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スノードロップ  作者: 白城縁
高校三年生 秋
32/372

保健室にて 〜変わらない日々〜

//////////


 昨日のハウとの会話で、一つの覚悟を決めた僕は藍さんの仕事が終わるのを保健室で待っていた。

「待たせたね。創君」

 書類を整えると同時に煙草に火を着けながら、藍さんは僕に声を掛けて来た。

「いえいえ。藍さんを見ているだけでも結構楽しかったので……」

 僕はニコニコしながらそう言った。

「はぁ、だから学校では先生と呼んでくれと言っただろう。創君」

 藍さんは一つ溜息を吐いた後、呆れたように、でも少しだけ口元を緩めながらそう言ってきた。

「さぁさぁーお仕事終わったなら帰りましょー」

 僕は呆れている藍さんを横目に、またニコニコしながらそう言った。

「はいはい。分かったから騒ぐんじゃない。創君」

 藍さんに僕はなだめられながら、一緒に車へと向かって歩き始めた。

「今日は何にしましょう? 食材って何か残ってましたっけ?」

 僕は車に乗り込むと直ぐに、藍さんにそんな事を訊いた。

「あーもしかしたら何も無いかも知れないな……なにより一ヵ月ぶりだからな。全部処分した気がする」

 藍さんは少し思い出す素振りをしながらそう答えた。

「えー全部捨てちゃったんですかー? もったいない……」

 僕は心底残念そうにそう言った。

「ん? いや、私が食べたよ。焼いたり、そのまま食べたり、焼いたりしてな」

 藍さんは不思議そうな表情しながら、僕にそう言ってきた。

「それ、焼いているだけじゃないですか……それじゃ美味しくないですよね?」

 僕は呆れながらそう言った。

「あー全く美味しくなかった。食材本来の味しかしなかったからな」

 何故か少し誇らしげに藍さんはそう言ってきた。

「はぁーどうせ調味料もろくに使わなかったんですよね? それは流石に美味しくないと思いますよ……」

 僕は溜息を吐きながらそう言った。

「よしっ、今日はとことん腕を振るう事にしましょう。腕が完治したら、僕の本気の料理を御馳走するって約束もしていましたし……メニューは僕に任せてください。ただスーパーにだけは寄ってくださいね?」

 僕は気合を入れて一声出してからそう言った。

「任せるが、そんなに無理はしなくても良いんだぞ?」

 藍さんは少し心配そうな表情でそう言ってきた。

「いえいえ。僕の腕の回復祝いって事で、盛大にやりましょう!! 一ヵ月越しになってしまいましたけど……」

 元々骨折が治った時に、お礼も兼ねて本気の料理を振る舞うつもりでいたので丁度良かった。

「まぁ、創君がそう言うなら。お言葉に甘えるとしよう。創君の料理は好きだからな」

 そう言ってきた藍さんの表情はとても穏やかだった。僕たちはそんな会話をしながらスーパーへ向かった。


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