ネコは七代祟ると申しますが
エイプリルフール3連投3作目。これで完結です。
今日は朝からずっと宿主に表情がない。無表情とはやはり気持ちの悪いものである。
のう宿主。もう少ししまりのある顔はできぬのか?
表情筋の動きをおろそかにすれば、今にも垂れるぞ。老けるぞ。皺が寄るぞ。
「ネコさん!?!?恐ろしいこと言わないで!!!」
ならば、なぜそのように残念な顔をしているのか述べよ。
「ネコさん最近なんかどんどんエラそうになってない?……いいんだけど……」
はよう、述べよ。
「あのね……ネコさん……」
「そのね……」
「え、と……」
かぷり。
「…………あ、あれ?く、暗いです、よ……?」
はよう言わぬか。言わぬなら喰らうてやろうぞ。
「ね、ネコさん?そ、そういうことはやる前に言ってください。お願いします」
はよう言わぬ宿主が悪い。
「はい、私が悪かったです。だからお願い食べないで離して美味しくないからおねがいぃ」
半泣きの宿主が語るには。
「ほら、ネコさんって万能なのに私なんかにいっつも一緒にいてくれてるじゃないですか。だからどうしてなのだろうと思って。ネコさんがお散歩いってる間にお姉ちゃんに相談したんです。そうしたら「食べるために決まってるじゃない。人間食べると猫又って尻尾増えるんでしょ?」て言われて……。ネコさん私ネコさんに食べられちゃうんですか!?非常食ですか?おやつですか!?」
何!?宿主を食べると尻尾が増えるのか!?
「やっぱり食べるんだ~!!!!!」
………食べるものか阿呆。今日はえいぷりるふーるとやらではないか。謀れたのであろうよ。
「……っ本当!?ネコさんホントに私を食べない!!??」
…………のう、宿主。腕の一本であれば、ちいっとかじってもよかろう?吾輩、尻尾がもう一本生えたら嬉しいなあ。
「いーやーだーーーーー!!?やっぱり食べるんだああああぁぁぁーーーー!!!!!」
普通の猫でも七代祟るのである。
あと5年は悪戯できるなあ。
来年は如何せん。
ここまでお読みいただきありがとうございました!