自宅から駅前にて ~明日の天気は晴れのち槍~
「もしもーしみんな大好き創君だよー」
僕はハウが電話に出た事を確認すると、上機嫌でそんな言葉を口にした。
『……誰だよ』
電話に出たハウはあまりにも僕が上機嫌過ぎて、普段の何倍も明るい口調だったので呆れたようにそう言ってきた。
「むー何だい? わざわざ折角電話を掛けてやったというのに……文句があるのか?」
時間を割いてまで折角電話をしてやったというのに、そんな事を言われた僕は頬を膨らませながらそう言った。
『はぁ、別に文句なんてねーよ。で、何のようだ? これから俺は昼飯なんだが……』
ハウは特に気にする様子は無かったが、ただただ呆れていたようで溜息を吐いていた。三ヶ月も顔を合わせていないのにも関わらず、呆れたような表情をしているハウの顔がはっきりと思い浮かんだ。
「あーやっぱり間に合わなかったか……でもまぁいーや。という事で今から駅前に向かって来てね? 十四時を過ぎたら罰金ね! じゃあよろしくー」
僕は言うことだけ言ってさっさと電話を切った。電話を切る直前何やら色々と言っていたようだったが、既に電話を切る為半分以上携帯から離れていた僕にははっきりとは聞こえなかった。
「さて、さて、さっさと髪を乾かして向かわないと……ったく、誰だよ十四時なんて決めた奴……」
僕は携帯で時間を見て十四時まであまり時間が無い事を確認すると、自分で時間指定をした事を棚に上げてぶつくさと文句を言いながら濡れた身体を拭き、髪を乾かし始めた。
――――――
「んで……わざわざ呼び出して何の用だ? おかげで俺のAランチが無駄になったんだが……」
毎度の如く、学校から直接駅前に来たというのにも関わらず私服姿のハウに僕は呆れ半分、感心半分といった感じだった。
「ごめんごめん、その代わりと言っちゃなんだけど、ちょっと豪華なランチを奢ってやるからさ……」
ハウは急に呼び出されて少し不機嫌そうな様子だったので、ご機嫌取りも兼ねてそう言った。
「……何かあったのか? 創が俺に奢るなんてかなり珍しいな。明日槍でも降るんじゃないか?」
ご機嫌取りのつもりでそう言ったのが何故か裏目になってしまい、ハウは更に訝しげな表情へ変わってしまった。
「……あれっ? そんなにおかしいかな? 折角日頃のお礼も兼ねてご馳走してやろうって話なのに要らない?」
僕は最近は特に気持ちを正直に伝えるようになったと、自分でも思っていたが言われてみるとこうも大きく変わってからハウとまともに遊んだりしてなかった気がする。
「……まぁ、いんじゃねーの? その方がずっと人間らしいし。俺も今まで創の親友でいたかいがあったってものだよ。で、何奢ってくれるんだ?」
少し考えるような素振りをした後、口元に笑みを浮かべながらハウはそう言ってきた。




