05
GROの世界。四つの世界の一つ『妖怪界』の序章の序章にすぎない。
雨宮駿ことユン・ルイルックはGRO『妖怪界』にログインした。彼がこの世界にログインして気づいたことは自分の頭の中に流れるものがもの凄い勢いで流れてくるのだ。だが、彼は瞬時に理解した。これは知識なのだとこの世界に生き抜くための知識なのだと。彼は一度だけの現実世界にログアウトをして、すぐに家族にこの事を話しておこうとしたが、この知識を得てからも現実の物事が大きく変わったのだ。だが、これは駿だけにしか分からないことだ。姉や妹は何か変わった駿にどうしたのかと尋ねると
「大丈夫だよ・・・静佳姉・・・未海・・・大丈夫だ。」
そう言って駿は自室に戻り始めた。そして、もう一度、静佳姉と未海を見て、優しそうな眼差しを送り、自室に戻った。二人から見れば、それは最後の眼差しに見えた。
駿は自室に戻ったら、すぐにGROにログインした。ログインしてすぐに目にしたのは、謎の妖怪集団だった。だが、ユンはすぐに思い出し、
「すまない・・・手間をかけさせたね・・・・・・ユキネ・・・戻ろうか・・・家に!!」
そう言ってユンは妖怪集団を連れ、何処かへ行ってしまった。
現実の世界。翌日を迎えていた。妹の未海は、まだ起きてこない兄の駿を起こしに行こうと兄の部屋の前に立ちドアを開けると、未海が見た光景は誰もいない部屋だった。未海は急いで他の部屋の中を見ると、そこにも兄がおらず、家族にこの事を伝えた。それを伝えると母は倒れてしまい、父はすぐに警察に連絡した。その間、静佳と未海は駿の部屋に行方不明の手がかりが探していると、二人がGROと言うゲームが見つかった。その後、警察の人と一緒に日本政府の方が来て、事情を説明するとGROについて教えてくれた。
「GROというのは、世界中の各国が最も危険なゲームだと言われており、幻のゲームとも言われています。」
静佳は驚いても未海は兄の居場所を聞くと
「分かりません・・・過去の記録によると・・・・・・GROにログインした人は一度だけ帰れるが・・・二度目は帰って来なかった・・・・・・生死については・・・分かりません。」
そう言うと未海はそんなと言いながら泣き始めた。だが、可能性については日本政府の方が言うと
「可能性の範囲だが・・・過去の記録には・・・・・・その『第一級特異危険視』という記録が見つかった。その記録によると・・・GROでは王たる資質を持つものが世界に変革を起こすと書かれていた・・・・・・人知を越える力を持つものとも・・・書かれている・・・・・・なにぶん・・・ここら辺の記録は・・・少なすぎて・・・すいませんが・・・」
と日本政府の方が言うと、外から声がした。それも盛大な笑い声で
「GROそれは頂点を決めるためのゲームさ。ただそれだけのために・・・世界は何千年の歴史が流れた・・・・・・血に満ちた世界でな・・・ふはははははっはっ・・・・・・GROは全VR世界の頂点に君臨し最強最悪のゲームだ・・・」
そして、背後からも
「全てのVR世界を統べる王たち・・・それが『第一級特異危険視』・・・だが・・・それは真世界で頂点に君臨することが出来ればの話。」
「真世界の頂点は誰だと思う?・・・・・・世界の皇帝である『四聖皇』のうちの一人か・・・巧妙卓越に生きる我ら『神下七星界』か・・・・・・『第一級特異危険視』の奴らか・・・いや・・・・・・忠義で誠実の軍隊『聖霊軍本部』が世界の覇者・・・それに属さない奴らにも油断ならない猛者どももいる・・・・・・いずれ・・・起こるんだよ・・・・・・確実に・・・四つの世界の頂点という椅子を求めて・・・・・・始まるんだよ・・・今までの歴史上で最大の覇権争いが!!!!!!」
そう言うと静佳と未海は何のことかよく分かっていないようだが、背後の人が
「お前らの雨宮駿という奴は『第一級特異危険視』の一人だ・・・・・・加勢なり助けたいのなら・・・腕を磨き・・・そして、来るが良い・・・GROに!!」
それを聞いた静佳と未海は覚悟を決めた目をしていた。それを見て二人はこの場を一瞬で去ったようだ。静佳と未海にとって駿のことが一大事。すぐに今、自分たちがやっているゲームで命をかけて腕を磨き始めた。必ず、駿の助けたいという覚悟を秘めて、ゲームに打ち込み始めた。
場面が変わり、ユンが自分らのギルド本部に帰ると、皆が丁重にもてなしてくれた。その間、俺が考えたことはとにかく強くなることだという思いで廊下を歩いていると
「おい、ユン。」
急に声をかけられたので振り返ると
「何だよ・・・爺・・・」
「チッと・・・話がある・・・」
そう言われて、部屋に入り、座布団の上に座ると
「で・・・話って」
呼びつけた理由を聞くと
「実はな・・・お前を鍛えさせるようと思ってな・・・ここ最近の世界に少し傾きを感じてな・・・・・・お前自身が強くならないといけない気がしてな・・・どうじゃ・・・」
爺がそんなことを言うとユンは
「いいぜ・・・で・・・どこに行けば強くなれるんだ・・・」
ユンが言ったことに爺は驚き
「なんじゃ・・・お前さん強くなりたいかい?・・・」
「ああ・・・強くなりたいさ・・・・・・俺はこの組の頭だ・・・・・・俺自身が強くないと仲間たちからの信頼が得られないだろう?」
それを聞いて爺は
「生意気なことを言うじゃねぇか・・・ユン・・・・・・いいだろう・・・わしの頼みなら・・・あそこの奴らはお前さんを鍛えてくれるだろう・・・数日の間・・・時間をくれ・・・」
爺にそう言われて、数日の間ひたすら自己鍛錬に更けていた。
そして、数日後、大柄の妖怪が二人来て、他の妖怪たちは驚いているけど爺がユンの所に来ると、ユンはその二人を見て
「(見たところ・・・遠いところから来たようだな・・・あいつらのペースで案内させてもらった方が速いな。)」
ユンは仕方ないので横になって寝ることにした。大柄の妖怪の二人はユンを担ぎ上げ、何処かへ連れて行った。それを見ていた仲間たちは止めようとしたが、爺が止めた。爺がユンからの言伝を話すと皆、気合いが入ったのかそれぞれの特訓を始めた。
その間のユンは大柄の妖怪の二人に連れてかれて数日間寝ていた。目を覚ますと目的地に着いたのか知らないがいつの間にかどっかの部屋に布団の上で寝ていたようだ。そして、部屋の戸が開くと
「起きたか・・・ついてこい」
ユンは部屋を出て大柄の妖怪について行った。大柄の妖怪に連れてかれて廊下を歩くと、鎌みたいのは飛んでくるは氷の針みたいのも飛んでくるは、どうやら、これが歓迎の挨拶なようだ。仕方ないのでユンは立ち止まると、前を歩いていた大柄の妖怪が「おい」っと言っているけど、その後、一斉に鎌やら氷の針が飛んでくる。それがユンに当たると思ったらすり抜けたのだ。投げた奴らはあり得ないと思い、もう一度投げると、またもやすり抜けた。その間にユンは飛んできた方向を確認したら、姿を消し、氷の針を投げた奴に背後から首元に手刀で叩くと氷を使う妖怪は気絶した。ユンは気絶したのを確認すると、次は鎌を投げている奴を仕留めに行った。そして、鎌を持つ妖怪の背後に近づくが、気づかれてしまい反撃をしてきた。だが、ユンには効かなかった。それはさっきの反撃が煙のように斬れたのだ。まるで、幻を斬ったかのように、これがユンの妖怪の能力『明鏡止水』の一つである『鏡花水月』なのだ。
『鏡花水月』とは目に見えるものが真実ではなく目に見えないものでも真実である。だが、その逆しかりだ。それと真実の中に潜む嘘、嘘の中に潜む真実のような霧のような能力でもある。
その能力により、鎌を投げた妖怪を手刀で気絶させると、「何事だ」と言いながら妖怪たちが集まってくるとユンは集まってくる妖怪たちの前にいきなり現れると、妖怪たちはおぉーと声を上げる。その後、大柄の妖怪が状況の説明をすると、集まってくる妖怪たちの首領みたいな方が「またか」と頭をかきながら言うとすぐに「連れてこい」と部下の妖怪に言うと、ユンの方に近づき
「ほぉー・・・君が、ぬら爺が言っていた孫か・・・噂以上の妖怪だね・・・・・・さっきのあれもそうだけど・・・君はもう・・・能力を使えると・・・見えたけど・・・・・・何故・・・力を求める・・・」
何故、力を求めるのかをユンに聞くとふっと笑うと
「力を求める理由・・・簡単さ・・・・・・俺は・・・魑魅魍魎の主になることだ!!」
それを聞いた妖怪たちは盛大に笑い出したのだ。「お前みたいな奴がなれるわけないだろう」とか「無理だ!!・・・お前には絶対無理だ!!!」などと否定的なことを言うと、ユンが
「何だあ・・・この俺が『魑魅魍魎の主』になるのが・・・恐いのか」
と言うと妖怪たちが「あぁあ」と言うと、一斉に皆、ユンに襲いかかってきた。ユンはすぐに能力を使い、ある妖怪が持っていた木刀を拝借して、襲いかかってくる妖怪たちを一人一人的確に返り討ちした。十数分後、ユンの足元には襲いかかってきた妖怪たちが倒れていた。そして、倒れている妖怪たちの首領みたいな妖怪に近づくと
「それで・・・俺は・・・何をすれば・・・・・・いいのかな?」
この後のことを聞くと首領は
「そ、それじゃ・・・あそこにある洗濯物を近くの川辺で洗ってきてくれ。」
そう言うと
「分かりました」
ユンは洗濯物を持って川辺に行った。
ユンは川辺で洗濯物を洗っていた。そしたら
「さっきのはすげぇぜ!!新入り!!・・・あいつら・・・返り討ちにするなんてな!」
後ろの方から声をかけられた。振り返ってみると、女性の妖怪が三人と男性の妖怪が三人いた。
「おい・・・てめぇ・・・」
「ちょっと・・・貴方」
そのうちの一人の女性と男性が怒りながら近づき
「さっきの手刀・・・」
「あれ・・・結構効いてたのよね・・・・・・」
何か怒り増しで言う二人にユンは顔をやばいと感じて完全に引き攣っていた。内心ではどうしようと考えを巡らせていると
「もう・・・エルラにタークも・・・・・・いい加減に怒らなくてもいいだろう」
一人の女性が言うと
「だがよ・・・ナギニ・・・」
「そうよ・・・・・・ここでとっちめないと・・・腹の虫が治まらない!!」
ナギニはエルラとタークを止めるけど、二人はさらに怒りが増してきた。ユンは内心であることを思いついた。目線で洗濯物をみると、全て洗い終わっているから。内心で笑みをこぼしていた。そして
「ああ・・・そうだ・・・・・・この洗濯物・・・全て・・・洗い終わったんだけど・・・どこで干せばいいのか・・・分からなくて・・・」
干し場の場所を聞くと
「それは、この土手を上った先にあって・・・」
「いや・・・確か・・・森にも干せる場所があったはずだけど・・・・・・」
エルラとタークはそれぞれ干し場の場所をあるところ見ていて、その後、ユンの方を見ると、ユンがその場にいなかったのだ。二人はまたしてやられたと怒りに燃え、ユンを探しに行った。その場に残っていたナギニと三人は
「そろそろ、出てきたら二人とも行ったし。」
そう言うと、途端にユンが姿を表した。そして、洗濯物をまた洗い始めながら
「いや・・・あんな策に騙されるとは・・・怒りで我を忘れるのは・・・恐いね・・・・・・」
ユンは恐いことを言うと、ナギニが
「そんなことを考える君の頭脳が私には恐いね・・・」
「でも・・・気づいたのだろう・・・俺がその場に隠れたことも・・・・・・」
「まあね・・・」
ナギニは少し顔を引き攣っていたが
「紹介していなかったね・・・私はナギニ・・・・・・妖怪は『あまのじゃく』・・・君は?」
自分のことを紹介しユンの名を聞くと
「俺はユン・・・妖怪は『ぬらりひょん』・・・でも、四分の一が妖怪の血だけど」
ユンは自分のことを言うと皆、驚きを上げ
「へぇー・・・お前・・・クォーターなのか・・・ま、いっか・・・ああ・・・それとこいつらは・・・」
ナギニは後ろにいる妖怪たちを紹介しようとすると
「おいらは『沼河童』のタイゾウだ。よろしく。」
「あたしは『座敷童子』のユカ。よろしくねぇ。」
「俺は『猿の経立』のドガコだ。よろしくな。」
それぞれ自己紹介をすると、ナギニが
「さっきの二人は・・・『雪女』のエルラと『鎌鼬』のタークね・・・」
顔を引き攣りながら言うと、またユンは姿を消した。理由は
「おい・・・ナギニ・・・ここにあいつはいなかったか?」
怒りながらエルラとタークはナギニたちに近づくと
「いや・・・見てないよ・・・・・・なあ・・・皆」
ナギニはここにユンがいないことを皆に促すと皆、少々引き攣りながら頷くと、エルラとタークはまた怒りを燃やし始めた。ナギニは怒っている二人に
「あのさぁ・・・二人ともいい加減に頭を冷やしたらどうだい・・・そうすれば、どう対処すればいいか分かるだろう・・・」
二人はナギニに言われて「あ」っとなってやっと気づいた。妖怪なんだから能力で捕まればいい。それに気づいた二人の頭上に水をかけるユン。
「ほんと、頭を冷やせいいのに・・・だから・・・水をかけて冷やさせてあげる・・・」
笑みをしながらユンはエルラとタークの頭上から水をかけると、二人はまた怒ってしまった。
「「この野郎!!」」
二人はまたユンを捕まえ始めた。ユンは『鏡花水月』を使い躱していると、タークは鎌を使って能力を使用するも、全然ユンが捕まらないのだ。
「どうしたの?・・・全然捕まらないだけど?」
ユンはエルラとタークに挑発をすると、二人はさらに怒りを燃やし始めた。だが、二人の頭に水をかけて拳骨を与えた。今度は、ナギニが二人の頭を冷やさせた。二人は拳骨によって「頭が・・・頭が・・・」と言いながらうずまっていた。ナギニは二人を見て、ため息をついた。そして
「ユン・・・もう二人で・・・遊ぶのはやめてくれないか・・・」
そう言いながら、またため息をつくと、二人が起き上がり、ユンに近づくけど、ユンは頭を下げて謝り始めた。
「すいませんでした。先ほどの無礼をお許しください。」
謝ってきたのだ。それを見た二人はお互い顔を見合わして、仕方ないといった顔をしてユンに近づくと、また頭上から水をかけられた。その間にユンは洗濯物を持って、この場を去っていたようだ。最後に言い残したことは
「これから三年間よろしくねぇ。」
そう言ってこの場を去っていたようだ。それを聞いて二人は、怒りを燃やしていた。