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07

 ギンたちが乗っている超巨大戦艦空挺は強者と弱者が入り交じる世界の最初の町に着き、町の入り口に転送すると


「ここが・・・強者と弱者が入り交じる世界の町か」


「なかなか・・・活気がある町だな・・・・・・そして・・・」


「ああ・・・ここには・・・・・・凄腕の剣士もいるようだ。」


 とハクリュウたちが言うとギンは


「これからは・・・四つの世界が一つの世界になる・・・気を引き締めていこう・・・」


 ギンが言ったことに皆、首を傾げると


「この世界と真世界だけは四つの世界が一つになっているから・・・それだけ強敵はわんさといるぞ」


 ギンが言ったことを聞いたら皆闘志を燃やし始めた。その後ギンはハクリュウたちに今後のことを話すと


「まずは・・・剣の聖地という所に剣蓮がいると言われている・・・剣蓮とは世界で最も速い剣士だって聞いたことがある・・・二つ目は・・・剣の聖地の南にある王国に水蓮という後の先を極めている流派が存在するらしい・・・三つ目は剣の聖地の西の方に北蓮という多種多様・・・変幻自在といった二本以上の剣を使う流派があるらしい・・・そこから・・・仲間が出来ればいいだけど・・・お前らはどうする?」


 ギンはハクリュウたちに今後の方針を話すと皆頷き、町の中へと向かった。


 ギンたちは町で食料などを買っていき、情報も集めておき、そして、『クロウ』に転送させ、剣の聖地に向けて出発した。




 数日後、ギンたちは剣蓮がいるという剣の聖地に着くと、剣の聖地は雪山の中に大きめの村があり、そこに剣蓮の道場があるらしい。ギンとハクリュウたちは村の入り口近くに転送すると、村に入るとすぐに剣蓮がいる道場に向かった。


 道場に着き、中に入ると、道場内にいる剣士たちがギンたちに殺気を籠もった視線を送っていると、そしたら、いきなりギンたちに襲いかかる剣士たちが向かってきて、それを見てギンたちいやギンが襲いかかる剣士たちの一人を腹に一発かましてそいつが持っていた木刀を奪い、残りの剣士たちの十名近くを倒し、その間にハクリュウたちは倒れた剣士たちの木刀を奪いギンの加勢に入っていた。数十分後、ギンたちの足元には襲いかかってきた剣士たちが死屍累々のように倒れていた。


 そしたら、奥の方から盛大な笑い声が聞こえた。どうやら、あそこにいる当座に座っている奴が剣蓮という奴だろう。そしたら、剣蓮はギンたちにここに来た訳を聞くと


「俺たちはただ・・・ここの剣技を学びに来ただけ・・・それだけだ!!」


 そう言って剣蓮は近くにいる剣士たちに何かを伝えたら、その剣士たちは木刀を持ち、ギンたちに向かって襲いかかってきた。だが、ギンはそいつらの一瞬で素通りにして剣蓮の前に立ち剣を向けると


「こんな所で座ってないで俺の相手をしろ!!」


 そう言うと剣蓮は近くにある木刀を手にした瞬間。ギンは思い切り後ろに飛んで笑みをこぼすと胸の軽めに仕込んだピンを取った瞬間・・・剣蓮の雰囲気が変わり目の前の怪物を殺す気の殺気を放ったが咄嗟にガードの体勢を取った。なぜなら


「遅い・・・」


 ギンが神速の突きを放ってきた。剣蓮はそれをギリギリでガードするが、先ほどの一撃で剣蓮が持っていた木刀が折れたのだ。そしたら、ギンは勝負がついたのかのように木刀を放り投げると、放り投げた木刀は床に触れた瞬間に折れたのだ。つまり、今のギンの力なら、あんな木刀はなまくら刀に等しいのだ。ここの秘密だが、ギンは先ほどよりも実力が数段と増していた。ギンが剣蓮から離れるとハクリュウたちが


「終わったんですか?・・・ギン・・・いや総帥?」


 ギンはハクリュウたちが呼び方に苦労しているようだったので


「いいよ・・・ハクリュウたち・・・いや・・・幹部のお前たちは・・・ギンと呼んでいいよ・・・・・・それより・・・そっちは終わったのか・・・?」


 ギンはハクリュウたちの様子を聞こうとしたが、ハクリュウたちの足元に倒れている剣士たちを見て決着がついていたようだ。しかも、ハクリュウたちもこいつらを相手にしただけで剣の腕が数段と上がっていたのだ。だが、ハクリュウは


「では・・・ギン・・・・・・もう少しの間だけ・・・ここにいてもいいか?・・・・・・ここだったら剣が良くなりそうで・・・」


 嬉しそうに言うハクリュウにギンは許可の許しをやった。その後、ハクリュウとS.A.R.Uは道場に残って剣蓮からここの流派である剣蓮流の修練に励んでいた。ギンとシュウたちは村の宿でしばらく泊まることにした。




 ギンが宿を出て村の中を歩いていると、近くの森から何か音が聞こえた。なので、行ってみるとそこには素振りしている一人の青年がいた。茂みに隠れてみていると、なにやらあの素振りには迷いみたいなものがあるとギンは感じた。だから、その青年に近づくと


「おい・・・さっきから見ていたがお前の素振りには『迷い』がある・・・いや・・・何かそれに近いものを感じた・・・」


 青年は見つけられたのかギンに襲いかかるが、ギンによって押さえられて、何も出来ずに終わった。その後、ギンはその青年の迷いが何かを聞こうとした。


「まずは・・・君の名を聞こうか?」


「俺の名前はジノ・・・俺に何かようか?」


 ギンはジノを見て気づいた。ジノ自身に迷いがあるとは気づいていない。だから、ギンはジノにこの質問をした。


「君にとっての剣は何のために振るう?」


 ギンはジノにそう問うと、ジノは少し考えてからこう答えた。


「分からない・・・」


 と答えるとギンは


「そっか・・・分からないか・・・・・・でもいいんだ・・・自分が何のために剣を振るうかは・・・いずれ、分かるときは来る・・・・・・」


 ギンがそう言うと、ついでに言うばかりかジノに向かってこう言った。


「ジノ・・・お前・・・俺の仲間にならないか?」


 それを聞いてジノはえっといった顔をしていたが、そこにジノと同じくらいの女性がやって来た。ジノはその女性を見たら


「リーナか・・・何しに来た・・・」


 ジノはリーナという女性を睨みながら言うと


「何しに来たじゃないよ・・・道場に行けば・・・強い剣士と勝負できるんだよ・・・行かなくていいの・・・」


 リーナはジノを道場に連れて行こうとしたが、ジノは


「いいよ・・・俺は・・・・・・ここで鍛錬してた方がいい・・・」


 気分悪そうに言うジノ。そのジノを見て嫌気がしたのか・・・この場を去ったリーナ。それをただ傍観していたギンはジノに


「ジノ・・・俺がお前の相手になってやる・・・俺は道場にいる奴らより強いけど・・・・・・どうする?」


剣の相手をすると言ったら、ジノは周りを気にしながら「いいよ」と言う。ギンはジノの態度に見て気づいたようだ。ジノは何かを隠しているというのを。




 その後、ギンはジノに連れてかれて、ジノがいつも鍛錬している場所に行った。その後、ギンはジノの鍛錬相手になった。ギンもジノも互いに木刀を持って対峙すると、ジノは一瞬してギンに近づき一刀両断のように木刀を振るが、ギンの木刀に当たる瞬間に受け流して躱すギン。そして、今の一撃でギンは分かったことがある。


「(ジノは悲しんでいた・・・自分と対等に勝負出来る剣士が欲しかった・・・全力でやり合える剣士を・・・・・・)」


 ギンはジノの心情を理解したのか。胸に仕込んだピンを抜いた。ジノはギンの胸からピンみたいなものが抜いた瞬間、ギンから滲み出る闘気を見て、さらに真剣な顔つきになり、全力でいかないとやられるというのだけは分かった。


 そしたら、ジノはギンが動き始める前に倒すことを決め、先ほどよりも鋭い一刀両断を振るうが、ギンはその一撃を受け止めて弾き返すとジノは後退したが、果敢にギンに立ち向かっていた。


 その数十分後、ギンの近くの足元に倒れているジノに


「ジノ・・・どうする・・・・・・このまま・・・残るか・・・俺の仲間になって・・・真世界で名をあげたいか?」


 そう言うとジノは起き上がりギンの方を見ると


「いいぜ・・・お前の仲間になってやるよ・・・・・・お前について行くと・・・もっと強くなれそうな気がしてな・・・」


 ギンはそれを聞いて嬉しそうな笑みをこぼすと


「あら・・・もう終わりなの?」


「仕方ない・・・ギンの本気に近い状態で」


「良く相手が・・・出来たのに感心するばかりだ・・・」


「だな・・・」


「君だったら・・・申し分ない実力だ・・・俺たちが・・・・・・全力で相手しても・・・いいかもね」


 茂みの方でシュウたちがギンとジノの勝負を見ていたらしい。そしたら、ジノは立ち上がり、シュウたちの方に剣を向けたが、ジノはその場で剣を下ろした。どうやら、ギンとの勝負で気力がなく、立っているのが精一杯で目の前の剣士たちに勝てる気がしなかったのだ。潔く諦め、皆と一緒に村に戻ることにした。




 村に戻ると、ジノは自分の家に帰り、ギンたちは宿に戻っていた。その後、ギンたちは道場から戻ってきたハクリュウとS.A.R.Uに新しい仲間のことを話すと二人の反応はジノが仲間になったことよりも本気に近い状態のギンといい勝負をしたジノの実力に驚いていた。そしたら、ハクリュウたちはジノとの勝負をしたいような顔をしていた。それを見てギンははぁっと息を吐いた。


 翌日、ハクリュウたちはジノを探しに道場に行くと、ジノは道場内で他の剣蓮流の剣士と対峙していた。そして、ギンたちの姿を見ると、ギンに向かって真っ先に突っ込んでいた。だが、ジノの木刀を止めたのはハクリュウであった。ジノは止めたハクリュウを見て、すぐに実力を理解して後退すると、ジノは力を込め、さっきよりも鋭い一撃を振るうとハクリュウもジノと同等の一撃を振るって受け止めた。周りの剣士たちはジノとハクリュウの木刀同士の衝突による衝撃で立ちすくんだ者や腰が抜けてしまった者たちもいた。ギンは今の衝撃で気づいた。ハクリュウとジノには王の資質を持っていることに、つまり『覇王』同士が衝突したのだ。だが、これに気づいた者はギンたちだけで他の皆気づいていなかった。




 ジノとハクリュウの木刀同士は五分五分のぶつかりであっていた。だが、先に仕掛けてきたのはハクリュウであった。先ほどの一撃よりも鋭く重く速い一撃を振るうとジノもそれに近い一撃で受け止めたのだ。そこからは激しい攻防が繰り広げていた。それを見ていた他の剣士たちと剣蓮と幹部たちはジノがここまでの実力だとはと驚いていた。その十数分後、道場内ではハクリュウとジノの勝負が繰り広げられていたが、ギンたちには気づいていた。


「そろそろ・・・決着がつきそうね・・・」


 メリアがそう言うとギリスも頷いてそれに同意した。そしたら、ガルは


「どっちが勝つと思う?」


 勝者がどっちなのかと聞くとギンが


「ハクリュウが勝つよ・・・・・・理由は簡単・・・もうそろそろ・・・ジノの方がガス欠になると思う・・・・・・つまり・・・闘気が空っ穴になるってことだ・・・・・・その代わりハクリュウは・・・あの時の死闘で闘気は異常に増えているから・・・・・・この勝負は闘気の総量で決まる・・・だが・・・ジノの方も・・・昨日よりは長くなっている・・・どうなるかな?」


 実際に勝負の結果はハクリュウの勝ちであった。ジノは床に倒れ込んでしまい眠ってしまった。ハクリュウも息を切らしながら床に座り込んだ。ギンは二人の勝負を見て、二人ともまた格段にレベルが上がっていたことに気づいた。それからの毎日、ジノはギンやハクリュウたちとの勝負の日々を送っていた。その間にジノの実力が上がり、ギンやハクリュウたちも強くなったのだ。


 数日後、ギンたちは剣の聖地から次なる新天地である水蓮がいるという王国に向かうため村を出ると村の出入り口の外でジノとリーナが待っていた。ギンはジノの顔を見て、ギンは仕方ないとリーナを連れて行くことにした。そしたら、『クロウ』に転送されると、ギンはジノとリーナに部屋を案内するとギンはジノに何故リーナを連れてきたのかを聞くとどうやら、彼女は剣蓮流の剣士で剣蓮の娘でありジノとは仲はいいが、剣蓮流の剣士は即断即決で決めたことに意地でも曲げないという剣士らしいのでギンは降参するしかなかった。仕方なく、ギンたち一行は次の新天地である王国に向かった。




 数週間後、ギンたちは水蓮がいるという王国に着くと、王国の出入り口近くに転送すると、すぐに国内に入ると、王国の衛兵がやって来て


「ここに来た。訳を聞こう?」


 国に来たわけを聞くと


「俺たちはただ水蓮がいるという情報を聞いてこの国に来ただけだ。それで・・・水蓮がいるという道場がどこにあるか知っているかな?」


 ギンは訳を話すとリーナが水蓮流の道場の場所を知っていたらしい。どうやら、リーナの話によると水蓮流の剣士を友がいるようだ。ギンたちはリーナの案内で水蓮流の道場に行くと、どうやら、水蓮流の道場は剣蓮流の道場と同じくらいであった。中に入ると、水蓮流の剣士たちが稽古をしていたようだ。ギンたちに近づいてくる一人の女性が来た。リーナはその女性を見て


「ナルスリーじゃない・・・久しぶり・・・元気にしてた?」


 リーナは目の前の女性と挨拶をするとナルスリーという女性は


「ええ・・・元気にしているよ・・・リーナ・・・・・・でも・・・どうしたの?・・・いきなり・・・この道場に来て?」


 ナルスリーはリーナがどうしてここに来たわけを聞くと、リーナは後ろにいるギンたちのことを紹介して、この道場に来たわけを話した。そしたら、ナルスリーはギンたちを水蓮の所に案内することにした。ギンたちはナルスリーの案内で水蓮がいる間に着くと、ギンは着いた途端、ナルスリーの木刀を奪って、水蓮の前まで『超高速移動』を用いて、水蓮の前に立ち木刀を水蓮に向けると、水蓮は木刀を向けられたことで少々笑みをこぼしていた。


「なかなか・・・粋な小僧じゃな・・・」


 皮肉なことを言うとギンも


「こちらも驚いたよ・・・水蓮という奴はどんな奴だと思えば・・・・・・こんな婆だったとはな・・・」


 皮肉なこと言うと水蓮は木刀を掴みギンを持ち上げようとしたが、一向に持ち上がらなかった。なぜなら、ギンの肉体は強靱であったため、持ち上げることは普通の奴では簡単にはできなかった。そしたら、水蓮はギンを持ち上げるのを諦め、ギンとの勝負をすることにした。ギンは水蓮がやる気になったのを見て距離を取った。その後、ギンは水蓮に向かって音速の突きを放ったが、水蓮はギンの音速の突きを躱しカウンターを食らわせようとした。だが、ギンは『超高速移動』を使用しようとしたが試しに使ってみたい技があるので水蓮のカウンターを受けることにした。そして、水蓮のカウンターを受けた。だが、水蓮は先ほどのカウンターに何かが妙だと感じた。すると、背後から首筋に木刀を当てると


「貴方の負けです・・・水蓮殿・・・」


 ギンがそう言うと水蓮は木刀を床に落とす。ギンはその後、しばらくの間、世話になることを話してこの場を後にすると、背後から「待て」と声をかけられた。振り返るとナルスリーが木刀を持って立っていたのだ。ギンはそれを見て察したのだ。勝負をしろと。ナルスリーは木刀をギンに向けた瞬間にギンがナルスリーに光速の突きで放ったがナルスリーは光速の突きをギリギリの所で躱すとギンは次に神速の突きを放つとナルスリーはその突きもギリギリで躱したのだ。ギンはこれを見た後、胸に仕込んだピンを抜き、もう一度、ナルスリーに神速の突きを放つと今度は躱すことが出来ずに木刀で受け止めたが、突きの一撃で木刀が折れたのだ。そしたら、ギンはナルスリーの眼前に木刀を向けるとナルスリーは潔く負けを認めた。ギンはそれを確認して木刀を下ろした。


 その後、シュウとヴァンがギンに自分たちはこのままここに残って剣の相手をするよと言うとハクリュウたちもそれに賛同して道場を出ると、ギンたちは王国内の宿でしばらく滞在をするとして、ギンはナルスリーのことを考えていた。


「(あのナルスリーっていう女性剣士・・・・・・あの婆よりも・・・なかなかの剣士だった・・・・・・あんまり・・・無理強いで・・・仲間にさせるのも・・・・・・いけないしな・・・どうしよう?)」




 ギンがナルスリーのことを考えている頃、道場の方ではナルスリーはギンの実力が変化に疑問を感じていた。だが、ナルスリーは目の前のシュウという剣士とヴァンという剣士との勝負をしていると彼らの剣の腕が良くなっていた。でも、それはナルスリーも同じであった。ナルスリーの剣の腕も上がっていたのだ。だが、そんなことよりもこれからはギンという男について行くかここにとどまるかについて迷っていた。


 その間、ギンたちは水蓮流の道場で剣の腕を磨きながら仲間を誰にするか決めかねていた。同時にナルスリーもギンたちの仲間になろうかと迷っていた。だが、その間、剣の腕は皆、更なる勢いで増していた。そして、数日後、ギンたちは北蓮流があるという剣士たちの総本山に向かうことにした。そしたら、王国の出入口にはナルスリーが荷物を持ってギンたちが来るのを待っていた。どうやら、彼女はギンたちの仲間になることを決めたらしい。その後、『クロウ』に転送された後、すぐに北蓮流がある道場に向かうことにした。




 さらに数日後、超巨大戦艦空挺は北蓮流がある道場に着くと、道場の近くに転送させた。ギンは北蓮流の道場に入ると道場内ではいきなりの来客に皆、殺気じみた目でギンを睨んでいた。ギンはその殺気をそよ風のように躱すとギンは北蓮の前まで近づき木刀を向けると


「ねぇ・・・北蓮よ・・・この俺と・・・・・・勝負してくれないか?」


 ギンがそう言うと、後から入ってきたハクリュウたちはまたかよと顔を押さえていると北蓮は笑いながら


「ほぉ・・・随分と・・・意気のいい若造だな」


 と言いながら北蓮が木剣を四本持って立ち上がるとギンに向かって四本の木剣の突きが来た。ギンはそれを的確に見抜いて躱したが北蓮は四本の内二本を足に木剣で斬り込みに来るとギンはそれをも躱して後ろに後退するとギンは仕方なく『覇気』の一つである『武装』を使用して木刀を黒く変色させて北蓮に向かって一閃を振るうと北蓮の四本の木剣は折れ北蓮の胸に傷を与えて倒れてしまった。その後、ギンは黒く変色した木刀を見ると刃こぼれしてないか確認すると刃こぼれしてないことを確認してほっと息を吐いた。なぜなら、一年前、世界最強の剣士であるホークがこう言ったのだ。


「(『武装』の『覇気』を纏えば同じ刀剣でも折れることはない・・・刃こぼれすら己の恥だと思え・・・全ての刀剣は黒き刀剣になり得る・・・)」


 と言ったことを思い出していたギンに北蓮は


「な・・・なぜ・・・お前が・・・『武装』を使える・・・・・・今の使い方は『真世界』の剣士たちしか使えないはずだ・・・それを何故・・・お前が使える・・・・・・誰に・・・誰に習った・・・・・・その『覇気』は?」


 北蓮は息を切らしながらギンに『覇気』を修得させた奴を聞いた。そしたら、ギンは答えた内容にここにいる皆騒然となった。


「世界最強の剣士・・・ジャン・キュウール・ホーク・・・・・・俺はあいつに三年間・・・剣を叩き込まされた・・・」


 北蓮はギンが言ったことに驚くもあり得ないという顔をしていた。それもそうだ。本来なら世界最強の剣士がこんなガキに剣を教えること事態あり得ないのだ。だが、ギンは自分のことを話した。自分が『第一級特異危険視』であること、かつての世界に起こった異変のこと、それを止めようとした存在のことも、そして、自分の野望のことも話した。それを聞いた北蓮はギンが言った。最後に言った野望、世界を取ることには賛同していたようだ。そしたら、北蓮の前にギンたちと同じくらい年の剣士がやって来た。どうやら、その剣士はシューテルと言うらしい。シューテルはギンの仲間になると言いだした。ギンはそのシューテルを見てから「では・・・俺と勝負をしよう」と言うとシューテルは「ああ・・・いいだろう」と頷きながら言うとお互いに距離を取った途端、ギンは木刀に『覇気』を纏わせシューテルに立ち向かっていた。シューテルは二本の木刀を持ってギンの一撃を受け止めようとしたが折れてしまった。そしたら、ギンはシューテルとハクリュウたちにあることを教えた。


「『武装』の『覇気』を纏った刀剣は折られることはない・・・だが・・・刃こぼれすら己の恥だと思え・・・全ての刀剣は黒き刀剣になり得る・・・」


 ということを教えるとシューテルは自分の木刀を見て悔やんでおり、そして、覚悟が籠もった目つきでギンを見ると改めて仲間にして欲しいと言ってきた。ギンは彼の目を見て「いいよ・・・ただし・・・これからの日々は・・・・・・過酷な旅になると・・・思うよ!!」


 その後、ギンはハクリュウたちを北蓮流の道場の剣士たちと相手にさせて、ギンはジノ、リーナ、ナルスリー、シューテルに『覇気』について教えることにした。ギンはジノたちを近くの荒れ地に連れて行くと周りを見渡してから、ジノたちに『覇気』について話した。


「『剣霊界』の戦い方は・・・自分の身に宿る精霊を刀剣にして解放させて戦うのが『剣霊界』の戦い方だ・・・・・・『覇気』というのは己自身に眠っている力だ・・・分かりやすくいうと・・・『殺気』、『気合い』、『威圧』といったのだ・・・・・・ただし・・・『覇気』の修得には・・・時間がかかる・・・大体は・・・長期の鍛錬や戦闘による覚醒などで開花する事もある・・・『覇気』には大きく別れて二つに分けることが出来る・・・一つ目は『見聞』・・・相手の気配を強く感じることが出来ることや極めれば」相手の数や力量が分かることもでき、さらには、相手が次の瞬間に何をするのか先読みすることが出来る・・・これのいい所は音速や光速、神速といった目で追えないような速度にも対応できるようになる」


 ジノたちはギンが『見聞』のことに驚いて言葉が出せなかった。だが、ギンは彼らのことを無視して続きを話した。


「二つ目は『武装』・・・自身の身体に見えない鎧を着ている状態を作り出す覇気だ・・・・・・だが・・・この見えない鎧は攻撃にも転用することが出来る・・・さっきシューテルに使用したあれも『武装』の一種だ・・・極めれば全身に纏わせることが出来るが・・・この覇気だけは限度があって・・・使いすぎるとしばらくの間使えなくなるときもあるから・・・良く気をつけて使うんだ・・・・・・良い点もある・・・これからの相手には実態を掴めない流動的な相手にするかも知れない・・・唯一有効な武器はこの『武装』の『覇気』だけなんだ・・・これだけは肝に銘じておきな・・・。」


 リーナはギンが言ったことに何を言って良いのか分からなくなっていた。だが、ギンはジノたちにあることを教えた。


「だが・・・『覇気』には・・・もう一つ存在する・・・・・・この『覇気』関していえば・・・世界で大きく名をあげている奴らには・・・『覇王』という『覇気』を持っている・・・・・・『覇王』の覇気は・・・相手を威圧させて気絶させることが出来る覇気だ・・・・・・ただし・・・この覇気だけは目覚めることは出来ても鍛えることは出来ない・・・この覇気に関していえば・・・己の心身の成長でのみ強化することしか出来ない・・・それも覚えてちょうだい・・・あと・・・この覇気を持つ者は・・・人の上に立つ『王の資質』を持っているらしい・・・・・・俺から見る限りだと・・・お前らは『王の資質』を持っている可能性があると思うんだ・・・だが・・・さっき言ったとおり・・・・・・『覇王』の『覇気』だけは・・・無闇に使うな・・・関係ない人まで・・・・・・威圧してしまうからな」


 ギンがそう言うとナルスリーが手を上げ質問をした。


「その『覇気』を使う人は・・・その・・・真世界では・・・どれだけ存在しているんですか?」


 ギンはナルスリーの質問にこう答えた。


「真世界の猛者たちは大抵の奴ら・・・覇気を使いこなしている・・・・・・だから・・・お前たちは今日から・・・『覇気』の修得の修業に入るぞ・・・ハクリュウたちと共にな・・・」


 ジノたちはギンが言ったことにえっという顔をして驚いていた。そしたら、ギンは


「ハクリュウたちも前に『覇気』は開花したんだが・・・まだ使いこなせていないのが・・・現状だ・・・」


 事実を述べるとギンは「明日から教えるから・・・覚悟しろよ・・・」といってこの場を去って行った。




 翌日、ギンは皆を荒れ地に集めさせた後、『覇者の笛』を使って吹きはじめると、笛から出る音色にジノたちは何なのかと思っているとハクリュウたちはまさかと顔をしていた。吹き終わると、なんかの大群がこちらに近づいてきた。なんとそれは巨大な狼の大群であった。ジノたちは顔を引き攣りながら驚いていたが、ハクリュウたちはギンが考えていることにまさかという顔をしていた。そしたら、ギンは


「このバトルウルフたちがお前らの修業相手だ・・・こいつらと戦い続ければ『覇気』を使いこなせるようになるから・・・・・・それじゃあ・・・特訓開始・・・」


 ギンの合図と共にバトルウルフたちとハクリュウたちとの勝負が始まった。


 ハクリュウたちとバトルウルフたちとの勝負をしてから三十分ぐらい経つとギンはハクリュウたちの変化を発見した。


「やっぱりな・・・そろそろ・・・顕著が出始めたか・・・」


 ギンがそう言うと隣にいたメリアとギリスは「顕著?」「それはいったいどういうことですか?」と問うと


「『覇気』のことだ・・・・・・大きく分けるなら・・・ハクリュウやジノのような『武装』に特化したタイプ・・・・・・シュウやナルスリーのように『見聞』に特化したタイプ・・・・・・シューテルのように『覇王』に特化したタイプ・・・・・・そして、俺やメリア、ギリスのように全ての『覇気』を満遍なく使えるタイプなどがいる・・・」


 メリアとギリスはギンが言ったことにふーんといった顔をしているとハクリュウとシュウが来てギンに思うように使いこなせないといってきたので、ギンは二人に自分らの得意な覇気を教えるとギンは二人にあるものを渡した。ハクリュウには木刀をシュウには目隠しをさせて行かせることにした。その後も他の皆に同じようなことをして行かせると二回目に戻ってきた時は成果が合った顔をしていた。どうやら、使いこなせるようになったらしい。 そういった日々をしばらくの間続いたのだ。その間ギンも狼王ゲンを相手に覇気の修業をしているとハクリュウたちはギンが精霊刀に『武装』を纏わせた斬撃は大地が割れるほど斬撃を放った。その後もギンが放つ斬撃をことごとく躱す狼王ゲン。だが、ギンが放つ斬撃で大地が近くにあった山までもが真っ二つにした。これを見てハクリュウたちはまだまだ強くならないといけないということにギンがまだ本気を見せていないということに気づいた。さらに数日後、ハクリュウたちはギンが呼んだバトルウルフたちと修業していた。そして、さらに数日後、ハクリュウたちはギンに今までの修業の成果を見せるとギンから「まあ・・・実戦で使えるほどまでには出来てはいる・・・後は真世界で試すか・・・・・・これからの相手で試せばいいか・・・」というとハクリュウたちはギンがまた恐ろしいことを考えていたことにゾッと身の毛がよだつほどの寒気がした。だが、その後、ギンたちは『クロウ』に転送しようとしたら北蓮流の道場からある耳寄りな情報が届いた。ここから南の国に三大勢力の一つ『神下七星界』の一人がいるという情報を得た。その情報を聞いてギンはその七星界がいる南の国に行くことにした。




 それから一週間ぐらいの時が経ち、ギンたちは南の国の『サザァー・ジーク』に着くと艦内から『サザァー・ジーク』を眺めると


「へぇ・・・なかなか良い国じゃないか・・・」


 ギンが言ったことに皆コクッと頷いて賛同するが、シュウとナルスリーは『サザァー・ジーク』を見て不機嫌なそうな顔をしていた。


「だが・・・あの国から・・・」


「何か・・・不穏な空気が流れている・・・・・・まるで光と闇があるみたいな・・・感じがする・・・」


 シュウとナルスリーはそう言うとギンやハクリュウたちも賛同していた。ギンはこの空挺のことを部下たちに任せ、自分たちは地上に転送させ『サザァー・ジーク』に入ることにした。


 その後、ギンたちはそれぞれ行ってみたいところがあるようでばらばらに別れて行動した。ギンは単独にするとして、ハクリュウはシュウと行動、メリアはギリスと行動、S.A.R.Uはガルとヴァンと行動、ジノはリーナ、ナルスリー、シューテルと行動するようだ。それぞればらばらに別れて行動した。


 ギンは単独で行動していると周りの人たちの雰囲気が悪い雰囲気だということだけは分かったがどうしてこうなったのかが分からなかった。だが、不意に何か殺気に近い何かを感じた。どこから発しているのか分からないので気づいていないふりをしていた。そして、ギンは近くの店に入って店員に料理を注文して待つとさっきから感じたものが視線に変わってこちらを見ていた。その間にギンは視線の数を数えていた。数えたところ四人って所かと思っていると、店員がやって来て注文した料理が来た。ギンは注文した料理を食べた後、店を出て、また街道を歩いていると、先ほどから感じて視線が四人から六人に変わっていた。ギンは最初と同じように気づいてないふりをしていながら歩いていたが、ギンは裏の路地に入った瞬間、さっきから感じた視線が強くなったのだ。ギンはつけてくる奴らをあぶり出すために歩くのを止めると周囲に声をかけると


「おい!・・・隠れてないで・・・・・・出てこい!!」


 そう言うとギンの周りを囲むように現れてきた。前に一人、後ろに一人、頭上に四方を囲むように四人が配置された。ギンは舌打ちをしながら前方にいる人に視線を向けると、前方にいる人が


「すまないが・・・君を捕縛しようと思ってな・・・丁重に捕まってくれないか?」


 前方にいる人がそう言うとギンは「断る」と言った。そしたら、後方にいる人が


「では・・・力ずくで捕まえさせてもらう・・・」


 そう言うと前後の人がギンに襲いかかると、ギンは跳躍して躱すと頭上にいた四人がそれぞれの精霊を解放して応戦するが、ギンはここで『超高速移動』を使用して躱した。そして、頭上にいた四人の背後から手刀で首元に当て一瞬にして気絶させると四人はその場に倒れた。ギンは地面に下りると前方にいる人がギンに再び襲いかかるとギンは精霊刀を抜いて前方にいる人と応戦する。そしたら、後方にいる人が背後から襲ってくる。ギンは精霊『凪』を解放して後方にいる人の攻撃を躱すとそいつの背後に立ち、精霊刀の峰で首元に当て気絶させると今度は、前方にいる人に向かうと前方にいる人はギンに背後を見せて逃げ出したのだ。ギンはそれを見て一瞬にして奴の前に立ち、みぞうちに強烈な一撃を与えさせ気絶させた。そしたら、頭上からハクリュウとシュウ、メリアとギリスがやって来て、後方の方からジノ、リーナ、ナルスリー、シューテルとS.A.R.U、ガル、ヴァンがやって来た。どうやら、皆、ギンの闘気に揺らぎを感じたようなのでギンの所に向かった。ギンは気絶させた人たちの顔を拝むとギンはあちゃぁという顔をしていた。なんと襲ってきた人は女性であったのだ。ギンは頭上にいるハクリュウたちに視線で促すとシュウが手で頭を押さえているとギンはそれで気づいた。頭上にいる人たちも女性だったようだ。ジノたちの近くにいる人も確認するとその人も女性だった。ギンは仕方なく倒れている彼女たちを宿に運ぶことにした。


 ギンたちが彼女たちを宿に運び寝かせて、数時間の時が経過した。彼女たちの内の一人が目を覚まし周りを見渡すとギンの姿を見て、彼女は立ち上がろうとしたが先ほどのダメージがあったらしく思うように動けなかったので起き上がりながらもギンの方を睨んでいるとギンはまず、君の名前と他の彼女たちの名前を聞いた。目を覚ましている彼女の名はノーラと言い、他の彼女たちの名はルミ、エリス、ルメーラ、リン、アマネと言うらしい。ギンは彼女たちの名前を聞いたら、何故つけていたのかの訳をノーラに尋ねると


「力を貸して欲しいです・・・・・・あの『神下七星界』をこの国から追い出すために!!」


 どうやら、この国にいる『神下七星界』を国外に追い出そうとしているらしい。そのためこの国に来たばかりの旅人に力を貸して欲しいとつけていた。だが、ギンはこの国に来た『神下七星界』の名前を聞くとノーラはこう答えた。


「ダイールという奴だ・・・・・・」


 ギンはノーラが言ったことに驚いていたが自分の頭の中で確認していた。


「(確か・・・かつて・・・『白鯨エド』に挑んで敗北した奴だった気がする・・・厄介な奴を追い出そうと考えていたな・・・・・・これは俺らが力を貸さないと・・・大変だな・・・・・・)」


 などと考えていると、ルミたちが目を覚ましギンの方を見ると敵意を見せるがギンは彼女たちに「そういうのは・・・ダイールに向けて欲しいね・・・全く・・・困ったものだ・・・」とギンがそう言うとノーラやハクリュウたちがどういう意味と視線で問うとギンはこう答えた。


「ダイールは・・・かつて・・・・・・真世界の『四聖皇』の一人『白鯨エド』に挑み敗北しているが・・・それでも・・・・・・屈強の猛者であることは間違いない・・・とにかく・・・・・・奴がいつから・・・この国に来ているのかを知らないといけない・・・・・・教えてくれないか・・・・・・奴がやっている悪行を・・・」


 ギンがそう言うとノーラが代表して答えた。奴が来たのは二年前で最初は良い奴だと思っていたが、それから一年後に奴がやっていることを知ってしまった。どうも奴はこの国にある古代に封印された神級精霊を手に入れることだったのだ。それを知ったノーラたちはこの事を国王に伝えたが一蹴されてしまい、仕方なく自分たちだけで奴を倒そうとしたがかなわないかったという現実だったのだ。それを聞いてギンたちは彼女たちの手伝いをすることにした。だが、彼らは気づいていなかった自分たちが新たな標的リストになっていることも知らずに・・・。




 ギンたちをターゲットにした奴らのボスこそが『神下七星界』の一人であるダイールであった。その後、ダイールはギンたちの暗殺命令を部下たちに命じて姿をくらました。




 ギンたちはノーラたちに力を貸すことにした。その後のギンたちは宿でそれぞれ休息を取っていると、不意に殺気みたいのを感じた。そして、それぞれ臨戦態勢を取っていると、部屋がいきなり爆発したのだ。ギンたちはその爆発によって外に飛ばされてしまった。その間にギンたちの周りに謎の集団が取り囲んでいた。別の方でもノーラたちにも包囲されていたので、ギンは仕方なく捕縛されることにした。




 謎の集団に捕縛されたギンたちとノーラたちは何処かの建物の牢屋にまとめてぶち込まれてしまった。牢屋にぶち込まれてしまったギンたちは大人しくしているが、ノーラたちはここから出ようと懸命に檻を壊そうとしていた。だが、その時、檻の外に来た男を見て、ノーラたちはその男を睨むと、檻に来た男はノーラたちが睨んでいることを無視してギンたちの方を見て、ふーんと急に笑い出した。ギンは笑っている男に


「あんたが『神下七星界』の一人・・・ダイールで・・・・・・よろしいかな?」


 そう言うと男は


「いかにもこの私が・・・『神下七星界』である・・・ダイールだ」


 ダイールはギンが言ったことに答えるとノーラたちはダイールに怒りに満ちた眼差しを送っているがダイールにはどこ吹く風のように受け流している。だが、ギンはここの場所を調べていると、どうやら、ここは何処かの建物の地下だということが分かった。そして、地上に気配を配るとえっと顔を引き攣っていた。それを傍にいたシュウが「どうしたの?」とギンに尋ねると


「いや・・・なんかね・・・・・・どうやら・・・この国に聖霊軍本部の軍人が大量に配備されているんだけど・・・・・・しかも・・・少将や中将、しかも・・・あの大将グレンが来ているんだけど・・・・・・」


 ギンが顔を引き攣りながらそう答えるとシュウたちもそれを聞いて「マジ!?」と言いながら顔を引き攣っていた。もちろん、ダイールも驚いていたが、すぐさま部下たちにあることを命じた。ここから退散の準備を命じるが、ギンはここで笑みをこぼした。なんと、ギンはここで精霊を解放させようとしていた。しかも、一本目の『凪』ではなく二本目の精霊の『黒夜』を解放させると、ギンたちを閉じ込めた牢屋が一瞬にして壊れてしまったのだ。その壊れた振動で上から水が流れ込んで来たのだ。ギンたちはノーラたちを抱えてここを脱出することにした。


 しばらくして、ギンたちは何処かの湖から出て岸辺にノーラたちを引き釣り出して自分たちも出ると、いきなりハクリュウたちがギンに向かって「やるならやるってちゃんと前もって伝えてください!!!!!!」と怒鳴られてしまった。だが、ギンはダイールの行動を探っていた。どうやら、ダイールはこの国の首都に向かっているようだ。ギンはこの事をすぐに皆に伝えて、急いでこの国の首都に向かったのだ。




 ギンたちが国の首都に向かって数日後、『サザァー・ジーク』の首都である『サザーランド』に着いて見た光景が酷くも国内の内戦が勃発していたのだ。だが、肝心のダイールの位置を調べると奴は王宮の庭園にいることが分かった。しかし、それと同時にダイールの部下たちも首都の町並みに紛れ込んでギンたちが来るのを待っていた。そして、もう一つにギンは首都にいる人々たちの心の声を聞くと恐ろしいことが聞こえてきた。どうやら、ハクリュウたちもその声が聞こえてきたのだ。その内容が


「(クソ・・・国王の命で俺たち国民を皆殺ししろと命じたらしいぞ!!)(それだけじゃないわ・・・反乱軍もとうとう動き始めたというらしいじゃない!!)(どうすれば良いんだ!?)・・・」


と国民たちの悲痛な声が聞こえてきたのだ。ギンたちはこれに苛立ちめいてしまった。これには必ずあいつが関与していることが分かるのだ。しかも、この一件に霊軍は関与しないという声も聞こえたのだ。これでギンたちは自由に動けるということを知り、行動を開始した。ギンはノーラたちと共に王宮に向かうとしてハクリュウたちはダイールの部下たちの所に向かった。そしたら、ギンはノーラたちを抱えて、王宮まで『超跳躍力』と『超高速移動』を使用して王宮の庭園に向かった。




 その頃、ハクリュウたちはそれぞれのダイールの部下たちの前に立つと、ダイールの部下たちは「おやおや・・・俺たちに刃向かうとは・・・・・・君たちの頭は・・・相当のバカじゃないのか!!」、「愚かなことだ・・・貴様らが・・・動いたとしても・・・・・・この内戦も・・・ボスにも止められはしない・・・・・・ここで貴様たちは・・・・・・死ぬ!!!!!!」と言っているがハクリュウたちは


「俺の・・・いや・・・」「俺たちのボスである・・・」「ギンは・・・・・・いずれ・・・」「世界の王になられるお方・・・・・・」「貴様たちのボスなど・・・」「あいつの敵ではない・・・」「なぜなら・・・俺らのボスは・・・まだ・・・」「本気を見せていない!!」


 ハクリュウたちがそう言うと、王宮の方から途轍もない闘気を感じた。ハクリュウたちとダイールの部下たちは一緒に王宮の方を見た。


 時は少々遡る。ギンはノーラたちを抱えて王宮の庭園に着くと、そこで目にした光景は、ダイールが国王の首を掴んでいた。壁の方には部下のような方が何かで刺されていた。ノーラたちはそれを見て


「国王様・・・」


 それぞれ別の反応をしていた。だが、ダイールはギンたちの方を見るがすぐに国王の方を見て、何かの質問をしていた。


「おい・・・国王・・・・・・お前知っているはずだ・・・超巨大戦艦空挺『クロウ』の在処を知っているんだろう?」


 ノーラたちはダイールが言っていることが理解できず、ギンと国王だけは酷く驚いていた。だが、ダイールには気づいていなかった。ノーラたちはダイールが言っていることが分からず


「超巨大戦艦空挺・・・『クロウ』?・・・・・・それっていったい?」


 ノーラが言ったことにダイールは


「超巨大戦艦空挺『クロウ』・・・それは・・・・・・かつて・・・中央政府と戦った・・・・・・超古代兵器のことだ!!・・・・・・使用方法も不明と言われた・・・かつての最強の兵器・・・国王・・・・・・貴様知っているな・・・・・・言え・・・その使用方法を・・・・・・!!!」


 ダイールは国王に問い詰めると


「無駄だ!!・・・貴様なんかに使えるわけがない・・・超巨大戦艦空挺『クロウ』は『第一級特異危険視』たちにしか使用できないようになっている・・・」


 ギンがそう言うとダイールは目で「何故・・・貴様が・・・・・・それを知っている?・・・・・・答えろ!!」問うとギンは闘気を高めながらこう言った。


「簡単さ・・・俺がその『第一級特異危険視』の一人だからさ・・・」


 ダイールはギンが言ったことに驚いているとギンは胸に仕込んだピンを抜いた途端、闘気がさらに高まり肉体も変化したのだ。そして、ギンは肉体の変化をしながら説明した。超巨大戦艦空挺の使用方法、かつての世界で何が起きたのかを説明するとダイールは怒りをこみ上げてきて、そして、ギンに襲いかかろうとするが、突如、ギンの肉体の変化が終わり。闘気も尋常じゃないほど流れていた。ダイールはその闘気で離れるとギンは精霊刀『黒夜』を抜き、そして、解放した。そしたら、ギンが持つ『黒夜』から尋常じゃないほどの黒い何かが溢れ出していた。ギンはその黒いのをダイールに向かって振るうと、その黒いのはダイールに直撃して後方へと飛ばされていた。その間にギンは


「卍解・・・・・・『黒夜叉丸』」


 そしたら、ギンの姿が大きく変わっていた。黒き髪、黒き袴、黒き着物、そして、黒き羽織を羽織った姿をしていた。さらには精霊刀じたいが黒き刀になっていた。そしたら、ギンは黒き刀を振るう。ギンが黒き刀を振った漆黒の斬撃は先ほどの斬撃よりも大きく、質の高い斬撃だった。それをもろに受けたダイール。そして、黒き斬撃が消えたときはダイールの身体中ボロボロで立っていた。ギンはそれを見て、はぁっと息を吐いた。


「まだ・・・戦うのか?・・・・・・ダイール?」


 ギンはダイールにまだ戦うのか聞くと、ダイールは「当然だ・・・貴様から・・・・・・『クロウ』を奪うまでは・・・・・・」と言う。


 ギンはそれを見て


「貴様などに・・・・・・渡すつもりはない!!」



 と言ったらギンは刀を振るうと、また、先ほどの斬撃を放った。だが、ダイールはその斬撃を躱した。ギンはそれを見て、仕方ないといった顔をしていた。黒き刀から放出される黒き何かがギンを取り込んでいく。黒き何かがはらわれるとそこにいた姿にダイール、ノーラたちはその姿に驚いていた。黒き何かがはらわれてそこにいたのはギンだった。だが、ギンの姿は先ほどとは大きく変わっていた。


 黒き長い髪、上半身と顔の目と両手まで覆う包帯みたいなもの、そして黒く揺らめいている袴のようなものを履き、黒く揺らめく羽織を羽織った姿をしていた。


 ダイールはギンの姿に目を大きく開いて驚いていた。だが、ギンはダイールの目の前に立つと顎からアッパーを決めて上空の遙か彼方に飛ばした。上空に飛ばされたダイールは体勢を取ろうとしたが、ダイールが飛ばされている方向の彼方にギンが上空で立っていたのだ。そしたら、ギンはダイールの腹にかかと落としをした。ダイールはギンのかかと落としを受けて地上に落ちていった。


首都、王宮の入り口の外にある大広場に空からもの凄い勢いで落ちてくるものを見た国王軍と反乱軍の人たちが空を見上げていると落ちてくるものをもの凄い勢いで地上に落ちたのだ。国王軍と反乱軍の人たちが落ちた場所に近づいていくと、そこにはダイールが倒れていた。人々はダイールが倒れているのに驚き後ろに下がった。上空から落ちてきたダイールは気を失っていた。ギンは上空から『超視覚』を使って地上にいるダイールを見て、はぁっとため息を吐く。その後、ギンはハクリュウたちの状況を見ると、どうやら、ハクリュウたちも少々ボロボロであったが勝ったようだ。そしたら、ギンは霊軍の奴らの動いたことに気づいたので、ギンは地上に降りることにした。




 ギンが地上に着くと、聖霊軍本部の大将グレンがダイールに近づき、あることを宣言した。


「『神下七星界』の一人・・・ダイール・・・・・・貴方は『神下七星界』を除名処分・・・貴方がこの国を混乱に陥れた罪は重い・・・貴方とその仲間たちを護送し・・・・・・連行する・・・以上だ・・・!!」


 大将グレンがそう言ってこの場を去ると、霊軍兵がダイールとその部下たちを鎖で拘束した。その後、王宮から国王がやって来て今回の一件を全国民に説明した。これを仕組んだ奴がダイールであること、そして、そのダイールたちを倒したのがギンたちであることを説明する。国民たちはギンの方向を見る。ギンは国王の所に向かって歩く。そして、国王の前に立つと


「これで・・・この国の問題は解決したな・・・・・・後はお前ら自身で・・・これからの方針を決めるんだな・・・・・・そこまで俺たちは手を貸さないからな・・・」


 そう言ってギンはハクリュウたちの所に向かってこの場を去った。だが、国王はノーラたちに後を追わせるよう命じ、ノーラたちはギンの後を追った。


 ギンはハクリュウたちの前に立つと、ギンはハクリュウたちの状態を確認したら澄まし顔で笑みをこぼした。そしたら、ノーラたちがやって来て、ギンたちを王宮で歓迎すると言ってきた。ギンたちは仕方なく国王の命に従うことにした。そしたら、ギンの姿が元に戻り左手には黒刀『黒夜』が握っていた。ギンは『黒夜』を納めるとハクリュウたちと共に国王がいる王宮に向かった。




 それからの数日の間、ギンたちは王宮で滞在していた。ハクリュウたちは王都内を観光していた。ジノたちは王宮内でそれぞれ鍛錬していた。そして、ギンは部屋の窓から外を眺めていた。そしたら、部屋の入り口から声をかけられた。ギンは振り向くと入り口にはノーラとルミがいた。ギンは「何か用?」と聞くと、二人はギンに頼みたいことがあったようだ。ギンはそれを聞くと


「「私たちを貴方の仲間にさせていただけないだろうか?」」


 ノーラとルミがそう言うとギンは「いいよ」と了承した。そしたら、ノーラがギンにチーム名を聞くと、ギンは「あっ」とあることに思い出した。


「(そういえば・・・俺たちのチーム名を考えていなかった・・・・・・どうしよう・・・あっ・・・・・・でも・・・一応は考えていたんだな・・・・・・だが・・・これはハクリュウたちの意見を聞かないといけない・・・)一応考えているのだが・・・『ジ・エンパイア』っていうチーム名を考えているだが・・・どうしよう?」


 しかし、ギンが言ったチーム名がハクリュウたちとジノたちは笑みをこぼしながらコクッと頷いた。ギンは内心「(聞いていたのか・・・お前ら・・・ま、いっか・・・)」などを思っていたが、決まったことだしこれからこのチーム名でいくとしよう。チーム、ギルドの組織構成は考えていたのだ。それを皆に説明すると、数名だが首を傾げていた。ギンはもう一度説明した。


「『ジ・エンパイア』の構成だが・・・トップの総帥は俺であるギン・ライラックで・・・・・・俺の直属の幹部を『ナイト・オブ・ラウンズ』・・・それぞれ数字を持つが権限だけは・・・同列だから大丈夫・・・メンツはハクリュウ、シュウ、メリア、ギリス、S.A.R.U、ガル、ヴァン、ジノ、ナルスリー、シューテル、リーナ、ノーラ、ルミなどのそれぞれのギルドのリーダーたちが『ナイト・オブ・ラウンズ』で・・・・・・それ以下の仲間たちの中で優れた剣士たちは『ナイト・オブ・ナンバーズ』と呼ばせようと考えているのだが・・・どうだろうか?・・・皆?」


 ギンが皆に組織内構成を説明すると、皆やっと分かったようだ。そして、ギンは『ナイト・オブ・ラウンズ』のメンバーを発表した。


「『ナイト・オブ・ワン』・・・ハクリュウ・・・・・・『ナイト・オブ・ツー』・・・シュウ・・・・・・『ナイト・オブ・スリー』・・・ジノ・・・・・・『ナイト・オブ・フォー』・・・ノーラ・・・・・・『ナイト・オブ・ファイブ』・・・メリア・・・・・・『ナイト・オブ・シックス』・・・ギリス・・・・・・『ナイト・オブ・セブン』・・・ルミ・・・・・・『ナイト・オブ・エイト』・・・S.A.R.U・・・・・・『ナイト・オブ・ナイン』・・・ナルスリー・・・・・・『ナイト・オブ・テン』・・・シューテル・・・・・・『ナイト・オブ・イレブン』・・・ガル・・・・・・『ナイト・オブ・トゥエレブ』・・・リーナ・・・・・・『ナイト・オブ・サーティーン』・・・ヴァン・・・・・・以上だ!!」


 ギンが言ったことに皆嬉しそうにしていた。そしたら、ギンは今後の方針を皆に話した。これから、『ナイト・オブ・ラウンズ』はそれぞれの仲間を率いて力を蓄えることにする。ギンは『真世界』の猛者たちとの全面戦争になるはずだと内心そう考えていると、メリアが


「それはいったい・・・どういうこと?」


 ここにいる全員首を傾げ、ギンに訳を聞くと、ギンは呆れた表情で訳を言う。


「今回の一件もそうだが・・・俺もそうだが・・・お前ら・・・少々だけどぼろぼろになっただろう・・・・・・それじゃ・・・『真世界』では・・・確実に死ぬぞ・・・・・・必ず・・・だから・・・・・・しばらくの間・・・それぞれあらゆる場所に行き力を蓄えることにする・・・・・・期限は・・・・・・今から半年後だ・・・・・・それぞれ目的を果たし・・・・・・俺たちの飛空挺『クロウ』に集結して・・・共に『真世界』へいこう・・・」


 ギンはそう言うと窓からこの場を去った。それを見ていたハクリュウたちはギンの本当の真意に気づいた。その真意は


「(今の俺たちでは・・・聖霊軍本部の大将にも『四聖皇』にも勝てる気がしない・・・・・・だから・・・半年の間・・・・・・力をつけ・・・・・・『真世界』で頂点に立つ・・・・・・)」


 その真意に気づいたハクリュウたちはそれぞれの仲間たちを連れてこの場を去り、それぞれの新天地で力をつけることにした。


 サザァー・ジークを中心にして北の方にハクリュウとシュウの部隊、西の方にメリアとギリスの部隊、東の方にS.A.R.Uとガルとヴァンの部隊、南の方にジノ、リーナ、ナルスリー、シューテルたちが向かった。ノーラたちはギンの後を追ってそれぞれ半年の旅を始めた。




 ギンは後を着いてきたノーラたちと共に小型の飛空挺に乗ってある山々に通っていると、不意に何か強烈な闘気を感じた。ギンは途端に小型の飛空挺を近くの森に不時着させた。そして、ギンとノーラたちは小型の飛空挺を降りて周りを見回していると、腰に携わっていた『虹竜』が震えだしたのだ。ギンはそれを見て『虹竜』を鞘ごと抜いて四方八方に回すとある方向に震えが強くなったのだ。ギンとノーラたちは互いに顔を見合わせて『虹竜』が震えている方向に向かった。


 ギンたちは歩いていくと『虹竜』の震えが段々強くなっていく一方だった。ギンはこれを見てこの先に何かあるというのを感じた。しばらくしてギンたちは森を抜けるとそこには大きな神社と大広間があった。ノーラたちは目の前の建物に驚いているとギンも同じように驚いてようだが、不意を突かれたのか、背後から襲ってくる敵に対応出来なかった。だが、ギンだけは瞬時に奇襲してきた敵の剣を『虹竜』で受け止めるが、ノーラたちは襲った敵に対応出来なかった。ノーラたちの首元に奇襲してきた敵たちの刃を当てられていた。ギンはそれを見て内心「(仕方ない)」と息を吐き『虹竜』を納めて「仕方ない・・・大人しく捕まえることにしよう・・・・・・だから・・・早く俺たちをお前らの本陣に案内してくれないか?」とギンがそう言うと奇襲してきた敵たちはギンたちを神社内にある牢屋に投獄させた。




 ギンたちが牢屋に投獄されて数十分ぐらい経過した後、ギンたちの目の前に一人の女性がやって来た。黒き長い髪をして巫女服を着た女性だった。ギンはその女性を見たとき、心を惹かれるようなものを感じた。その後、女性はギンたちを見て、この場を去った。ギンは彼女がここから離れるのをずっと見ていた。そんなギンをノーラたち、いや、ノーラとルミが冷ややかな視線を送っていた。しばらくした後、ここに来た巫女服の女性たちがギンたちを牢屋から出して、この神社のトップが話したいことがあると言われてトップがいる大部屋に着き、中に入ると、大部屋にはこの神社のトップとあの時の女性がいた。ギンは顔色一つも変えずに御前の前に立ち、その場で座った。ノーラたちもギンに続いてその場に座ると、トップがギンの腰に携わる三本の精霊刀のうち『虹竜』を見ていた。ギンは『虹竜』のことを気にしているのか聞くと


「我ら『星埜神社』は・・・貴様が持っているその『虹竜』を渡してくれないだろうか?・・・・・・それは貴様が扱えるものではない・・・・・・その精霊刀は・・・・・・かつての『剣帝』だけしか使えなかった・・・精霊刀だ・・・・・・貴様が使えるものではない・・・だから・・・・・・その精霊刀を渡してくれないか?」


 星埜神社のトップは『虹竜』を渡して欲しい言ってきた。だが、ギンは


「断る!!・・・・・・こいつは俺自身に宿る精霊だ・・・・・・貴様らに渡す気などのない・・・・・・」


 ギンは『虹竜』をトップに渡すのを拒否した。


「確かに・・・・・・『虹竜』そのもの刃はこの世の全てを斬ることが出来る精霊刀だ・・・・・・そして・・・こいつの能力はこの世の天候を操る能力でもあり・・・・・・人知を越える能力を秘めていることも知っている」


 ギンが言ったことに星埜神社のトップは賛同するが


「だが、その能力に耐えうる肉体が必要だ・・・儂が見る限り・・・・・・貴様の肉体は・・・能力に耐えうる肉体ではない」


 星埜神社のトップが言ったことにギンははぁっと息を吐いた。そしたら、ギンは現在の自身の肉体に施した封印のことを話したら、星埜神社のトップ、隣にいる女性、そしてノーラたちも驚いていた。そしたら、星埜神社のトップが隣にいる女性「長女の『ユキ』」にギンたちの世話を任せることを命じると、ユキは立ち上がりギンたちの前まで歩き立つと「しばらくの間、貴方たちの世話をするユキと申します。よろしくお願いします。」と言いながら軽く会釈をした。そしたら、ギンも立ち上がり「俺はギン・ライラック・・・よろしく。」と言ってギンも同じく軽く会釈をした。ノーラたちもそれぞれ自己紹介するとユキはギンたちを連れてこの星埜神社内部を案内した。ギンたちはユキに神社内部を案内し終わった後、それぞれ部屋で休息をとっていると、廊下の方から足音が聞こえてきた。そして、襖が開いた。そこにはユキがいた。どうやら、食事の時間のようだ。ギンはユキについて行くと食堂で食事を取っているとノーラたちもやって来て席に着き食事を取り始めた。その後、ギンは神社内にある道場で個人鍛錬をしているとユキが道場に入ってきた。ギンはユキが道場に入ってきたことに


「何しに来た?」


 と訳を聞くと、ユキは木刀を手にしてギンに襲いかかってきた。ギンはそのまま突っ立っていたが、木刀を持っていた手を少し動かしただけだ。そしたら、ユキが持っていた木刀が縦に真っ二つに斬られたのだ。ユキは自分が握っていた木刀の現状を見て目を大きく開けていた。そしたら、ギンはユキの方を見ずに


「まだ・・・やるのかい?」


 と言うと、ユキは道場の壁に立てかけている木刀を持ち「当然!!」と言う。そしたら、ギンはユキの方に向いて構えを取ると、ユキも同じように構えを取った。


 その後、しばらくはギンとユキの相対していた。


 十数分後、ギンとユキは互いに呼吸が荒かった。汗も少々かいていた。そしたら、ギンは呼吸を整えてから道場を出ていた。ユキもギンと同じくして道場を出た。その後、ギンは大きな風呂に浸かっていると、後ろから「私も入って良い?」と声をかけられた。ギンはビクッと後ろを振り向くと、そこにいたのは湯着を着ていたユキがいた。ギンはそれを見て「あぁ」と頷くとユキはギンの隣に浸かり始めた。ギンは隣にいるユキをチラっと見ただけで内心どきどきしていた。そしたら、ユキが


「ねえ?・・・貴方ってもしかして・・・・・・ここ最近・・・世間で名を挙げている剣士たち・・・確か・・・『ジ・エンパイア』という組織の一人でしょう?・・・・・・違う・・・」


 と言いながらギンの方を見ると、ギンははぁっと息を吐いて、ユキに言ったことに「正解」と言うが、


「正確には・・・俺はその『ジ・エンパイア』の総帥である『ナイト・オブ・ゼロ』だよ・・・」


 ギンがそう言いながらユキの方を見るが、すぐに顔をそらすがユキはギンの態度が変だったので


「ねえ・・・・・・貴方さぁ・・・・・・さっきから様子がおかしいけど・・・・・・私と初めて会ったときから様子が変だけど・・・もしかして・・・・・・貴方・・・私の事が好きなの?」


 ギンはユキが言ったことにギクッと驚くが


「い・・・いや・・・そんなことはない・・・・・・ただ・・・今までこんな絶世な美少女を見たことはなくて・・・・・・驚いていただけだ。」


 顔をそらしながら言うと、ユキもふーんと視線をそらしていた。だが、実はユキ自身もギンに好意を持っていた。だが、ギンもユキも互いにそれを隠していた。その後、二人はそれぞれの部屋に戻って眠りについた。


 翌日、ギンは食堂で朝食を取っていると、ユキを見る度につい視線をそらしてしまうのだ。ユキも同じくギンを見てしまうと視線をそらす事があった。それを見ていたノーラたちと他の巫女たちは二人の様子が可笑しさに違和感を覚えた。それからの毎日、ギンとユキの雰囲気というか様子がおかしいのでギンにはノーラたちが、ユキには他の巫女たちが、二人の様子を聞こうとするが二人はそれぞれ「大丈夫だ(よ)」と言ってノーラたちや他の巫女たちに隠した。


 それからの毎日、ギンたちはユキや他の巫女たちを相手に鍛錬していた。そして、さらに数日後、この星埜神社のトップがギンを大部屋に呼び、座らせると


「呼んだわけを教えてください?」


 ギンはここに呼んだわけをトップに聞くと


「ギン・・・お前・・・もしかして・・・・・・ユキのことが好きではないのか?」


 ギンはトップが言ったことに内心驚くも顔色一つも変えずに「さあ・・・どうでしょうか?」と言うが、トップは


「まあぁ・・・それは良い・・・・・・お前は『虹竜』には対となる精霊がいることが知っているか?」


 ギンはトップが言ったことに首を傾げる。トップはギンの反応を見て


「そうか・・・知らないか・・・・・・ならば教えよう・・・・・・『虹竜』の対となる精霊は『蛮竜』という・・・・・・その二体の精霊は元々かつての『剣帝』が持っていた精霊刀だ・・・・・・だが・・・彼は死ぬ前に・・・この二体の精霊は姿をくらました・・・・・・それについては謎だが・・・あと・・・これは・・・信憑性がないのだが・・・その二体の精霊は・・・仲が良かったと・・・・・・聞いたことがある・・・・・・一説によれば・・・『虹竜』を持つものと『蛮竜』を持つものは・・・仲に惹かれやすいといわれているらしい・・・・・・」


 そうトップが言うが


「まあ・・・それは・・・・・・噂に近い説だ・・・」


 だが、ギンはトップが言ったことに訂正を言う。


「残念ですが・・・その説は・・・・・・信憑性がない話ではなく・・・本当のことなんです・・・ですが・・・・・・『虹竜』と『蛮竜』は『神級精霊』ですよ・・・・・・俺よりもユキの方が心配です・・・実は・・・ユキに宿っている精霊は・・・二体います・・・一つは『蛮竜』です・・・もう一つの方は分かりませんが・・・とにかく・・・『第一級特異危険視』以外で人の身に宿る精霊数が二体以上というのは極稀です・・・・・・」


 ギンが言ったことにトップは手を顎に当てていると、ギンは外の方から何か強い気配を感じたので、『見聞』を使いその気配を調べるとフッと笑みをこぼす。


「盗み聞きは良くないよ・・・・・・ユキ・・・それとノーラや他の巫女さんたち・・・」


 ギンがそう言うと大部屋の襖が開いた。そこにはユキたちがいたのだ。そしたら、ユキたちは大部屋に入って、ギンの後ろに座ると、ユキがギンにあることを質問した。


「ねえ・・・ギンさんは・・・・・・どうして・・・私の身に宿る精霊の数が二体だってことが分かったの?」


 という質問にギンはこう答えた。


「なぁーに・・・簡単だよ・・・・・・俺の嗅覚はね・・・『超嗅覚』という能力があってね・・・・・・それを使って知っただけだよ・・・」


 ここにいるギン以外の全員は「『超嗅覚』?」というのに首を傾げた。ギンが『超嗅覚』について説明した。


「『超嗅覚』というのは・・・一嗅ぎしただけで一嗅ぎされた対象の全ての情報を知ることが出来る・・・その情報というのは対象にされた生物、無機物の好きなものや嫌いなものまで・・・ありとあらゆる情報を得ることが出来る・・・・・・もちろん・・・人の身に宿る精霊の数も知ることが出来る・・・・・・この能力の良い点はほんの一瞬で情報を知ることが出来るという素晴らしい能力でもあるが・・・・・・呼吸力といった能力はほんの一瞬だから・・・その間に倒さなければならない敵だっているし・・・それを拒む相手だっているんだ・・・だから・・・この能力は・・・余り使用はしないんだ」


 と、ギンがそう説明すると、ここにいる全員それぞれ別の反応をした。そしたら、ギンは再び外の方から強い気配を感じた。それも先ほどより強くそして、複数の気配を感じた。それに気づいたギンは立ち上がり部屋の外に出た。それを見ていたユキたち。だが、ユキだけは何か胸騒ぎを感じて、ギンの後を追った。




 ギンとユキは星埜神社の敷地にいた。ユキはギンの近くに立っていると、ギンは『見聞』をもう一度使って辺りの気配を調べて気づいた。先ほどから感じた気配の数は千人以上の気配を感じた。しかも、十人ほど、他の奴らよりも強い気配をしていた。ギンは仕方なく、アイテム欄から『覇者の笛』を出して吹いた。吹き終わったが、何も起こらなかった。その後、茂みの方から武装をした兵士が圧倒的な数が出てきた。ユキはその数に口を手で覆っていたが、ギンはすぐに『覇王』の覇気を使って敵の半数以上を気絶させた。そしたら、段々と敵が茂みからわいてくるのだ。ギンはそれを見て胸に仕込んだピンを抜いた後、人差し指を胸の心臓に鋭い突きをした。そしたら、ギンの身体が『サザァー・ジーク』の時とは違い全身が黒くなり筋肉が硬質していた。ギンはその状態で敵に向かってこう言ったのだ。


「俺は今・・・かつて・・・ホークの野郎が名付けた・・・・・・『暴獣皇』ギン・ライラック・・・・・・今の俺を倒すのは・・・骨だぞ・・・・・・」


 と、奇声のような笑い声を上げたギン。ユキはあのような姿になったギンを見て、何か心に来るものを感じた。だが、今は目の前の敵に集中した。ギンはその後、先ほどやった『覇王』の覇気を使用した。そしたら、敵の数はさっきよりも敵を気絶させた。だが、敵は目の前の常識外の敵には悟ったのか。標的をユキに絞って襲いかかった。だが、それは無意味だと後になって分かったのだ。その理由はユキの前にギンが立っていた。そして、さらにはこんなことを言った。


「おい・・・てめぇら・・・何俺の女に手を出そうとしているんだ・・・・・・ああぁ!!」


 ギンは気づいていないだろうか。ギンはユキをちゃっかり自分のものにしていた。ユキは顔を真っ赤にして手で覆っていた。内心では「(ど・どうしよう・・・ギン・・・・・・完全に私を・・・自分のものにされている・・・つまり・・・これって私はギンの彼女で良いんだよね・・・・・・ああぁ・・・・・・本当にどうしよう?)」などを思っていた。そしたら、ギンの身体からピンみたいのがどんどん出てきたのだ。全てのピンが出すと雰囲気が先ほどよりも大きく変わっていた。


ギンは今の状態を見ながら


「ふぅ・・・スッキリした・・・これで全開に近い状態でお前らとやり合える・・・」


 と、不敵な笑みをしながら言う。試しにギンは目の前の敵に軽いデコピンをした。だが、軽いデコピンを受けた敵の顔と身体がバラバラになった。ギンはそれを見た後『覇王』の覇気を使用した。それによって、十人の強者以外の敵は全員気絶したのだ。


 ギンはその十人を見て力量を確認する。確認した後、『黒夜』を抜き


「卍解・・・『黒夜叉丸』」


 ギンの姿は『サザァー・ジーク』の時と同じ姿をしていた。だが、あの時と違うところは封印の解放の仕方が違うということだ。大将グレン戦の後に解放した時とは違い本来のやり方で解放したので、もう誰もギンを止めることは出来ない。さらにギンは『黒夜叉丸』と一つとなった。その姿は『サザァー・ジーク』の時と同じであった。だが、ギンはこの状態になって、やっと敵のことが分かったのだ。


「まさか・・・お前ら・・・・・・『トリエンティア』か・・・!!」


 ユキはギンが言った『トリエンティア』というのを聞くと、ギンはユキに説明した。


「『トリエンティア』というのは・・・このGROの世界・・・中央政府の最高機関の一つだ・・・・・・中央の人と奴らの違い・・・『トリエンティア』の奴らは・・・精霊じたいが実体化していることだ・・・・・・その実力も凄腕の力量の奴らだ・・・」


 ギンはそう説明すると、『トリエンティア』が


「ふっふっふっふ・・・まさか・・・・・・我らのことを知っている奴がいるとはな・・・驚きだ・・・」


「なるほど・・・・・・貴様のその力は・・・間違いない・・・・・・貴様は精霊を食しているな・・・・・・精霊を・・・」


「それなら・・・その未知数の戦闘力も・・・・・・頷ける・・・」


「しかし・・・貴様には・・・・・・まだ・・・上の領域がある・・・・・・」


「恐い恐い・・・一撃で倒さないと・・・我々が死ぬかも知れないなぁ・・・」


 などを言っている『トリエンティア』たちにギンは奴らの一体の前に立ち『トリエンティア』の一体の腹に拳を当てた。そしたら、ギンは


「『ビッグバン・ブロー』」


 瞬間、ギンは『トリエンティア』の一体にボディーブローをして、その勢いでその一体は空の遙か彼方に飛ばした。次にギンは隣にいた奴の顔を掴み光速で揺さぶらせた。そしたら、そいつの顔から体液みたいのが溢れ出してきた。それによって、隣にいた奴はその場に倒れて絶命した。そのまた次にギンは絶命した奴の両隣にいた奴らに黒きエネルギーを纏い、さらに『武装』も纏った『ビッグバン・ブロー』をして二体は最初にやった『トリエンティア』のように飛ばした。その後、ギンは残った『トリエンティア』たちを無残に殺した。ほとんどが首の根っこを引き向いたのだ。だが、一体だけ身体が石のように固まって絶命していた。




 その現状を見ていたユキと外に出てきたノーラたちは黒き精霊刀『黒夜』を握っているギンとその足元にあった血の海を見ていた。だが、ギンはスッキリしたような顔つきをしていた。


「ああ・・・スッキリした・・・久々に本気でやったからな・・・・・・まあ・・・存分に楽しめたけど・・・」


 と言いながら神社の方に歩いて行くギンに対してユキは


「ちょっと・・・待ってよ・・・あの人たちはどうするのよ?」


 ユキは絶命している『トリエンティア』たちのことをギンに尋ねると、ギンはこう答えた。


「心配するな・・・そいつらは・・・死なないよ・・・・・・いずれ・・・蘇るさ・・・・・・だって精霊なんだから・・・」


 さらにノーラは


「ねえ・・・ギンは・・・その精霊を食したんだよね・・・」


 と、言うとギンは「ああ」と答えた。そしたら、トップは首を横に振っていた。


「あり得ない・・・精霊を食すというのは・・・禁忌だ・・・・・・だって・・・精霊を食すというのは・・・人の身体に耐えられるものではない・・・」


 などとあり得ないことを言っている。ギンはトップが言ったことには反論しなかった。だが、世界で秘匿されていることを皆に教えた。


「でもね・・・世界には・・・極稀に精霊を食していても耐えうる肉体を持つ人が現れる・・・」


 と、言ってギンは星埜神社に入って行った。皆もギンの後を追って神社の中に入って行った。


 だが、ギンたちが星埜神社に入ってから数時間後、『トリエンティア』の奴らが立ち上がったのだ。しかし、『トリエンティア』の奴らはこの場を去って行った。だが、奴らは「いつか・・・『真世界』で倒してやる・・・ギン・ライラック!!・・・」と言い残して消えた。




 その後、ギンたちは食事を取り、床についた者たち、道場で鍛錬している者たちもいた。しかし、ギンは星埜神社の屋根の上で寝ていた。その隣にユキが座る。そしたら、ユキは寝ているギンを見ていた。そして、『トリエンティア』との殺し合いの時に言った。「(てめぇら・・・何俺の女に手を出そうとしているんだ・・・)」のを思い出して、顔を真っ赤にしていた。そしたら、ギンは目を覚まし起き上がると、隣にユキがいることを気づいて、目が驚いていた。


 ユキはギンの変化に首を傾げながら


「あれ・・・あの時と雰囲気が違うだけど・・・?」


 ユキはギンの変化に驚いていた。ギンはユキが疑問にしているのを分かっていた。


「ああ・・・あれかい・・・実は戦いや真剣勝負などの時は気分が良くなってしまうところがあるんだ・・・」


 などと言っているが


「でも・・・あの時に言った。あれは本当だよ・・・・・・俺は・・・ユキ・・・君が好きなんだ・・・」


 ギンは自分の本心をユキに言うと、ユキは顔を真っ赤にしながらも


「私も・・・ギンのことが好きよ・・・」


 ユキも自分の本心を言った。そしたら、ギンも顔を真っ赤にして、ユキの手を握っていた。その後、ギンとユキは星埜神社の上で夜空の星を見ながら楽しく会話していた。そしたら、ギンはユキに見せたいものがあると言った。ユキは「なぁに」と言うと、ギンは自分の頭に指を突っ込んだのだ。そして、その手に持っていたのは針であった。次に『武装』を纏った人差し指で自分の頭に突いた。そしたら、ギンの身体全体が大きく変化した。それはハクリュウたちと『夢の世界』にいくときにした姿をしていた。だが、あの時と違うところといえばギン自身が纏っている闘気が『トリエンティア』の時と全然違ったのだ。


 ユキは今のギンの姿に見惚れていた。そしたら、ユキはハッとなって顔を真っ赤にして取り乱したのだ。その後、ギンに聞いてみた。


「ねぇ・・・ギンの髪の色が・・・・・・銀色なのは・・・もしかして・・・地毛なのかなぁ?」


 よ、言うのを聞いてみると


「ああ・・・この髪かい?・・・間違いないよ・・・・・・ていうか・・・元々この髪なんだけど・・・変?」


 そう答えるギンであった。でも、ギンは自分の髪がユキにとって変なのか聞いてみると


「うんうん・・・綺麗だよ・・・・・・何かよく似合っている感じがする・・・私はその髪の色は好きだよ・・・」


 ユキはそう言うと、ギンは笑みをこぼし、ユキと一緒に神社内に戻ってそれぞれの部屋で眠りについた。




 翌日、ノーラたちや他の巫女たち、トップがギンの姿にビックリしておいたが、ユキだけはギンに食事を出して、ギンと一緒に食べていた。ギンとユキの仲が良いことにノーラとルミはギンにジト目で睨んでいた。その後のギンは道場で鍛錬をしていた。そしたら、ユキとノーラとルミがやって来た。ギンはそれを見て少々顔を引き攣っていた。ギンはユキにどうしてここに来たのかを聞くと、ノーラとルミが「邪魔しないで!!」「私たちは・・・この女に用があるの!!」と、言いながら精霊剣を抜いたのだ。それに対してユキは精霊刀を抜き、ノーラとルミに対峙しようとしていた。


 時を少々遡り、ギンが道場に向かっている時のこと。ユキが神社の台所で食器を洗っている時のこと。そこにノーラとルミがやって来た。


「何しに来たの?」


 と、ユキはノーラとルミに尋ねると


「ねぇ・・・あなた・・・・・・もしかして・・・ギンと付き合っているの?」


 と、ノーラはユキがギンと付き合っているのかの真意を聞くと


「えぇ・・・そうだけど・・・私はギンちゃんと付き合っているけど・・・・・・何か問題でもあるの?」


 ユキはそう答えると、ルミはユキに対してこんな質問をした。


「それは・・・・・・ギン自身が君のことを・・・好きだといったのか?」


 その質問にもユキはこう答えた。


「えぇ・・・そうよ・・・彼が・・・・・・ギンちゃん自身が・・・私の事を好きだと告白したわ・・・もちろん・・・私も彼のことは好きよ・・・」


 うっとりとした表情で答えるユキにノーラはうぬぬっと嫉妬の炎を燃やしていた。ユキはノーラとルミの態度や表情から見て、もしかしたらという考えだけど気づいたのだ。


「もしかして・・・あなたたちも・・・ギンちゃんのこと・・・・・・好きなんでしょう?」


 と、ユキがそんなことを言うと、ノーラとルミは顔を真っ赤に急に取り乱し始めたのだ。ユキは顔を真っ赤にして慌てている二人を見て、ふっふっふっと笑い始めた。ノーラとルミはユキが急に笑い出したので怒り始めた。


「ちょっと・・・笑うというのは・・・・・・酷くない・・・」


 笑っているユキに対してノーラは笑っていない笑顔を向けながら言うと、ユキは笑うのを止めてこんなことを言った。


「じゃあ・・・私と勝負しない?・・・もちろん・・・・・・精霊刀、精霊剣を用いての真剣勝負でね・・・・・・それなら良いでしょう?」


 ユキがそう言うと、ノーラとルミは頷いて了承した。そしたら、ユキはノーラとルミと一緒に道場に向かったのだ。




 そして、現在に至る、ギンの目の前でユキとノーラとルミが真剣勝負をしているのだ。ギンは道場の壁際に座り込んでいた。そして、ユキとノーラとルミの真剣勝負を見ていた。




 ユキは精霊刀を使っているが、ノーラとルミはそれぞれ精霊剣を使うらしい。まぁ、ギンに取ってみれば仲間の能力の確認することは必要だった。そしたら、ノーラとルミの闘気が急激に上がったのを感じると、どうやら、精霊の解放をするらしい。


「起きろ・・・『龍光』」


「目覚めよ・・・『光蓮』」


 ノーラの精霊剣から禍々しい闘気をルミの精霊剣から神々しい闘気が放出していた。そして、二人が持っている精霊剣が変化していた。ギンはそれを見て思ったことは


「(二人の精霊剣を見ると・・・まるで・・・魔剣と聖剣だな・・・闘気から見る限り・・・二人の宿っている精霊は・・・神級精霊と見える・・・だが・・・問題は能力だ・・・・・・それだけは知っておかないといけない)」


 そしたら、ユキも二人につられて精霊を解放した。


「堕ちろ・・・『蛮竜』」


 ユキが『蛮竜』を解放した途端、『虹竜』が急に光り出して震え始めたのだ。ギンは何かもの凄い闘気を感じた。その闘気を感じた方に向くと、ユキの精霊刀から禍々しい漆黒の闘気がただ漏れに放出していた。ギンはユキが持つ『蛮竜』を見る限り、あの『虹竜』と渡り合えるだけの事があるということを感じた。




 『蛮竜』を解放したユキと『龍光』を解放したノーラと『光蓮』を解放したルミたちの剣がぶつかり交わった瞬間、大気に亀裂が入ったのだ。そこから発する気迫に星埜神社内で全てに広がり、それを感じた皆が道場にやって来たのだ。ギンは道場にやってきた者たちに


「これ以上・・・入ってくるな・・・・・・意識を持って行かれるぞ・・・!!」


 忠告したが、他の巫女たちが一人ずつ倒れて気絶してしまった。だが、なんとか意識を保っている者たちがこれはいったい何なのか。ギンに尋ねると


「王の持つ資質・・・・・・『覇王』の衝突だ」


 と、ギンはそう言うが、まだ、ユキもノーラとルミはそのことに気づいていないようだ。そしたら、ユキとノーラとルミたちの剣から気迫といった衝撃が消え、互いに距離を取った。そして、ユキはノーラとルミに向かって走り出しノーラとルミに刀を振り下ろそうとした時


「そこまでだ!!」


 と、ギンが止めに入った。ユキやノーラとルミがギンに止められて不服だったようだ。


「どうして・・・止めるの?」


 ユキが言ったことにノーラとルミも頷く。しかし、ギンはユキたちを指の指す方向に見せると、そこには気絶している仲間たちや巫女たちを運んでいる気絶していない巫女たちが道場の床に寝かせている。ユキたちはそれを見て、えっといった顔をしていた。このような状況にしたのは、ユキたちだと言うギンに対して、ユキたちは首を横に振っていた。あり得ないといった表情をしていた。ギンもそれは分かっている。だが、時には現実を教えないといけない。ギンはユキたちにあることを教えた。


「ユキ・・・ノーラ・・・そしてルミ・・・・・・このような現状にしたのは・・・君たちの才能からなることなんだ・・・」


 ユキはギンが言ったことに疑問を感じた。


「才能?・・・・・・それはいったい・・・どういうこと?」


「その才能は・・・『覇気』という才能だ。」


 ギンはユキの質問に答えるとノーラとルミが


「「『覇気』?・・・それって何?」」


二人はギンが言ったことに首を傾げる。その後、ギンは三人に『覇気』について説明する。説明し終わるとギンは道場を出ていた。その後、道場に残ったユキ、ノーラ、ルミはギンが言ったことを思い出していた。


「(『覇気』を使える奴らは・・・この先『真世界』では・・・ごまんといる・・・・・・何故・・・俺が・・・・・・『ナイト・オブ・ラウンズ』の奴らに半年の間。力をつけろと命じたか・・・理由は簡単・・・・・・『真世界』にいる『四聖皇』の傘下に入らないようにするためだ・・・・・・今、俺たちがいる世界で躓いていたら・・・・・・『真世界』で命を落とす・・・確実に・・・・・・俺はこのGROに来て三年間・・・ずっと・・・・・・『真世界』にいたんだ・・・・・・『真世界』は全ての常識を覆す世界だ・・・『四聖皇』の椅子を引きずり落とすには・・・・・・それだけ・・・命をかける必要がある・・・故に・・・俺たちは力もちろんだが・・・もっと仲間が必要だ・・・奴らを倒せるほどの仲間が必要だ・・・)」


 と、ギンは野望に満ちた目をしていた。その後、ユキ、ノーラ、ルミはそれぞれの自室に戻って休息を取った。




 ユキたちが休息を取って、数時間後。三人はギンがいる食堂に向かった。食堂にいたギンはユキたちが食堂に来たのを感づき、入り口の方に向いて、ユキたちを席に座らせるよう促す。三人はギンと対面するよう席に座る。ギンは三人が座ったのを確認したら、ギンはこの世界に来てからの三年間のことを話した。


「今から・・・話すことは・・・・・・この世界に来てからの三年間の日々を話そう・・・」

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