はじまりは一昨年
エイプリルフール3連投1作目。
朝から宿主の表情がだらしない。にまにまとしか形容しようのない顔で笑っている。
のう宿主。もう少ししまりのある顔はできぬのか?
あまりだらけた表情筋の使い方ばかりしていると、垂れるぞ。皺が寄るぞ。老けるぞ。
「ネコさん!?!?恐ろしいこと言わないで!!!」
ふむ。ならば何故にそのように残念な顔をしているのか述べてみよ。
「だって今日はエイプリルフールでしょ?だからどんないたずらしようかなって。ふふふ」
…………えいぷりるふーるとはなんぞや?
「え?ネコさん知らないの?四月一日ですよ?嘘をついてもいい日ですよ?」
ほう?嘘を吐いても良いとな?
「ほんとにしらないんですか?ネコさんが知らないって、驚きなんですけど。どれだけカタカナ語が苦手なんですか」
何を言うか。外来語は苦手ではないぞ。イクラはロシア語、カルタやカステラ、合羽に金平糖、南瓜に煙草はポルトガル語。ふむ、珍しいところで煙管はカンボジア語であるな。
「ネコさん……それ、外来語っていうよりもうなんか、雑学っていうか、うんちくっていうか……。むしろカタカナじゃない言葉の方が多いし。ていうか物知りですよね……。それなのにどうしてエイプリルフールは知らないんですか?」
……余計なお世話である。