藍さんの家にて 〜僕の想い、藍さんの想い〜
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「ふぅ少し疲れた。他の誰かにこの話をしたのは初めてだったからね……話がまとまっていなかったらすまない」
藍さんは今まで自分一人で抱えて来たものを吐き出せて、少しだけ気持ちがゆっくりとしているようだった。
「そう、だったんですね……藍さん。僕の勝手な感情で、あの日から逢うのを避けていて、ごめんなさい……」
藍さんの話を聞いて、目の端に涙を浮かべながら僕はしきりに頭を下げていた。
「……私の方こそすまない。もう少し早く話していれば、創君にこんな思いをさせなくて済んだかも知れないのに」
藍さんも申し訳無さそうな表情をしている。
「そんな事無いですよ……藍さんの話を聞いて、今言う事では無いと思いますけど。やっぱり僕。藍さんの事好きです。大好きなんです」
僕の為にここまで考えてくれていた藍さんが、とても愛おしく、感情が抑えきれなかった。
「……私なんかで良いのか? 創君とは十歳以上も歳が離れているし、創君を通して莱霧の事を見てしまうかも知れない」
藍さんは少し驚いた表情をした後、悲しそうな表情に変わりながらそう言ってきた。
「良いです。良いんですよ。僕、莱霧さんの事を忘れて下さいとは言いません。年齢も関係ありません。たとえ『僕』を愛してくれなくても、『僕』を見ていないとしても。僕はそれでも構いません……ただ貴女の傍に居させてください」
僕は藍さんの傍に行き、そっと抱きしめ涙を流しながらそう伝えた。
「本当、変わった奴だよ。創は……」
藍さんも同じように、そっと僕を抱きしめながらそう言ってきた。
その後僕たちは言葉を交わす事無く、それからしばらくの間二人で抱き合っていた。




