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スノードロップ  作者: 白城縁
高校三年生 秋
35/372

藍さんの家にて 〜まるでお正月のおせち料理〜

//////////


 藍さんの家に着いてから直ぐに、僕はキッチンへと向かい食材の下ごしらえを始めた。まるでお正月に食べるような所狭しと並べられた食材を、一つ一つテキパキと処理をしていった。

「うわぁーこんなの捌いた事ないよーうわぁーこれもだぁー」

 僕は無邪気な子供のような表情で、一喜一憂しながら調理を進めた。

「相変わらず手際が良いな、もう殆ど下ごしらえまで終わっているじゃないか……」

 僕が一喜一憂しながら料理を続けていると、藍さんから声を掛けられた。

「えーそうですかー? でも、言われてみると普段使わないような食材ばかりなので、少し張り切ってしまったかも知れないです……」

 僕自身、多少どころか一ヵ月振りに藍さんに料理を作る事もあり、普段の数倍テンションが上がっていたようだった。

「まぁ、楽しそうで何よりだ。ただ、はしゃぎ過ぎて怪我だけはするなよ?」

 藍さんは口元を緩めながら、僕に向かってそう言った。

「大丈夫ですよー僕がそんな初歩的なミスをっ痛っ」

 やはりと言うべきか、お約束と言うべきか、普段なら絶対にありえない事が起きてしまった。

「っ大丈夫か、創君!」

 藍さんは僕が手を切ってしまうと、直ぐに駆け寄ってそう言ってきた。

「あははっ……少し指を切ってしまいました。失敗、失敗……」

 僕は舌を出しながら、バツの悪そうな表情でそう言った。

「はぁ……傷口が深くないようで良かった……直ぐに処置するから着いて来い」

 藍さんは物凄く心配そうな表情をしていたが、直ぐに呆れたような表情に変わった。

「はーい」

 僕は有無を言わせない、藍さんのそんな言葉に大人しく従った。あっという間に処置をして貰った後、僕はキッチンに戻り料理の続きを始めた。その間中、藍さんが僕の事を心配そうに見ていた事は言うまでもないだろう。そんな藍さんを横目に料理を続けたが、特にハプニングが起こる事も無く、一時間もしない内に料理は完成した。

「ふぅ、やっと出来た。今日はあまり時間が無かったから、かなり時短してしまったけど大丈夫かなー?」

 僕は一息吐いた後、出来上がった料理を見ながらそう言った。」

「いや、こんな短時間でこれだけの量を作っているんだ。十分過ぎると思うが……」

 藍さんは僕が皿に盛りつけた料理をテーブルに運びながらそう言ってきた。

「そうですか? まぁ、もっと時間がある時にするべきだったのはありますけど……仕方ないです。食べますかー」

 僕は納得のいかない表情をしたまま席に着いた。

「そうしよう……それにしても改めて並べてみると、まるで正月のおせち料理並みの豪華さだな……」

 テーブルに並べられた料理を見ながら藍さんはそう言ってきた。

「まぁ、そうですね。柄にもなくはしゃぎ過ぎてしまいました」

 僕は少し反省した表情をしながらそう言った。

「良いんじゃないか? まぁ、これが毎日だと少し困るが。うん、やはり美味しい」

 藍さんは僕が作った料理を口にしながらそう言ってきた。

「うーん。やっぱり時間が短かったか……これはこうした方が……」

 僕は独り言のようにブツブツと呟いた。

「ははっ、創君は本当に相変わらずだな。何も変わらないようで安心したよ……」

 藍さんは急に笑い出しながらそう言った。

「えっどうかしたんですか?」

 藍さんが急に笑い出した事に僕は驚きを隠せなかった。

「いや。創君は創君って事だよ……」

 藍さんはそんなよく分からない事を言ってきた。

 そんなやりとりをしながら僕たちは料理を食べ進めた。話が弾み一時間程経った頃には、結構な量があった料理は殆ど無くなっていた。

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