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スノードロップ  作者: 白城縁
高校三年生 秋
47/372

カラオケボックスにて 〜今日の気分はロックンローラー〜

//////////


 あっという間に半月が経ち、僕はハウと一緒に毎度の如くカラオケボックスに足を運んでいた。

「うーあーうー」

 あの後毎日のように響華に連絡するなといった内容のメールが、まるで呪いのように一日に何通も送られて来ていたので、僕は不用意に不知火先生に連絡を取ることが出来ないでいた。

「あーもう。藍さんの事が知りたい。藍さんの事が知りたーい」

 僕が駄々をこねる子供のように喚いていたのを、ハウは苦笑いして見ているしかないようだった。

「なぁ、創。別にその事に関してはどうこう言うつもりは無いが、マイクを使って叫ぶのだけはやめてくれ。周りの客にも迷惑だ」

 しばらく傍観を続けていたハウは流石に痺れを切らしたのか、僕にそう言ってきた。

「うー何だ? やんのか?」

 僕は頬を膨らませながら、まるで悪役のような口調でハウにそう返した。

「はぁー創。それ全く脅しになってねーし。それに創にはその口調似合わねぇよ」

 ハウは一つ溜息を吐いた後、呆れたようにそう言ってきた。

「む……まぁ、それもそっか。でも、藍さんには困ったものだよ。そんなに昔の事を知られるの嫌なのかな?」

 僕は少しむくれた後、考えを改め別の事を考え始めた。

「んー。でも誰にだって、知られたくない過去の一つや二つあるんじゃないか? 創だってあるだろう?」

 ハウは少しだけ考える素振りをしながら、僕にそう言ってきた。

「はっ、もしかして藍さん僕の事、嫌いになったんじゃ? どーしよー? どーしよーハウー」

 僕はふと、藍さんに嫌われてしまったのではないかと思ってしまい、泣きながらハウにしがみついた。

「だーもう。くっつくなって、暑苦しい。そうやって何事もマイナスに考えるのは創の悪い癖だぜ?」

 しがみついた僕を振り払いながら、ハウは僕にそう言ってきた。

「でもーでもー」

 僕はまだ納得がいかなくて、うじうじとしていた。

「今月は文化祭もあるんだし、折角だから橘先生を誘ってみれば良いだろう。そうすればそんな考えも吹き飛ぶだぜ?」

 ハウはまるでたった今思いついたかのように手を一つ叩いた後、僕に向かってそう提案してきた。

「ハウにしてはそれは良いアイディアだね。そうだね。うん。誘ってみるよ!」

 僕はハウの提案にあっさりと乗り、少し機嫌を良くしてそう答えた。

 その後、僕らは毎度の如く『恋愛曲縛り』を……とはいかず、珍しく『ロック系』の曲ばかりを歌って休日を過ごしていた。

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