保健室にて 〜意外な弱点?〜
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「あー大事な事を忘れてた! 橘先生にメールの使い方を教えなきゃいけないんだった」
翌日の放課後、保健室で橘先生を待っていた時不知火先生に頼まれていた事を思い出した。
「急にどうした? 小鳥遊君」
保健室に戻っていた橘先生に急に声を掛けられた。
「うわっ、いつの間に戻って来てたんですか? 全然気付かなかったんですけど……」
僕は急に隣から声を掛けられた事に驚きながらもそう答えた。
「いや、つい先程戻って来たところだ。丁度、小鳥遊君が叫び出したタイミングでな。それで私に何を教えるって?」
橘先生は本当に丁度叫んだタイミングで戻って来たようで、メールの使い方を教えるという部分は聞こえてなかったみたいだった。
「不知火先生に頼まれていたんですよ。メールの使い方を教えてやって欲しいって」
僕が言葉を重ねるごとに、橘先生の眉間にどんどんシワが寄っていくのが分かった。
「はぁ、また響華の奴かよ……」
今回も橘先生の眉間にはシワが寄っていたが、もう溜息を吐く事しか出来ないようだった。
「って事で今日教えますね? 僕もメールが出来た方が便利ですから……」
僕は橘先生の様子を見ながらニコニコしながらそう言った。
「はぁ、まぁ良い。その内流石に覚えようと思っていた所だ。この機会に覚えるとしよう。が、しかし実に憂鬱だ……」
橘先生は本当に苦手らしく珍しく弱音を吐いていた。
「へぇー橘先生って完璧超人みたいな人だと思っていたのに、意外な弱点発見! って感じですね」
意外な弱点を発見した僕は、おちょくるように橘先生にそう言った。
「ちっ相変わらず生意気な奴だ。もっと可愛げがあっても良いものを……」
橘先生は怒っているのかと思いきや、少し悲しそうな表情をしている。
「はぁ、そんな事を言われても、それはお互い様な気がしますけど……」
橘先生の表情の変化には気が付いていたが、僕は敢えて見て見ぬ振りをした。
「ふっやはり可愛げが無い奴だ。さぁ話は帰ってからでも良いだろう……さっさと行くぞ」
少し微笑んだ後、踵を返しながら橘先生はそう言った。
「ちょっ、待ってくださいよー」
僕はそう叫びながら橘先生の後ろ姿を追いかけた。




