迷惑を掛けてしまったようで……」
色々と思い出した僕は、迷惑を掛けてしまった事を素直に謝った。
「ふっ、気にするな私が好きでやった事だ。創君が気に病むことは無いさ」
藍さんは普段ならあまり見せない穏やかな表情でそう言ってきた。そう見えたのは僕が風邪をひいていて頭がぼーっとしていたからだろうか?
「さぁ、ゆっくりと体を起こして……診てやるから上着を脱がせてやる」
藍さんはそう言うと、僕の服を脱がそうと近づいて来た。
僕は咄嗟の出来事で、恥ずかしくなってしまい、慌てて藍さんを避けようとした。その際、体調も相まってかバランスを崩してしまい藍さんを押し倒す形になってしまった。




