駅前広場にて ~場違いな高級感~
「えへへ……そうかな? 何か改めてハウにそう言われると何か照れるな……」
僕は何か褒められた感じがして、だらしのない表情を浮かべていた。
「……本当に変わったな……前にも言ったが何か少し寂しいな……だが、創にとってはそれだけかけがえのない人なんだな……橘先生は」
ハウは昔を懐かしむように空を見上げながらそう言った。
「……うん。でもそれと同じくらいハウの事もかけがえのない存在だと思っているよ……」
僕は本人の目の前ではっきりと口にするのは恥ずかしかったけど、口にしないと伝わらない想いもあると知っている僕は、敢えて口にした。
「……目の前で言われると流石に恥ずかしいな……でもありがとう。ちゃんと口にしてくれて。俺にとっても創はかけがえのない存在だよ」
僕がハウにはっきりと口にした事に感化されたのか、ハウも僕の目を見てそう言ってきた。
「……さて、いつまでもこんなところで話し込んじゃったら補導されかねないから、さっさとランチにしよう」
僕はハウにそう言われて少し恥ずかしくなってしまった事もあり、その恥ずかしさを隠す為少し大げさにそう言ってハウから視線を逸らした。
「……そうだな。折角、創がランチを奢ってくれるっていうんだ。行こう行こう」
少しだけ間を空けてからハウはそう言って僕について来た。
――――――
ランチを終え、駅前の広場に戻ってきた僕たちは、ベンチに腰を掛け一息吐いていた。
「……まさか、高校生の内にあんな店に行く事になるとは思わなかったな……」
ハウは先程までいた店の方を見ながら、未だに少し驚いた表情をしていた。
「……少なくともこんなラフな格好で行くべき場所では無かったね……」
僕が想像していた以上に豪華で、きちんとしたレストランだったので予約した僕自身もかなり驚いていた。
「……流石にそうだな……で、わざわざあんな豪華なレストランに連れて行ったんだ。頼みでもあるのか、それとも橘先生と行く為の下見のどちらかだったんだろ?」
ようやく、驚いた表情から普段の表情に戻りつつあるハウは、何処か確信があるように僕にそう言ってきた。
「……流石、ハウだね。大体その通りだよ……下見に行きたかったのは勿論だけど、頼みっていう訳じゃなく、ただお礼を形にしたかったっていうのもあるんだけどね……」
僕は少しだけ照れ臭そうにハウにそう言った。
「……別に気何か使わなくても良いのに……これだって貰ったんだしな……」
ハウは自分の携帯をポケットから取り出し、ぶら下がったストラップを見ながらそう言った。




