病院にて 〜やはり天職なのかも知れない〜
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手を骨折してからかれこれ一ヶ月程経ったある日僕は、診察を受けるために不知火先生の所に訪ねていた。
「うむ、流石に若いね。もう殆ど治っているよ。これも藍との逢瀬のおかげかな?」
不知火先生は僕の右手のレントゲンを見ながらそんな事を言って来た。
「逢瀬って……別に付き合っている訳じゃないんですから」
不知火先生の冗談に呆れ気味に僕はそう答えた。
「教師と生徒の禁断の愛……うーん実にそそられるね」
僕が呆れているのも気にせず不知火先生は更に冗談を続けた。
「はぁ……帰っても良いですか?」
僕は呆れるを通り越して、少しイライラしながら不知火先生にそう返した。
「まぁまぁ、そんなに怒らないでちょっとしたジョークじゃないか」
僕が怒っているのも気にせずに笑いながらそう言って来た。
「全然反省の色が見えないのは気のせいでしょうか?」
笑いながら言葉を返して来た不知火先生を見ながら、僕は冷たい眼をしながらそう言った。
「そんな事はないただ、私はキミみたいな子をからかうのが好きなだけだ……」
不知火先生は真面目な顔をしてそう言った来た。
「はぁ、それって尚の事たちが悪いじゃ無いですか……」
僕は再度溜息を吐くことしか出来なかった。
「冗談だよ冗談。そんな事よりも藍にメールの使い方を教えてくれたようだな」
僕からして見たら全く冗談には聞こえなかったのだが……
「えぇまぁ、でもまだまだ使いこなすには時間が掛かりますね」
僕は橘先生の話題になったせいか、先程よりも少し声のトーンを上げて答えた。
「そうみたいだな、でも私が何度教えても理解したことがないのに。創君、教師とか向いているんじゃないか? 何だか楽しそうに話をしているし」
僕は橘先生の話題になった瞬間、露骨に楽しそうな表情をしていたらしい。そう言った不知火先生は満更冗談でも無さそうだった。
「橘先生にも言われたしやっぱそうなんですかね? まぁ僕って天才なので。一応成績は学年でトップクラスですし……」
僕はあくまで事実を言っただけなのに、僕がそう言った瞬間不知火先生は目が点になっていた。
「それは皮肉か? 相変わらず食えない奴だな」
半分苦笑いしながら不知火先生はそう言って来た。
「またですか……橘先生もそう言ってましたけど、僕を食べても美味しくないと思いますけど。よく分からない人達ですね? うーん人と関わるのって難しい……」
僕は以前橘先生にも同じ事を言われた事を思い出して、その時と同じ様に首を傾げていた。
「ははは、そんなに難しく考える事は無いと思うぞ? さて本題に戻ろう。右手の件だがあと二週間もすればギプスが取れるだろう。それまでに藍ともっと仲良くなると良い」
笑いながら不知火先生はそう言って来た。その言葉を僕は頭の中で繰り返しながら帰路に着いた。僕はこれ以上仲良くなりたいのか……それともそうじゃないのか……僕自身自分の今の気持ちが分からなかった。




