自宅にて 〜両親からのサプライズ〜
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「だだいまーって誰もいないんだけどっ、ぐふっ」
ハウと一緒に家に入る為、玄関の扉を開けながらそう言った瞬間、物凄い衝撃が僕の体を襲った。
「創ちゃん元気にしてたー? 母さんは元気よー」
お腹の方から懐かしい声が聞こえてきた。
「痛い……毎回だけど抱き着いてくるのいい加減やめてくれない? 母さん」
僕自身、割と背がい低いほうだったがお腹の方から聞こえた事と、声で自分の母親だとすぐに分かった。
顔を上げリビングの扉の方を見ると父さんもいた。無駄に微笑ましい表情をしている。というか、男泣きしていた。
「はぁー母さん、父さん。帰ってくるなら前もって連絡してって、毎回言ってるじゃん。っていうかウザい」
僕は呆れながら父さんと母さんに冷たい視線を送った。
「新さん大変。私たちの創ちゃんが不良になってしまったわ」
「おー何という事だ。私たちが一緒にいてやれればこんな事には……」
二人は抱き合って涙を流しながらそんな話をしている。
「うむ、やはり創を一緒に連れて行こう。柚さん」
「うん、それが良いわ。創ちゃんが不良になる事もないし、私たちも幸せだし、言う事ないわ」
更にはそんな会話までし始めた。
「はぁー父さん、母さん。ごめん。まだ一緒に行く事は出来ない」
僕はそんな風にあたふたとしている両親に向かって、はっきりとそう言った。
「こんな僕に良くしてくれる友人もいるし、それに今年で卒業だし、まだやり残した事があるんだ……」
『やり残した事』それがなかったらもしかしたらそんな未来もあったのかも知れない。
「そうか、分かった。ようやくやりたい事が見えてきたんだな、創。父さんは嬉しいぞ……」
父さんはまた男泣きをしながらそう言った。隣の母さんも同じように涙を流している。
「そんな大それた目標とか夢の話じゃないんだけど……」
僕のそう言った声は両親には届かなかったようで、二人で抱き合って大喜びしている。
「はぁーまぁ、良いや。お待たせ、ハウ。さっさとご飯作って食べよう」
僕は玄関で待ちぼうけをくらっていたハウに声を掛けてリビングへと向かった。




