自室から通学路にて 〜橘先生からのメール〜
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あの長かったようで短かった夏休みも終わりに近づき、僕は学校の支度を今一度整えていた。
「さてさて、明日からまた学校が始まるけど、どうしようかな……いつまでも真実から目をそらしてはいれないか……」
僕は自分に言い聞かせるようにそう言いながら、携帯に手を伸ばした。まるで見計らったかのように、そのタイミングで一通のメールが届いた。
「明日の始業前に屋上に来てくれ。話しがしたい」
橘先生からのメールだった。メールを教えていた頃とは比べ物にならない、全く誤字の無いメールだった。
「まさか、橘先生の方から連絡が来るとは思わなかった……しかもメールでなんて。それにしても、相当練習したんだろうな……あれだけ僕が教えてもあまり上達しなかったのに……」
僕はメールを見ながら少しだけ口元を緩めた。
「さて、折角のお誘いだ。僕も覚悟を決めないと……さて、そうと決まれば今日は早く寝て、明日は予定よりももっと早く行こう」
僕は決意を固める為に敢えて、自分に言い聞かせるようにそう言って、アラームをセットしてから布団に潜りこんだ。
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僕は今日の事が気がかりで全然寝付けないと思っていたが、杞憂に終わった。気付かないうちに眠ってしまっていたようだ。
「アラームが鳴る前に起きてしまった……」
まだ日も登り切っていない時間に目が覚めてしまった僕は、開口一番そう呟いた。
「ふーまぁ、起きてしまったのは仕方ない、支度をして向かうか」
僕はゆっくりと一息吐いた後、支度を整え学校へと向かい歩き始めた。
「それにしても、こんな時間でも学校って開いているんだろうか?」
僕は腕時計を見ながら、誰に聞く訳でもなくそう呟いた。腕時計は六時半を指していた。ここから学校まで、三十分弱は掛かるが、それでも七時頃には着いてしまう計算になる。
「まぁ、なるようになるか……」
僕はさして気にする事なく、通学路をいつもより足早に進んだ。




